5大会ぶりのU-20W杯に臨む日本。グループステージでは南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと対戦する [写真]=三浦彩乃
いよいよ開幕したFIFA U-20ワールドカップ韓国2017。ここでは今大会に臨むU-20日本代表21名の横顔を紹介してみたい。内山篤監督は同じタイプの選手をそろえるのではなく、タイプの異なる選手をあえて選んできた。「どんな状況にも、どんなサッカーにも対応できるように自信を持って選んだ」(内山監督)東京五輪世代の精鋭たちである。
文=川端暁彦/写真=三浦彩乃
1 GK 小島 亨介(早稲田大)
早生まれの最年長世代は、GKが年代別代表に入りやすい。榎本達也、川島永嗣、藤ヶ谷陽介など過去にも多くの選手がメンバー入りしてきた。自然とチームの「お父さん」的な立ち位置になりがちだが、小島はもっとフランクに振る舞いつつ、言うときは言うスタンス。唯一の大学生代表としての責任も感じながら、強気のプレーを目指す。
2 DF 藤谷 壮(ヴィッセル神戸)
神戸・ネルシーニョ監督がまだ高校生だった藤谷を観て一目で気に入ったというアタッキングサイドバック。小器用なタイプではなく、縦方向へダイナミックに走ってパスを引き出し、自慢のスピードで打開を図る“走ってナンボ”のタイプ。昨季からクラブでの出場機会が乏しい状態が続いており、ゲーム体力には若干の不安も残す。
3 DF 中山 雄太(柏レイソル)
某テレビ番組では「胸板イケメン」にも選ばれ、「そんなに大した胸板はないのに!」と笑うディフェンスリーダー。胸板が良い感じに見えたのは恐らく姿勢の良さに由来しており、猫背になることのない「芯」を感じさせる立ち姿はトレーナーと相談しながら意識して作ってきたもの。これは彼のプレーの源とも言うべき要素だ。
4 DF 板倉 滉(川崎フロンターレ)
本来はセンターバックの選手だが、所属の川崎では中盤での起用が増えており、「いまはボランチでのプレーに手ごたえを感じている」とも語る。この代表でもボランチ起用の頻度が徐々に増え、ついに本大会ではその位置での先発が濃厚だ。空中戦の強さに加えて足元の器用さも備える個性を、世界舞台で存分に発揮していく。
5 DF 冨安 健洋(アビスパ福岡)
真面目な好青年タイプで、「自分は面白みのない人間なので」と自ら語る。「博多の男」のイメージと違うことにも自覚的。プレーも雄々しさと理知的の中間ポイントを狙うようなプレースタイルで、188センチの大型ボディを活かしつつも、「考えて守る」ことを常に意識してきた。寮から練習場までは自転車で通っている。
6 DF 初瀬 亮(ガンバ大阪)
一部で「美脚」が文字通り脚光を浴びているサイドバック。長い足はプレー面でもメリットが大きい。G大阪のアカデミー出身らしい考えて走れるサイドバックであり、高い精度のクロスボールでアシスト役となる。幼少期には中村俊輔に強く憧れており、ひたすら左足を特訓した結果、PKまで両足で蹴れる両利きになった過去を持つ。
7 MF 堂安 律(ガンバ大阪)
パワフルかつ高精度な左足の大砲を備え、欧州からも熱視線を送られる攻撃の要。自分の結果に対する基準は高く、ゴールの少なかったアジア最終予選でMVPに選ばれた際には「なんでや?」と言ってしまったほど。喜怒哀楽を素直に表へ出すタイプで、本人は無自覚ながらチームのムードメーカーでもある。早めに彼が乗れば、チームも乗る。
8 MF 三好 康児(川崎フロンターレ)
チーム結成以来のメンバーである左利きのテクニシャン。U-17W杯出場歴があり、このチームでは数少ない「世界を知る男」。トップ下タイプの選手だけに「中に入りたい」という気持ちは常に持つが、逆サイドハーフ・堂安との関係は「近づきすぎず、離れすぎず」の微妙なラインを保ちつつ、機を見た急接近からゴールを陥れる。
9 FW 小川 航基(ジュビロ磐田)
中学時代は無名で、決してエリート然としていない経歴なのだが、この代表では完全にキング。それができるのもゴールという結果で自分の力を見せてきたからだ。「やっぱり小川くんは凄い」というコメントはコンビを組む相方FWがしばしば漏らす一言である。両足から繰り出す強烈なシュートで、世界のゴールネットも揺らせるか。
10 MF 坂井 大将(大分トリニータ)
「だいちゃん」の通称で下の学年の選手たちからも慕われるキャプテン。U-17W杯を経験し、A代表のサポートメンバーとしてブラジルW杯へ帯同し、前回のU-19代表には飛び級招集されているスーパーエリートなのだが、偉ぶる様子はゼロ。「自分が監督と選手のパイプ役になる」と常にチームのために戦ってここまできた。
11 MF 遠藤 渓太(横浜F・マリノス)
開幕節ではU-20ギニア代表のケイタが会場を大いに沸かせたが、日本のケイタにもその資格は十分にある。「状態はすごくいい」と自ら語るとおりに好調を維持しており、ゴールへの期待値は高い。スーパーサブ起用でも、先発起用でも両方に対応できるだろう。戦術的な柔軟性もあり、緊急時にはサイドバックでもプレーできる。
12 GK 波多野 豪(FC東京)
197センチの長身は、もちろんチームで断トツのもの。筆者には、彼を含む集合写真を撮ったときにうっかりはみ出してしまった苦い思い出もある。長身を活かしたダイナミックなセービングが最大の武器だが、明朗な性格を活かした盛り上げ役としての活躍にも期待。GK山口瑠伊とは小学生時代にFC東京のスクールで出会って以来の仲。
