文=川端暁彦、写真=佐藤博之
AFC U-19選手権予選(U-20ワールドカップ・アジア1次予選)も最後の1試合を残すのみとなった。10月6日の最終戦で日本の前に立ちふさがるのは、アジアの好敵手、オーストラリア。2試合を終えて「互いに2連勝で対戦することになるのは想定していたこと」(内山篤監督)と言うように、まさに首位決戦ということになった。
1次予選から確実にAFC U-19選手権本大会へコマを進めることができるのは1位チームのみ。2位になると他グループとの比較で、原則として上位5チーム(全10グループ)が予選突破となるのだが、時差の問題で西アジア諸国の試合が日本より後にあることから、オーストラリアに負けて吉報を待つという事態になるとリスクが大きい。星勘定としては引き分けておけば、かなりの確率で問題ないが、もちろん勝っておくのが理想である。
ちなみに日本とオーストラリアの得点、失点は完全に同じ。引き分けだと並ぶのだが、この場合は当該国同士の最終戦ということで、PK戦によって決着をつけることになる見込み。(ただ、「当日、確認してみないと分からない」という何ともアジアな感じになってしまっているそうなのだが……)。5日の練習では、最後にPK練習も組みこまれていた。
日本は第2戦を完全にターンオーバーした布陣で乗りきっているため、第3戦は第1戦とほぼ同じスターティングラインナップになる見込み。そのうちの一人、中盤のキーマンであるMF佐々木匠は「オーストラリアはパワーもあって、上手さもあるチーム。今までの相手とは一味も二味も違うことは分かっている」と語った上で、「僕はU-16代表の時に大敗した借りもある。リベンジの気持ちは当然ありますよ」と闘志を燃やす。一方、内山監督は「しっかりしたチームだが、ああいうきちんとビルドアップしてくるチームは戦いやすい部分もある」と分析した上で、「最低でも勝ち点1を確保しながら、同時に勝ちにもいく大人のゲームをしたい」とシビアに語った。
各年代で名勝負を演じてきた相手と1次予選でやることになったのはお互いにとって不運という言い方もできるが、ここは東京五輪世代が貴重な国際試合の真剣勝負を経験できるのだと前向きに捉えたい。無論、その経験が「勝利経験」であれば、言うことはない。
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By 川端暁彦