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【インタビュー】J1フィールドプレイヤー最年長、最終盤で光る40歳FW中島裕希の存在感「ゼルビアをもう一度引き上げたい」

16時間前

[写真]=J.LEAGUE

 今季のJ1ではフィールドプレイヤー最年長となる40歳FW中島裕希が、優勝争いを繰り広げるFC町田ゼルビアで存在感を増している。前半戦は出場機会に恵まれない時期も続いたが、勝負の終盤戦で出番を勝ち取ると、第33節の川崎フロンターレ戦では9年ぶりにJ1の舞台でゴールを決めた。

「自分たちはずっとチャレンジャーなんですよね。ずっとJ1にいた訳でもないですし、J1での優勝争いをこれまで経験したことすらない」。J1昇格1年目、“新参者”の3位町田を引っ張る中島は「本気でJ1優勝を目指す」ことを改めて宣言。ホーム国立競技場で行われるFC東京戦に向け、「今季はまだ国立で勝つことができていないので、FC東京戦で勝って終わることができれば」と勝利を誓った。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

――中島選手の今季初出場はJ1第24節の横浜F・マリノス戦、国立競技場でのホームゲームでした。
中島 展開的に負けていたので(0-2の78分から出場)、自分に何ができるのかということを考えながらプレーしました。町田の良さはいい守備からのいい攻撃なので、まずは守備のスイッチを入れることを意識しました。

――中島選手にとっては2015年以来9年ぶりのJ1のピッチとなりました。
中島 これまで特に意識したことはないですけど、Jリーグデビュー戦は国立での東京ヴェルディ戦(2003年 J1リーグ2ndステージ第2節)でしたし、キャリアの節目節目で試合をしているイメージはありますね。

――2018年はJ2で4位という好成績でしたが、J1ライセンスが降りず昇格プレーオフを戦えなかったこともありました。その町田が国立でホームゲームを開催できるまでになりました。
中島 いや、本当にすごいですよ。自分はクラブハウスがない時代からプレーしていますけど、サイバーエージェント体制になってからの成長スピードはものすごく速い。国立でホームゲームができることは、たくさんのファン・サポーターの前でプレーできるということでもあるので、ゼルビアを知っていただける機会になると思います。今季はまだ国立で勝つことができていないので、FC東京戦で勝って終わることができればと思います。

――改めて周辺環境の変化をどう感じていますか?
中島 ついに朝食も出るようになりました(笑)。本当にありがたいですし、これだけ環境が整っていれば、言い訳することはできません。ここまで環境を整えてくれたクラブのためにも自分たちはやらないといけないですし、その義務があると思っています。常に感謝の気持ちを持ちながら、日々の練習に取り組んでいます。

――クラブとしては初のJ1で優勝争いを演じています。その中で日々大切にしていることはありますか?
中島 自分たちはずっとチャレンジャーなんですよね。ずっとJ1にいた訳でもないですし、J1での優勝争いをこれまで経験したことすらない。もちろん試合に負けて反省することは大事ですけど、あまり重く受け止め過ぎずにチャレンジし続けること。J1初年度ですから、力まずにチャレンジし続けることが大事だと思っています。

――J1昇格とJ2優勝を果たした昨季は、序盤戦から順調にポイントを稼ぎ、一時は苦しみましたが最終盤でもう一段階ギアを上げて頂点に立ちました。
中島 めちゃくちゃ似ていますよね。カテゴリーは変わりましたけど、昨季とはほぼ一緒やんって思います(笑)。ただ、J2の2巡目は研究されたとしても自分たちのサッカーで上回ることができていましたが、J1はより研究・対策されていると感じます。もう残り4試合なので、何かを大きく変えることはできません。チームとしての共通認識やハードワークをもう一度徹底して、連勝できていたいい時期を取り戻したいと思っています。

――在籍9年目の中島選手から見た“FC町田ゼルビアというクラブの強み”はどこにあると思いますか?
中島 頑張ってハードワークをして、全員で守備・攻撃をする。その時の一体感というか、エネルギーは本当に大きいものがあります。それは相馬(直樹)監督や(ランコ・)ポポヴィッチ監督の時代から変わりません。その中で黒田(剛)監督が就任し、アップデートされたという感覚はあります。

――その中で後半戦は出場機会を得ることができています。ご自身のコンディションはいかがでしょうか?
中島 特に前半戦から変えたことはないですが、試合に出ている時も出ていない時もゼルビアのためにという思いを持っています。そこはブレないですし、試合に出ていなくても腐らずに続けられることは自分の強みでもあるので。やはり監督が求めることをやらないと試合には絡めないですし、どのチームでもどの監督でも求められる選手でいたいと思っています。

――第33節の川崎F戦でのゴールは、中島選手にとってどんな意味を持つゴールになりましたか?
中島 むちゃくちゃ嬉しかったですね。どうにかして序盤戦の強い時のゼルビアを取り戻したい。もう一度ゼルビアをもう一度引き上げたいという気持ちがありました。試合には負けてしまいましたけど、このゴールは特別でしたし嬉しかったですね。自分の中でも気持ちがこもったゴールでした。

――J1に昇格し、J1でも優勝争いを演じることで今季はファン・サポーターも増えています。
中島 ありがたいことにゼルビアに興味を持ってもらえていると思いますし、ファン・サポーターも増えたと思います。この前のファンサービスの日もたくさんの方に来ていただいていましたし、それはすごく実感しますね。もっともっと勝って町田市民に愛されるクラブになっていかないといけないと思います。

[写真]=FCMZ

――コロナ禍時代にはリモートマッチ(無観客試合)も経験し、ファン・サポーターの声援が力になるという経験も改めてされたと思います。
中島 盛り上がりが違いますからね。気持ちの入り方も変わります。国立には4万、5万人近く入ると思うので、その声援を力に変えて勝つ姿を見せたいです。

――改めて、史上初のJ1初挑戦・初優勝に向けた意気込みをお願いします。
中島 Jリーグの歴史に名を残せるかは自分たち次第です。本気でJ1優勝を目指していますし、このクラブのために優勝したいと思います。

――では、最後にメッセージをお願いいたします。
中島 自分たちは本気でJ1優勝を目指しています。優勝するためにはたくさんの応援が必要ですし、自分たちのパワーになるので、より多くの方に国立に来ていただいてゼルビアを応援してほしいなと思います。共闘して勝って一緒に喜び合いたいです!

明治安田J1リーグ 第36節
FC町田ゼルビア vs FC東京
11月9日(土)14時〜 @国立競技場

国立競技場でのホームゲームは今季ラスト! FC東京とのダービーマッチに臨みます。

町田vsFC東京 試合情報

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By 三島大輔

サッカーキング編集部

サッカーキング編集部所属。 週刊J2&月刊J3 MC。Jリーグ&ブラジルサッカーウォッチャー。

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