2015明治安田生命J1リーグのファーストステージ第2節が14日に行われ、FC東京は味の素スタジアムで横浜F・マリノスと対戦し、0-0で引き分けた。前日に日本代表監督の就任会見に臨んだヴァヒド・ハリルホジッチ新監督が同試合を視察し、決定的なシュートを止めたGK権田修一を絶賛した。
均衡した緊張感のある一戦で、見事なセービングを見せチームを救った。53分にロングフィードから左に流れた齋藤学に抜け出され、ドリブルでFC東京のDFを引き付けて中央へラストパス。後方から走りこんできた兵藤慎剛と権田が一対一の状況となったが、左へ放たれたシュートを右手一本でセーブした。
さらにピンチは続く、55分にはコーナーキックのこぼれ球に兵藤がコースを狙ったミドルシュートを放つ。しかし、これも権田がセーブした。
殊勲の活躍を見せた権田は試合後に、それぞれのシーンを振り返った。その裏には分析による最高の準備があったことを窺わせる。
「1本目は、齋藤選手はドリブルで1人、2人抜いてくるだろうと思っていましたし、兵藤選手は前節リーグで一番走った選手なので、走り込んでくるというイメージがあった。シュートシーンではできる限り我慢ようとした。自分では少し早いと思ったが、結果的に止められて良かった」
「2本目のシュートは、兵藤選手や中町公祐選手のようにコーナーのセカンドボールからミドルシュートを決められる選手がいるには分かっていた。そのセカンドボールに対して、チームとして対応できていたし、あとは枠に飛んできたので自分が止めた」
この日、試合を視察し終えたハリルホジッチ監督は「FC東京のゴールキーパーは良かった」と権田を絶賛。昨年11月のホンジュラス戦とオーストラリア戦以降、代表から遠ざかっているが代表復帰も早々にありそうだ。
権田自身も「日本代表は目指している」とした上で、「前々回のアジアカップは参加していたが、今回は自宅のテレビで見ていた。悔しさを感じながら今年は飛躍したいと思って、いい準備をしてこられた」と明かす。
「ゴールキーパーは、アジアカップでもJリーグの上位の1位、2位のチームから選ばれている。自分としてはJリーグで一番のチームのGKが日本で一番のGKだと思っている」
まずはJリーグで結果を残し、再び代表のユニフォームに袖を通す。ハリルホジッチ監督からの評価を聞いても、ストイックで知られるGKはどこまでも貪欲だった。
「評価してもらえるのは嬉しいが、続けていかないと意味がない。これで次の試合で6点くらい取られたらダメですし。毎試合アピールしていかないと」
今季から背番号を「1」に変更した守護神が最高の準備をして、代表復帰へアピールを続ける。