追加招集を受けたFW小林悠(川崎フロンターレ)が早速、日本代表に合流した。23日に行われた2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選・UAE戦翌日にFW大迫勇也(ケルン)の負傷情報が出ていたこともあり、「もしかしたらあるかな」という予感があった。それでも「びっくりしました」と、小林は届いた吉報に驚いたという。
UAE戦で負傷した大迫とMF今野泰幸(ガンバ大阪)、そして別メニュー調整を行っていたMF高萩洋次郎(FC東京)が診断結果により戦線離脱。代わって招集されたのが小林とDF遠藤航(浦和レッズ)だった。
練習前にはヴァイッド・ハリルホジッチ監督と握手を交わし、個別で対話する場面が見られた。「呼ばれたからには試合に出るつもりで、今回は真ん中でやることを意識してほしいと言われました」と、指揮官はこれまで任せることが多かった右FWではなく、大迫の離脱で手薄になったセンターフォワードでの起用を視野に入れているようだ。
「どちらもできるのが自分の良さ」と自ら語るように、所属クラブで両ポジションをこなす小林にとって、センターフォワードでの出場に抵抗はないだろう。むしろ、「真ん中に入ったら体を張って、ボールを収めることが大事になると思う。そういう部分を意識していきたい」と意欲的に話す。
今季、川崎では2年連続となる開幕2戦連続ゴールを決め、公式戦ですでに5得点を記録。コンディションは申し分なく、キャプテンマークを巻いた万能アタッカーはピッチ上で存在感を増していた。それだけに、代表メンバーに名前がなかった時は肩を落としたに違いない。“追加”での招集に「気持ち的に少しむずかしいところもあった」と素直な心境を明かした。
「準備をしていなかった時のほうが意外と出番が回ってきたりする。しっかりと気持ちを切り替えて、チャンスをもらえたら自分のプレーを出せるように準備したい」
今回招集されたFWで国内組はただ1人。目に見える結果が、代表で生き残るための近道になる。「残り2日間の練習でしっかりアピールをして、試合に絡めるように。絡んだら、チームの力になれるように、しっかり準備をしたい」。チームの勝利のため、そして自身のアピールのため、小林悠がゴールを見据える。
取材・文=高尾太恵子