あまた浮上する日本代表監督の後任候補 [写真]=Getty Images
日本代表を率いていたハビエル・アギーレ監督が3日、契約を解除された。
2010-11シーズンにレアル・サラゴサを率いていた際、1部残留の懸かった試合での八百長に関与した疑いがもたれ、スペイン検察から告発。現地裁判所に受理され、本格的な捜査が可能となり、JFAは契約解除を決断している。
その後、日本代表の後任監督報道が過熱。日本サッカー協会は外国人監督に絞り、5人程度の候補をリストアップしていると明かしているが、あまたの指揮官候補の名前が報じられ、すでに断りを入れている候補もいるという報道もある。現在名前が挙げられている主な監督候補と、略歴は以下のとおり。(年齢順)
■トーマス・トゥヘル(41歳)
現役時代はDFでプレーしたが、けがが原因により24歳の若さで現役を引退。指導者へ転向すると育成部門で実績をあげる。2009年からマインツのトップチーム監督に就任すると、2010-11シーズンにはクラブ最高となるブンデスリーガ5位に導いた。岡崎慎司を獲得し、7位でシーズンを終えた2013-14シーズン終了後に1年残っていた契約を解除して監督を退任。現在はフリーとなっている。
■レオナルド(45歳)
母国ブラジルでフラメンゴとサンパウロでプレー。ヨーロッパではバレンシア、パリ・サンジェルマン、ミランで活躍した。日本でも鹿島アントラーズに在籍し、華やかなプレーで観客を魅了。引退後はミランのフロント入り。2009年6月に指揮官となったが、同シーズン限りで退任。2011年からインテルの指揮官を半年間務め、退任後はPSGのスポーツディレクターとなった。2013年夏、同職を退任している。
■パウロ・ベント(45歳)
現役時代はベンフィカやスポルティング・リスボンといったポルトガルの有力クラブやレアル・オビエドで主にボランチとしてプレー。ポルトガル代表としてユーロ2000や2002年の日韓ワールドカップに出場している。現役最後のクラブとなったS・リスボンの下部組織で指揮官としてのキャリアをスタートさせると、2005-06シーズン途中にトップチームの監督となる。2度のカップ戦と2度のスーパーカップを制したベントは、2009年11月に成績不振で辞任。2010年9月にカルロス・ケイロスの後任としてポルトガル代表監督となる。2014年のブラジルW杯ではグループリーグ敗退。同年9月のユーロ2016予選でアルバニアに敗れたため、解任されている。
■ドラガン・ストイコヴィッチ(49歳)
現役時代はユーゴスラビア代表などで活躍すると1994年から2001年までは名古屋グランパスでプレーして現役を引退。ユーゴスラビアサッカー協会やレッドスター・ベオグラードの会長を歴任し、2008年から古巣名古屋の監督に就任した。2010年にJ1を制覇。2013シーズン終了後に退任した。
■ミカエル・ラウドルップ(50歳)
ユヴェントスやバルセロナ、レアル・マドリードなどでプレーしたラウドルップは、1996年にはヴィッセル神戸に在籍した経験を持つ。輝かしい現役時代を過ごして1998年に現役を引退。指導者としては2007-08シーズンにヘタフェの監督に就任すると、コパ・デル・レイで準優勝、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)でベスト8に進出する。同シーズン限りで退任した後は、スパルタク・モスクワ、マジョルカと歴任し、2012-13シーズンからスウォンジーで指揮する。リーグカップ優勝を果たし、パスを回して崩すスタイルで評価を高めたが、翌シーズンに解任されている。現在はカタールのレフウィヤ監督。
■フランク・ライカールト(52歳)
現役時代、アヤックスやミラン、オランダ代表で活躍。マルコ・ファン・バステン、ルート・フリットとともに“オランダトリオ”として名を馳せた。引退後、フース・ヒディンク監督下でオランダ代表コーチを務めた実績を買われ、1998年に監督キャリアがないまま同代表指揮官に就任する。ユーロ2000後に退任し、スパルタ・ロッテルダムを経て2003年からバルセロナ監督に。ロナウジーニョやサミュエル・エトオなどを擁して2005-06シーズンにはチャンピオンズリーグを制した。2007-08シーズン限りで解任され、その後ガラタサライ、サウジアラビア代表を率い、2013年1月に同代表監督を解任されて以降は監督業から離れるとともに、指揮官職に戻る意思がないと発言している。
