MF中島翔哉が狙い通りの一撃で日本を救った。
リオデジャネイロ・オリンピックのグループステージ第2節が7日に行われ、日本はコロンビアと2-2で引き分けて勝ち点「1」を分け合った。試合は59分に相手エースのFWテオフィロ・グティエレスに先制点を許すと、65分には痛恨のオウンゴールを献上。2点リードを許したが、直後の67分にFW浅野拓磨がゴールを挙げて反撃の狼煙を上げる。
そして1点ビハインドで迎えた74分、中島にこの日最大の見せ場が訪れる。「GKを見て、1試合に絶対1回はミドルシュートを打たなければいけないと思っていた」と、シュートへの意識を持っていた中島は、試合中にコロンビアGKを分析。「見ていて分かりました」と、相手GKの前に出てくる癖を見抜いていた。
中島は敵陣中央でFW興梠慎三からパスを受けると、左サイドでフリーだったDF藤春廣輝をおとりとし、「使うふりというか、一回フェイントを入れて相手を外し」、自ら右足を一閃。打った瞬間に入る感触があったという強烈なミドルシュートは、前に出ていた相手GKの頭上を越え、クロスバーをかすめてゴールネットを揺らした。
負ければ敗退が決まる一戦で、狙い通りの同点弾。このゴールで結果的に勝ち点「1」を得た日本は、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。
チームの救世主となった中島だが、これで満足することはない。「本当は(シュートが)もっと良いところに行かないと、レベルの高いGKだと、世界の強豪国でより強い相手には入らないかもしれない」と話し、冷静に自身のプレーを振り返った。
「もっとボールを受けて、もっと味方が出せる位置に動くということが必要だし、個人的に後半ちょっと落ちているので、質だったり、運動量だったり、守備の部分も、それは頭で解決できるところもあると思う。負けなくて良かったけど、もっと個人的なプレー、自分のプレーの質も上げたいし、毎試合反省は絶対あるので」
日本は10日(日本時間11日)に行われるグループステージ最終節でスウェーデンと対戦する。自力突破は消滅したが、引き分け以上、なおかつコロンビア対ナイジェリア戦の結果次第で決勝トーナメントに進める可能性が出てくる。「次は絶対に勝たないといけない」と意気込む中島は、「サッカーを楽しむだけ。みんなで良いプレーをすれば勝つ確率が上がるので、そういうプレーをしたい」とチーム一丸での勝利を誓った。