UAE戦に後半途中から出場し、チャンスを演出した宇佐美 [写真]=兼子愼一郎
1-2のビハインドで迎えた62分、FW宇佐美貴史(アウクスブルク)は日本代表の最初の交代選手としてピッチに送り込まれた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からはサイドから仕掛けていくことを求められ、その指揮官の要求に応えるように左からドリブル突破を見せて攻撃に変化をつけた。
ドリブル突破を図った宇佐美がペナルティエリア内で倒される場面もあったが、主審の笛は鳴らず。「完全に(相手の)逆は取っていたし、手で押しのけられた。相手チームのPKがPKなら、僕のもPKだと思いますが、結果的にはこういう形で終わっているので」と悔しさを浮かべた。54分にPKから失点を許した日本だが、そのジャッジとは基準が同じではなかったと指摘する。
浅野拓磨(シュトゥットガルト)のゴールがラインを越えた場面についても、「入っていたと思います。僕から見ていても入ったと思いましたし、(本田)圭佑くんとか、もっとライン際で見ていた人も入ったというリアクションをしていた。(レフェリーが)ゴールのジェスチャーをしなかったので、『またか』と思いましたし、あそこも結果的にラインを割っていたので、しっかりしたレフェリングがあればまた変わっていたかと思います」と、試合結果に大きな影響を及ぼしたことを認める。
とはいえ、カタールの主審がアポイントされた時点から、ジャッジについては「予想をしていた」と言い、どのような笛でも相手を上回ることが必要だったと話す。
「試合前からどういう笛になるかは分かっていたこと。結果的に笛に苦戦したところはありますが、そういうものもはね退けないと。それでも点を取るためにやり続けるしかありません。不運なところはありますが、言い訳にはできない」
約1年にわたる最終予選では、今後も難しい試合が訪れるだろう。レフェリーの笛などコントロールできないことがあることを考慮しつつ、早い段階でピンチを潰さなければいけないと強調した。
「試合が終わって、監督からも『こういう試合展開から勉強しなければ。こういう基準をしっかり学ばなければいけない』と言われた。もっとはっきりクリアするところをクリアする。1失点目のFKの場面も、自分たちのミスから相手のカウンターになってセットプレーでやられている。そうならないようにやっていく」
この試合は途中出場し、得点こそなかったものの好機を作った宇佐美。2次予選のスタートでもシンガポールに勝てなかったことを引き合いに出し、「勝つしかない。お尻に火がついた感じだと思うので。この前(2次予選)もシンガポールと引き分けて幸先は良くなかったですが、そこから一丸となってやり続けることができた。レベル違いますが、もう一回、一致団結して顔を上げてやること大事。そこが見られていると思います」と、今後も続く戦いを見据えた。
文=河合 拓
By 河合拓