新たな風を吹かせる期待が寄せられる中嶋、谷川、古賀(左から) [写真]=Getty Images
なでしこジャパンを率いる池田太監督は24日、ブラジル遠征(11月30日、12月2日ともにサンパウロ)でブラジル女子代表と対戦するメンバー22名を発表した。
FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023のメンバーが中心となったが、新たにJFAアカデミー福島所属のMF谷川萌々子、DF古賀塔子がなでしこジャパン初選出。またワールドカップ不参加だったが、アジア競技大会と追加招集となった女子オリンピックサッカートーナメント パリ2024アジア2次予選で印象的な活躍を見せたサンフレッチェ広島レジーナMF中嶋淑乃が選出となった。
ワールドカップではトレーニングパートナーとしてニュージーランドでチームに帯同し、“24、25番目の選手”として活動した谷川と古賀。アジア競技大会でも日本代表として戦ったが、なでしこジャパン正式メンバーとしては待望の初招集となる。池田監督は、「トレーニングパートナーとして参加していたこともあり、彼女たちのパフォーマンス、日ごろのパフォーマンス、アジア競技大会での存在感などを総合的に考え、このタイミングでなでしこジャパンのグループに入った時に、どういったプレーを見せてくれるのか、チームへの新たな刺激を含めてチャンスと考え、今回招集しました」と理由を説明。
谷川、古賀ともにトレーニングパートナーとしてなでしこジャパンの練習に参加している際、日に日にトップレベルの選手たちの強度やスピード感に慣れていき、スケールの大きなプレーを見せるなど、実力にそん色はなく、アジア競技大会でも片鱗を見せた。「古賀選手はディフェンスの真ん中もサイドもできますし、フィジカルのストロングもあります。アジア競技大会でも対人の強さで素晴らしいものを見せてくれました。そういった良い部分がブラジルを相手にどう出せるのか、またチームに入った時にどういう影響を与えられるのか。選手同士のユニットのテストを含め、短い活動期間ですが見ることができれば思っています。谷川選手は中盤、チームで言えば中央をイメージしています。展開力や攻守にわたっての強さ、うまさを見せてくれる特徴がチームにプラスとなる要素を見つけていければと思います」と、融合させていくことを念頭に置いた活動にしていきたいと続けている。
中嶋はアジア競技大会では準決勝、決勝で1得点ずつを挙げ、追加招集となったパリ五輪2次予選でも3試合のうち先発した初戦のインド戦で2得点。その後の2試合でも途中出場し、今回のブラジル遠征のメンバーの座も確保した。ワールドカップでニュージーランドの地に入らなかった唯一のメンバーにもなる。池田監督は「ワールドカップのメンバーがそのままずっと継続することはないともちろん思っていました」と前置きをしつつ、「アジア競技大会でのパフォーマンス、前回招集したアジア2次予選でも、良さであるドリブル突破、また途中交代で入ってから流れを変えるプレーといったプレーをしっかりと見せてくれました。WEリーグでもそういった良さを継続して出せている部分含め、今回招集させてもらいました。彼女はこれまでアジアでの対戦国が多かったので、1対1の良さが対人に強い南米、ブラジルの選手相手にどれだけできるか期待している部分でもあります。その中で個人、グループ、コンビネーションとして、やれることを見つけられればと思います」と、期待を寄せている。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長