6月のキリンカップに向けて、日本代表の海外組による事前合宿が24日に千葉県内でスタートした。
合宿初日に参加したGK川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)、DF長友佑都(インテル)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、MF清武弘嗣、DF酒井宏樹、MF山口蛍(ハノーファー)、DF酒井高徳(ハンブルガーSV)、DF内田篤人(シャルケ)、FW武藤嘉紀(マインツ)の9人と、MF乾貴士(エイバル)、DF太田宏介(フィテッセ)、FWハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ)の計13人は、前日に熊本地震の被災地をサプライズ訪問した。
東福岡高校出身の長友はトレーニング後の取材で熊本訪問を振り返り、「子どもたちが本当にたくさんいて、しかもみんな笑顔で喜んでくれて。一人で行くのではなくて、みんなで行ったっていうのがまた良かったなと思いますね。やっぱり一人の力じゃ、やれることも限られる。でも、みんなが集まればそれだけ大きなものを作れるんだなということを改めて再確認できました。安心しました」と、子どもたちに笑顔を届けることができたと語った。
一方で、「自分が思っていた以上に家も壊れていたし、本当に大変なことだなと思いました。今でも怯えている方々がたくさんいるので」と被災地の現状について述べた。
「サッカー選手としてやれることは限られていますけど、できることを考えて行動に移していきたいなと思います」と話す長友は、「僕の祖母が九州(宮崎)の都城出身で。長友という名字も宮崎はすごい多いんですけど、そういった縁もありますし、高校時代は福岡で過ごしたっていうのもあり、第二の故郷みたいなものです。熊本には何度も試合で行きました。そういった中で、僕の中では行けただけでも嬉しかった。その上、子どもたちの笑顔が本当に輝いていたので、良かったなと。サッカー選手であることの誇りと言いますか、改めて再確認できました」とサッカー選手として行動を起こしたことが子どもたちの笑顔につながったことに喜びを示した。
また、ハンブルガーSVでプレーする酒井高も熊本訪問について「僕も向こう(ドイツ)にいたから日本でやっているニュースすらそんなに見られない状態で。僕らが回ったのは一番酷いと言われている益城町で、街の中にバスが入れなかったので外から拝見させてもらったんですけど、『これより酷い状況が中になるのか』っていうくらいでした」と想像以上に悲惨な状況だったと述べ、サッカーを通して子どもたちを支援していきたいとの思いを語った。
「改めて被災した人たちがいかに大変かを自分自身がすごく突きつけられたというところがあって。情けないけど、そういうところに実際手助けしてあげるということはできないので、やっぱりサッカーという形でそういう状況を本当に1日でも、1時間でも、子どもたちの頭から震災のことが離れて、サッカーをすることが楽しいということが頭に入るだけで、次の日も頑張れると思う。小さい子どもたちに勇気を与えるという意味も込めて日の丸を背負っていると思っているので、しっかり責任を持ってプレーしたいなと思います。熊本のためにも」