■ワルテル・マッツァーリ(53歳)
現役時はフィオレンティーナやエンポリに在籍。監督としては2004-05シーズンから率いたレッジーナで実績を挙げる。特に2006-07シーズンはカルチョーポリにより、勝ち点マイナス11の処分を受けながらもセリエA残留を果たした。サンプドリア、ナポリと歴任し、評価を高めていくとと2013-14シーズンからインテルを指揮した。前シーズンに9位で終えたチームを5位に引き上げたが、今シーズンは低迷。2014年11月に解任された。
■ルチアーノ・スパレッティ(55歳)
サンプドリアやヴェネツィアなどで指揮官を務め、2002年に2度目の就任となったウディネーゼ監督時代の2003-04シーズンにクラブ初のチャンピオンズリーグ出場権を得る。翌シーズンにローマの監督に就任。フランチェスコ・トッティをセンターFWとして起用する“ゼロトップ”システムを用いてセンセーショナルを巻き起こした。2010年から指揮したゼニト・サンクトペテルブルクでは2度のリーグ優勝を果たしたが、2014年3月に成績不振で解任されている。
■グレン・ホドル(57歳)
現役時代はトッテナムで長らく活躍。イングランド代表として1982年のスペインW杯と1986年のメキシコW杯に出場している。指揮官としては1991年からプレイングマネージャーとしてスウィンドン・タウン、チェルシーを率い、1995年に選手を引退。1996年からイングランド代表を指揮した。1999年に障がい者に対して「前世の罪の報いを受けている」と発言したとして、言葉が誤解されたと主張したものの同職を解任される。その後はサウサンプトン、トッテナム、ウォルヴァーハンプトンの監督を務め、2006年以降は監督業を行っていない。今シーズンはハリー・レドナップ監督の下、クイーンズ・パーク・レンジャーズでコーチを務めたが、レドナップ監督の辞任とともにチームを離れた。
■チェーザレ・プランデッリ(57歳)
ユヴェントスやアタランタで現役時代にプレー。引退後、ヴェローナの監督を務めた際に実績を上げ、パルマやローマ、フィオレンティーナの監督を歴任。パルマ時代には中田英寿を指導している。2010年にイタリア代表の指揮官に就任。ユーロ2012では準優勝となったが、ブラジルW杯ではグループリーグで敗退して辞任。今シーズン、ガラタサライの監督に就いたが、チャンピオンズリーグのグループリーグで最下位になったことなどの責任を取る形で解任されている。
■ホセ・アントニオ・カマーチョ(59歳)
現役時代は左サイドバックでプレー。長らくレアル・マドリードの守備ラインを支えた。スペイン代表としても81試合に出場している。引退後はスペインの各クラブ監督を歴任し、1998年にはレアル・マドリードのトップチーム監督となったが、クラブとの対立により22日で辞任。同年スペイン代表監督となった。ユーロ2000と日韓W杯ではともに準々決勝敗退。再びクラブ監督としてキャリアを積み、2011年からは中国代表を率いたが、ブラジルW杯出場権を逃したため2013年に解任されている。
■レヴィー・クルピ(61歳)
1986年から監督キャリアをスタート。1997年にはセレッソ大阪で指揮官を務めると、翌年から長らくブラジル各クラブで監督を歴任し、2007年から再びC大阪監督に。一度クラブを離れた期間はあったが、2013シーズンまでチームを率い、香川真司や清武弘嗣、乾貴士、柿谷曜一朗など日本代表選手の成長に大きく寄与した。現在はアトレチコ・ミネイロの指揮官。
■フェリックス・マガト(61歳)
