前回、途中離脱の香川…気持ちを新たにインサイドハーフで手応えを掴めるか

香川真司

ジャマイカ戦に出場した日本代表MF香川真司 [写真]=嶋田健一

 14日のホンジュラス戦(豊田)、18日のオーストラリア戦(大阪)に向け、10日から愛知県内で合宿に入った日本代表。ハビエル・アギーレ監督がメキシコへ出発した翌11日には、合流が遅れていた香川真司(ドルトムント)、川島永嗣(スタンダール ・リエージュ)の2人が合流。23人全員がようやく揃った。

 この日は近いポジションの選手ごとに5グループに分かれたパス回しからトレーニングがスタート。クロス&シュート、FW陣とMF陣による7対7、DF陣のマーキング確認など多彩な内容が盛り込まれた。4-3-3を意識した実戦形式の練習では、本田圭佑(ミラン)は岡崎慎司(マインツ)、乾貴士(フランクフルト)と3トップを形成。中盤は今野泰幸(ガンバ大阪)がアンカーに入り、インサイドハーフの左右には香川と遠藤保仁(G大阪)が入る形となった。細貝萌(ヘルタ・ベルリン)が選考外となった今回は今野と長谷部誠(フランクフルト)がアンカーのポジションを争う模様で、ベテラン同士の激しいバトルが注目される。練習後半には小林悠(川崎フロンターレ)が左ひざを痛めて途中離脱したが、練習後には自力で歩いて移動しており、そこまで重症ではなさそうだ。

 そんな中、10月のジャマイカ戦(新潟)で左インサイドハーフで初先発しながら、脳震とうを起こし、チームを途中離脱した香川も今回こそ新たなポジションでの手ごたえをつかみたいと意気込みを新たにしている。

「攻撃のところでどこまで動きの幅を持てるかって意味では、トップ下とは違うポジションなんで、そこをやり続けていかないと。すぐに答えは出ないと思いますけど、時間をかけてしっかり順応していきたい」と、ドルトムントでやっているトップ下とは一味違った役割をいかにモノにするかを真剣に模索していくつもりだ。

 ジャマイカ戦では前半はやや引き気味になる時間帯が長く、前線への飛び出しやシュートなど香川らしい攻撃センスを示すことがあまりできなかった。後半から本田が左サイドに回り、長友佑都(インテル)とのトライアングルができ、慣れた選手たちとスムーズに動くことで持ち味が発揮されるようにはなかったが、強行日程で来日した相手の運動量がガクッと落ちたことも追い風にはなった。香川自身もこの試合は参考にはならないと考えている様子。今回の2連戦が本当の勝負と位置づけている。

「ジャマイカ戦の後のブラジル戦でも4点入れられましたし、そういうレベルの高い相手になった時にどこまでできるかで自分たちを評価していかないといけない。そういう相手に勝たないとワールドカップでも勝てない」と香川は難易度の高い相手との戦いで自分を出すことに集中するという。

 確かに今回のホンジュラス、オーストラリアは同じブラジル・ワールドカップ1次リーグ敗退国。レベル的には拮抗している。その相手にインサイドハーフとしての香川が効果的な仕事を示せるか。そこに注目して、2連戦をしっかりと見極めていきたい。

文=元川悦子

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