準々決勝の韓国戦に臨むU-21日本代表 [写真]=Getty Images
9月28日、アジア大会男子サッカー競技は準々決勝を迎える。手倉森誠監督に率いられた若き日本代表の相手は、地元・韓国。開催国としての威信を懸けてこの“日韓戦”に臨んでくる相手とのマッチアップは、リオ五輪を目指すU-21日本代表が始動して以来最大のビッグゲームとなる。
2年後の五輪を見据えて「U-21」のメンバーで参戦している日本に対し、韓国は23歳のFWイ・ヨンジェ(V・ファーレン長崎)ら「U-23+オーバーエイジ3名」という年齢制限の上限でチームを編成した上に、DFキム・ジンス(ホッフェンハイム)、MFパク・チュホ(マインツ)といった欧州組も招集している。オーバーエイジ選手として参加している198cmの超大型FWキム・シンウク(蔚山現代)が負傷を抱えてプレーしていないマイナスポイントはあるものの、戦力的に日本の上をいく編成であることは否めない。
ただ、だからこそ倒し甲斐があり、挑む価値のある試合でもあるだろう。「満員のアウェイでやりたい」と語っていた手倉森監督は、「このチームには韓国との対戦を楽しみにしているような空気感がある」とチームの好ムードについて語る。
DF岩波拓也(ヴィッセル神戸)は「韓国とやりたいと思っていた」と言い、DF遠藤航(湘南ベルマーレ)は「シンプルに楽しみにしています」と言い切った。一方、ロングボールを多用する相手に対する跳ね返し役として期待され、この日も全体練習とは別にヘディング練習に励んでいたDF植田直通(鹿島アントラーズ)は、「負ける気もしないし、そこ(空中戦)で負けたら、自分は何の役にも立たない選手ですから」と韓国FWとのマッチアップに熱い闘志を燃やしていた。
個の力で上回る韓国が「直線的なプレーから二列目が勢いを持ってそのこぼれ球を拾ってくるのと、もう一つはクロスからの攻撃」(手倉森監督)を多用して、強引に日本守備陣を破りに掛かるであろうこの一戦。日本側に問われるのは培ってきた戦術的柔軟性だ。「イラク戦もそうだったけれど、それ以上に“試される”ゲームになる」と語る指揮官は、「二つの攻撃に対して、自分たちがどう対応できるか。どういなせるかを示したい」と語る。
日本に勝機があるとすれば、相手の攻勢を耐えて焦りを引き出せたときだろう。アウェイの観衆が作り出す雰囲気は確かに脅威なのだが、試合が拮抗してくるようなら自然と「韓国のほうがプレッシャーも掛かる」(遠藤)という見方もできる。フィジカルな戦いに対抗しつつ、戦術的な駆け引きで上回り、最後はメンタルでも優位に立つ。「俺たちはイラクに決勝でリベンジするということでやっている」(手倉森監督)チームにとって最大のビッグゲームが、いよいよ幕を開ける。
文=川端暁彦
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