カナダ大使館のクラグストン駐日大使と佐々木則夫監督
なでしこジャパン(日本女子代表)を率いる佐々木則夫監督が、6月に開幕を控えたFIFA女子ワールドカップ カナダ2015を前に、カナダ大使館のマッケンジー・クラグストン駐日大使を表敬訪問した。
神戸生まれというクラグストン駐日大使は、これまでの人生で約30年間を日本で過ごしているとのことだが、「もちろん気持ちとして日本を応援したいですが、優勝するまで応援することはできないですね。カナダ代表が最終的にゴールドメダルを取ってほしいです。そこで日本がシルバーを取ればベストですね」と “けん制”すれば、佐々木監督もクラグストン駐日大使が退席した後に報道陣に対して「そういうわけにもいかないですよね。目標を含めてですね。大使がいないですが、かましてやろうと思いました(笑)」と話し、対向心を燃やしていた。
冗談を交えて火花を散らした一方、クラグストン駐日大使は「日本は2011年の大会で優勝しました。カナダでも有名なチームです。最初から最後まで応援しています」とエールを送れば、「カナダと(決勝の行う)バンクーバーでお会いしたいですね」と佐々木監督も応え、互いの健闘を誓った。
なでしこジャパンはワールドカップ連覇という出場チームで唯一持てる目標を掲げて大会に臨む。佐々木監督は、「企業を含め、多くの日本の方が在住しているということで、皆さんがバンクーバーで我々、なでしこジャパンを応援していただければと思います」とサポートを呼び掛けると、「前回は『日本から応援に行くから!』と言っていただける方や選手の友達が観に来るといったことは聞かなかったんですが、バンクーバーは非常に良い街で、日本から行きやすいということもあって、現地で応援していただけるという声やアクションがあることはすごく感じますね。以前と違うのは現地に来ていただけるという方の声ですね」と期待されていることの大きさを実感していることを明かした。
佐々木監督は、「アルガルベカップなど、最近は良い結果が出なかったので、皆さんから“期待はしつつダメだろう”という声も聞きます」と言及したが、「それを覆すのがなでしこの選手たちです。そういう裏切り、そういう思わせぶりをして勝つということはドラマ性もありますしね」と、闘志を燃やしている。
24日にはMS&AD なでしこカップ 2015でニュージーランドと強化試合を行う。同試合はW杯グループリーグ初戦の相手であるスイス戦を想定しているが、「勝ち点3を取るためのシミュレーションとして、意欲的にやっていきたい」と話すと、「リードしている時に勝ち点3を取りきる、ドローの時には時間帯・状況によって積極的な仕掛けや守りきること、どんどん攻撃的選手を投入して積極的なアタッキングをすること、システムを変えるといったことを試みて、スイス戦で勝ち点3を取るということを踏まえて戦ってみたいです」とテストマッチの位置づけを語った。
本大会へ向けては、「僕自身もだいぶ準備が進んでいますし、国内キャンプへの支度もあと荷造りくらいなので、いよいよだと思います。日本のキャンプではしっかりとベース、コンディション、全てにおいてアップするため、きつめの練習を。カナダでは人工芝に慣れること、体調をコントロールしていくことをしながら初戦のスイス戦に臨みたいです」と、気持ちが徐々に上がってきていると話し、「我々も連覇はカナうんダ!というね。ちょっとわかりづらい?字余りかな?伝わるかな?(笑)」と、得意のダジャレで目標を語ってくれている。