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“優勝に近い存在”ビーチサッカー日本代表、W杯に向けて4月15、16日にドイツと国際親善試合

2017.04.10

ビーチサッカー日本代表は4月15、16日にビーチサッカードイツ代表と国内最後の調整試合を行う

 サッカー日本代表の中でまだよく知られていないビーチサッカーだが、日本サッカー協会(JFA)の2017年日本代表年間スケジュール発表会で、フットサル委員長の北澤豪氏は、ビーチサッカー日本代表を「今一番、優勝に近い存在」と力強く紹介した。JFAはマルセロ・メンデス監督の意向を受け強化合宿を増やすなど、活動を強化。サッカー日本代表のオフィシャルパートナーであるキリンもまた、ビーチサッカーのサポートを強化し、昨年のタヒチとの国際親善試合では、スペシャル動画を作成しFacebookページに公開すると、その再生回数は17万回に上った。その国際親善試合に2連勝しアジアビーチゲームズに挑んだ日本は、優勝を果たしタイトルの味を知った。来る4月15日・16日に沖縄で開催されるドイツとの国際親善試合を経て挑むワールドカップ(W杯)での日本の活躍に期待が寄せられている。

ドイツとの国際親善試合

 3月に行われたW杯アジア予選で苦戦して3位通過となった日本は、W杯グループステージで、ヨーロッパチャンピオンのポーランド、前回準優勝のタヒチ、上位常連国のブラジルと当たる“死のグループ“に入った。ポーランドは未知数だが、強豪ひしめくヨーロッパ予選で首位通過しており、強さと自信を持っている。大場崇晃(W杯出場2回目)が「体が大きくフィジカルは強いが、スピードやプレーの質は間違いなく日本のほうが上。いつも通りにやれば勝てる相手」と自信を覗かせるポーランドとの初戦は、日本として落とせない一戦となる。

欧州予選を首位で通過したビーチサッカーポーランド代表

 大事な初戦に勝利するために組まれたのが、仮想ポーランドのドイツとの国際親善試合。W杯出発前最後となるこの試合は、日本のファンの前で、ポーランドと似たドイツを相手に自分たちの戦い方を試し、チームの完成度を上げる重要な機会となる。

 2013年に助っ人としてドイツリーグに出場したことのある後藤崇介は、「ドイツで一緒にやっていたメンバーも来ると思うので、お互いどれだけ成長しているか対戦が楽しみ。日本でできるので、楽しいプレーをたくさん見せたい」と、魅せるプレーでも盛り上げてくれそうだ。

W杯での日本の可能性

ビーチサッカー日本代表がグループステージ第2戦で対戦するタヒチ代表


 日本代表がW杯2戦目に当たるタヒチは、昨年の国際親善試合で日本が2連勝し、互いによく知る相手。照喜名辰吾(W杯出場8回目)は、「日本の得意なところを消されても、落ち着いていい判断ができれば勝てる」と話す。3戦目のブラジルは、スピードもパワーもテクニックもあり、全員がハードワークする参加国の中で一番強敵のチーム。各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出できるため、日本は、ブラジルと対戦する前に、1戦目と2戦目に勝利することが重要。グループステージを突破できれば、目標も見えてくる。

 4月6日、W杯を戦うメンバー発表記者会見が行われ、選手12名全員が出席。マルセロ・メンデス監督は、3月のアジア予選から3人のメンバーを入れ替え、若手とベテランのバランスを再構成した。キャプテンはビーチサッカー界を代表する選手の一人、茂怜羅オズ。日本に来て10年になる茂怜羅は、「個人としてもチームとしても、今回のW杯が結果を残すのに一番チャンスがある」と語る。茂怜羅には、「世界で一番強いブラジルに勝って歴史を作りたい」という思いがあるが、まずは、一人一人が結果を残すことを一番に考えて、ポーランドとタヒチに勝って上を目指す考えだ。

ビーチサッカー日本代表を率いるマルセロ・メンデス監督

「日本の戦術レベルは世界でもトップクラスだから世界と戦える」と照喜名は自信を口にした。個々のテクニックのレベルが高い日本は、監督のやろうとしている戦術を理解し体現できる。

 アジア予選後には、課題となったフィジカル面の強化が行われた。ビーチではサッカーとは違う走り方や体の作り方がある。ビーチサッカーのフィールドの使い方を熟知した選手たちがピッチを駆け回り、ビーチサッカーの魅力を沖縄で見せる。そして、ドイツを相手に日本の強さを見せつけ、決戦の地へと出発する。

文=Noriko NAGANO

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