13 FW 岩崎 悠人(京都サンガF.C.)
「もっともっと泥臭い選手になりたい」、「自分の得意なプレーは走ることです」という言葉が示すとおりのナイスガイであり、気持ちで勝負ができるストライカー。あこがれの選手はもちろん、日本代表FW岡崎慎司だ。ダイナミックなランニングプレーは直接ゴールを奪うことはもちろん、相手のラインを押し下げる効果も生み出す。
14 FW 田川 亨介(サガン鳥栖)
181センチの大型ストライカーだけに高さへ期待したくなるが、実際はスピードを活かした裏への抜け出しに秀でたタイプのストライカーだ。密集であっても突っ込んでいくメンタリティーはまさにFW向きで、所属する鳥栖のフィッカデンティ監督もその突撃力を高く評価する。早生まれのため、次回大会出場の資格も持つ飛び級選手。
15 DF 杉岡 大暉(湘南ベルマーレ)
とにかく落ち着いている驚異的な冷静さが最大の武器だ。市立船橋高校の恩師・朝岡隆蔵監督は「アイツが何か面倒をかけたという記憶がない。何か言っておけばやってくれるどころか、何も言わなくともやっている主将だった」と語る。劣勢の展開でもパニックにならず、自分がミスしても心が落ちない心の強さは抜きん出ている。
16 MF 原 輝綺(アルビレックス新潟)
インテリジェンスと身体能力を兼ね備える珍しいタイプのボランチ。読みの良さを活かしてボールを狙い、スピードとしなやかさでボールを狩り取り、奪ったボールを持ち過ぎることなくシンプルに展開していく。ボランチ起用が有力だが、ディフェンスラインを左、中央、右と違和感なくこなしてしまう汎用性の高さも彼の魅力。
17 MF 市丸 瑞希(ガンバ大阪)
G大阪が誇るパスマスター。「テンポを変える力がある」とは内山監督による市丸評だが、本人も「パスにはこだわりがある」と明言。実際、一つのパスについて質問を投げると、しっかり覚えていてハッキリした意図を語ってくれるほどだ。かつて憧れの人だった遠藤保仁について、いまは「超えないといけない人」と語る。
18 MF 高木 彰人(ガンバ大阪)
サンフレッチェ広島MF森島司の負傷離脱により、急きょ合流となった浪速のアタッカー。元々はストライカーであり、今回も「FWとサイドハーフの両方で考えている」(内山監督)という招集となった。指揮官はそのプレーに加えて精神面での安定感も評価しており、「彼なら大丈夫。何の問題もなくやってくれる」と追加招集にセレクトした。
19 DF 舩木 翔(セレッソ大阪)
昨季の高円宮杯プレミアリーグWESTでは「サイドバックなのに得点王争い」という奇妙な現象も引き起こした超攻撃型の左サイドバック。プロ入り後は壁に当たった時期もあったが、いまは前向きに取り組む。身体的には発展途上で、更新を続ける身長は登録からまた少し伸びて178センチを超えている。岩崎と馬が合い、超仲良し。
20 FW 久保 建英(FC東京U-18)
魔法のようにボールを扱い、魔法のようにマークを外し、魔法のようにゴールを決めるファンタジスタ。ピッチを離れてマイクを向けられれば淡々と語るのだが、「ピッチの上では別」と言うとおりにボールとゴールがある状況では熱さを強烈に見せる。極度の負けず嫌いで、一つ一つのプレーに対しても強いこだわりを持つ。
21 GK 山口 瑠伊(FCロリアン/FRA)
FC東京のアカデミーで育ち、波多野豪や廣末陸(青森山田高校→FC東京)らと激しい競争を演じながら自分を鍛えてきた。フランス人の父の伝手で渡ったフランスでも厳しい戦いを経ながら自分自身を改造。スキルアップを図りながら、欧州在住のために自然と限定される招集機会で実力を示し、メンバー入りを勝ち取った。
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By 川端暁彦