コスタリカ戦に先発出場した日本代表FW大久保嘉人(左)[写真]=Getty Images
2日のコスタリカ戦を3-1で逆転勝ちした日本代表。一夜明けた3日は夕方、クリアウォーターの練習場でクールダウンを行った。練習開始前には、タンパベイエリアに住む日本人コミュニティの子供たち約50人、およびクリアウォーター市の子供10数人が訪れ、ザックジャパンと交流。写真撮影を行った。前者のグループはタンパにホームを置く北米サッカーリーグのタンパベイ・ラウディースでプレーする元日本代表MFの山田卓也がアレンジしたという。地元で絶大な人気を誇る山田の試みを、多くの人々が歓迎したようだ。
その後、トレーニングがスタートしたが、冒頭約10分間はザッケローニ監督のもとで青空ミーティングを実施。指揮官はコスタリカ戦の課題と今後への修正点を事細かく説明していたようだ。そして酒井高徳(シュトゥットガルト)も入って25人で体幹トレーニングを行っていたところで報道陣が締め出されてしまった。その後は軽いメニューを消化した模様だ。次のザンビア戦まで中3日。試合間隔が短いだけに、これまで同様、メンバーを入れ替えながら戦うと見られる。
この練習に先駆けて、同日昼には宿泊ホテルで選手のメディア対応が行われた。久しぶりにゴールという結果を残した香川真司(マンチェスター・U)や柿谷曜一朗(セレッソ大阪)らが安堵感を示す中、ザックジャパン体制で初めて右FWで先発出場した大久保嘉人(川崎フロンターレ)がひと際、強烈なオーラを放っていた。
「久々、よう寝たわ。起きたの9時過ぎやもん。いつも6時に起きるから」と前夜の勝利に気をよくしたのか、大久保は清々しい朝を迎えたようだ。
右サイドをやるに当たり、本人はいったん外に張ってから中へ動くというザック流の戦術を頭に入れながらプレーしたが、徐々に中へ入って味方との距離感を近づけながら戦ったという。
「最初は自分にボールが入ったら開かないといけないのかって思いながらやっていた。だけど、途中から向こうも研究してきて、サイドハーフとサイドバックで囲んで来たから、そうするとサポートが遠くて、これじゃ孤立するなと思って、中へ入っていった。みんなもそうやっていると思いますよ。最終的に自分のよさを出さないと日本の強みは出ないから。戦術だけじゃもったいないし、悔いが残らないようにしないと。もちろん監督がやろうとしていることもやるけど、自分の特徴も出さないと。その比率は半分、半分ですかね」と、大久保はあくまで自分の判断で戦術をアレンジしていくべきだと語っていた。
チームに柔軟性をもたらす大久保の存在は非常に心強い。本田圭佑(ミラン)の不振も不安要素になっているだけに、トップ下もこなせる大久保は重宝な存在。もしかすると本大会では攻撃陣の中核を担う可能性もある。大久保が次のザンビア戦でどういう使われ方をするか。そして最終的にはどの位置がメインになるのか。その動向が注目される。
文=元川悦子
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