現役時代はハンブルガーSVの中心選手として活躍し、チャンピオンズカップ(現CL)制覇などに貢献した。引退後はドイツの多くのクラブで監督実績を積み重ねる。バイエルン時代にはリーグとカップ戦で2年連続二冠。ヴォルフスブルク監督を務めた2008-09シーズンには当時在籍していた日本代表MF長谷部誠やボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWエディン・ジェコなどを擁して、クラブ初のリーグ優勝に導いた。今シーズンはイングランド2部のフルアムを率いていたが成績不振で解任されている。厳しいトレーニングを選手に課すことが有名で、軍隊式トレーニングなどと揶揄されることもある。規律があり、ハードワークを厭わない日本人選手を評価していると言われる。
■ヴァヒド・ハリルホジッチ(62歳)
現役時代はユーゴスラビア代表として1982年のスペイン・ワールドカップに出場するなどしている。引退後、母国で指導者としてのキャリアをスタートさせ、PSGやレンヌなどフランスの各クラブやトルコのトラブゾンスポル、サウジアラビアのアル・イテハドの監督を務める。2008年にコートジボワール代表を率いたが、2010年2月に解任。ディナモ・ザグレブで指揮した後、2011年からはアルジェリア代表の監督に。2014年のブラジルW杯では同国初のベスト16に導いた。大会後はトラブゾンスポルの指揮官に再び就任したが、11月に契約を双方合意で解除している。
■ベルト・ファン・マルワイク(62歳)
2000年に就任したフェイエノールトでは小野伸二らを擁した2002年にUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)を制覇。2008年からオランダ代表を率いて2010年の南アフリカ・ワールドカップで準優勝を果たす。しかし、ユーロ2012ではグループリーグで敗退し、辞任した。2014年のブラジルW杯終了後には韓国代表監督の候補に浮上したが、破談に終わっている。
■クラウディオ・ラニエリ(63歳)
1986年から監督キャリアをスタート。ナポリやフィオレンティーナの指揮官を務め、1997年からはバレンシア、アトレティコ・マドリードとスペインでも指揮。2000年からチェルシーの監督となり若手を起用。世代交代の推進と一定の成績を収めたが、タイトルは獲得できず、2004年に解任された。その後はバレンシアを経てイタリアに復帰し、パルマ、ユヴェントス、ローマ、インテルと歴任した。2012年に大型資本が投入されたモナコで監督を務め、1部昇格を果たしたが2014年5月に解任。ブラジルW杯終了後にキャリア初となる代表監督としてギリシャを率いることになったが、ユーロ2016予選の不振で11月に解任されている。“修理屋”の愛称で呼ばれ、シーズン途中のチームを立て直す手腕には定評がある。
■オズワルド・オリヴェイラ(64歳)
1999年からコリンチャンスで監督業を始めたオリヴェイラは、FIFAクラブ世界選手権2000で優勝を果たす。その後はフルミネンセやフラメンゴなどブラジルの名門で監督歴を重ね、2007年から鹿島の監督に。同年からリーグ初となる3連覇を達成するなど、黄金期を築いた。2012年からブラジルに復帰。現在はパルメイラスを率いている。
■ルイス・フェリペ・スコラーリ(66歳)
グレミオなどのブラジルや中東の各クラブで監督を務め、1997年にはジュビロ磐田の監督を務めた。2001年にブラジル代表監督となり、翌年の日韓W杯を制覇。2003年からはポルトガル代表監督として2004年のユーロ準優勝、2006年のドイツW杯4位に導いた。2008-09シーズンからチェルシーの指揮官となり、ヨーロッパでの監督初挑戦となったが、成績不振でシーズン中に解任の憂き目に遭っている。2012年11月からブラジル代表を再び率いて自国開催のW杯に臨んだが、4位という成績で終え、現在はグレミオの監督を務めている。
■ズデネク・ゼーマン(67歳)
チェコ国籍だが、イタリアで監督キャリアをスタートさせるとともに経験を積んでいく。1989年にはフォッジャを率いて旋風を巻き起こす。ゼーマンの代名詞と言える[4-3-3]を用いた攻撃的なスタイルで躍進し、“ミラクル・フォッジャ”と称された。その後もイタリアの各クラブを指揮。今シーズンはカリアリを率いたが12月に解任されている。代表監督経験はなく、今年5月で68歳を迎える高齢もネックか。
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