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JFLから這い上がった苦労人 鈴木章斗との“最強”コンビで2025年J1を席巻する湘南FW福田翔生

2025.02.27

浦和戦で先制点を決めた福田 [写真]=清原茂樹

 山口智監督体制が発足した2021年以降、16位、12位、15位、15位と毎年のようにJ1残留争いをしてきた湘南ベルマーレ。だが、今季は全く異なる様相を呈している。

 開幕戦では前評判の高かった鹿島アントラーズを1-0で撃破。勢いに乗ると、続くセレッソ大阪戦を2-1で逃げ切り、1998年以来の開幕2連勝を飾った。

 迎えた26日の浦和レッズ戦。ホームでのこの一戦も前半から相手を一方的に押し込み、次々と決定機を作る。浦和のマチェイ・スコルジャ監督が「貧相な前半だった」と落胆の言葉を口にした通り、シュート数は9対1。湘南の高度なオートマティズムと組織力が随所に光った。そして29分には福田翔生が先制。後半立ち上がりの49分にも鈴木章斗が追加点を決め、2点をリードすることに成功した。

 直後の奥野耕平の3点目がVARチェックで取り消された後は浦和の猛攻を食らい、1点を返される形になったが、終わってみれば、2-1の勝利。クラブ史上初の開幕3連勝でとうとう首位に立ったのである。

 そのけん引役となっているのが、この日そろって得点した21歳の鈴木と23歳の福田の2トップ。すでに鈴木が3点、福田が2点を挙げているのだから、“J1最強コンビ”との声が挙がるのも頷ける話だ。

「2人とも周りの状況を見ることができますし、守備の貢献度は他チームのFWに比べても僕らが一番すごいかなと。攻撃面も個の能力だけを見ればもっと高い選手はいますけど、2人のいい関係性があるし、2人で負けないくらいの力を出せていると思います」と鈴木も胸を張る。

 阪南大高時代に高校選手権で活躍した鈴木は当時から知名度のある選手だったが、福田翔生の方はJFLから這い上がってきた苦労人。2019年に東福岡からFC今治入りしたものの、4年間在籍しながら目立った活躍はできず、2022年末に契約満了という苦境も味わっている。

 2023年に赴いた当時J3のY.S.C.C.横浜で半年間11ゴールと爆発。瞬く間に湘南に引き抜かれた。新天地では少し適応に時間がかかったが、山口監督の下でスピードを生かした裏抜けやハードワークを向上させ、鈴木とのコンビネーションにも磨きをかけ続けた。そして2024年は2人揃って2桁得点を達成。その蓄積を今季は開幕から前面に押し出している。

 特に福田が鹿島、浦和を打ち破るゴールを奪ったのは特筆すべきこと。浦和戦後には「(先制点は鈴木)雄斗くんがいいボールをくれたので、決められてよかったです。背後は常に狙っていますし、その中で落ちて受けることも意識している。そのどちらもできているのが今はすごくデカいと感じます」とうれしそうにコメントしていた。

「(3連勝は)去年の積み上げが今につながっている。みんなが本当に1試合1試合、球際や細かいところをこだわってやっているし、それを徹底すれば湘南は強いという自信があったので、体現できている。智さんも『組織力はリーグナンバーワンだ』と言っていたし、その通りだと思います」と、背番号19は目を輝かせた。

 今季の福田のブレイクを予想したのが、YS横浜時代に共闘した元日本代表の大先輩である松井大輔だ。その話を振られると、福田は「メチャクチャうれしいですよ。大さんみたいな名のある選手にそう言われるのはうれしいです。注目されると気持ちも上がります」と満面の笑みを浮かべた。

 ただ、すぐに平常心を取り戻し、「だけど、僕は1戦1戦しっかりと戦っていくだけです。もちろん先は見据えていますけど、今やらないと意味がないので、本当に今にこだわっています」と静かに話した。周囲の雑音に囚われることなく、ゴールという大仕事を黙々と遂行していく構えだ。

 地に足が着いた発言ができるのも、やはり紆余曲折のキャリアを歩んできた経験値によるところが大きいだろう。加えて言うと、ガンバ大阪時代に相次ぐ負傷で苦しんだ2つ上の兄・湧矢(現:東京ヴェルディ)の姿を見てきたことも、自身の糧になっているという。

「兄ちゃんを見てきて、普通にサッカーできることが当たり前じゃないとすごく実感しているので、常に手を抜かずに頑張ろうという気持ちになれる。兄ちゃんのことはすごく尊敬しているし、励みになっています」と神妙な面持ちで言う。

 湧矢も「兄弟すごく仲がいいので、弟の活躍は素直にうれしいです」と少し前にコメントしていたが、福田兄弟でJ1に新たな風を吹かせられれば理想的だ。

 いずれにしても、福田翔生と鈴木章斗の強力2トップを擁する湘南がどこまでトップを走り続けられるのか。そこは今後の大きな注目点となる。3月は横浜F・マリノス、FC東京、ヴィッセル神戸といった難敵との戦いが続くが、福田が言うように一つひとつの戦いに集中することで成功への道が見えてくるはず。湘南の本当の戦いはここからだ。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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