ともに1勝の日本とウルグアイが激突する [写真]=FIFA via Getty Images
試合後から誰と話していても第2試合の話題になった。第1試合のことなど頭からすっ飛んでしまったのだ。10年ぶりの出場となったFIFA U-20ワールドカップ韓国2017で劇的な勝利を飾った南アフリカとの第1戦。しかし、その感動も冷めやらぬうちに始まったイタリアとウルグアイの第2試合で、自然と兜の緒は勝手に引き締まった。一言で言ってしまえば、特別に「手強い」。ウルグアイとの第2戦は、初戦とは異なる次元でのバトルが約束されている。
ウルグアイの基本フォーメーションは4-3-3。南アフリカと同じ形と言えば同じなのだが、練度も強度も比較にならない。ユベントス加入が決まっているMFロドリゴ・ベンタンクール(ボカ・ジュニアーズ)に注目が集まるが、そのほかにも逸材揃い。アンカー役を務めるMFフェデリコ・ヴァルベルデ(レアル・マドリード)は確かな技術と特別なボール奪取力を備えるウルグアイらしい好選手だし、飛び級招集となったFWニコラス・スキアッパカッセ(アトレティコ・マドリード)や技巧と走力を兼ね備えるディエゴ・デ・ラ・クルス(リベルプール・モンテビデオ)らが構成する前線はいずれも個として勝負できる力を備える。
なおかつ守備でも頑張ることができて瞬間的な連係の判断も備えるタレントばかりだから、「攻撃だけ」の選手が多かった南アフリカ戦のように簡単にボールを持たせてはもらえないだろう。第1戦で決勝点を挙げながら終了間際に負傷した10番のロドリゴ・アマラル(ナショナル・モンテビデオ)の出場は微妙だが、彼がいなくとも攻撃陣の怖さが落ちるとは思えない。守備陣もサンティアゴ・ブエノ(バルセロナ)とアグスティン・ロヘル(ナシオナル・モンテビデオ)のCBコンビを軸にタフな守りを見せる選手がズラリとそろい、第1戦ではスキらしいスキが最後まで感じられなかった。「南米王者」の看板は伊達ではなく、紛れもなく大会の優勝候補と断言できるチームである。
対する日本で気になるのはコンディション面だ。激戦だった初戦から中2日というタフな日程だったこともあり、メンバーには若干の入れ替えもありそうだ。足をつって交代した板倉滉(川崎フロンターレ)の回復が間に合うかは微妙なところで、第3戦の相手が長身選手ぞろいのイタリアであることを思えば、そこに板倉は残しておきたいところではある。第1戦ではセンターバックの冨安健洋(アビスパ福岡)も終盤に足をつっており、板倉がその控えになれる選手であることを考えても、ベンチに残しておくのではないか。その場合、ボランチの先発は原輝綺(アルビレックス新潟)だろう。
バックラインについても、消耗の激しかったサイドバックの舩木翔(セレッソ大阪)を外して初瀬亮(ガンバ大阪)を左に回し、フレッシュな藤谷壮(ヴィッセル神戸)を先発させるといった微修正もあり得る。内山篤監督はかねてより「使うつもりの選手しか選ばない」と公言しており、中2日のハードな日程を見据えての選考であることを強調してきた。第2戦から総力戦の構えで臨んでいくことは十分にある。
その意味でも初戦で勝ち点3の貯金ができたのは大きかったと言える。この一戦は、世界のトップレベルに対して当たって砕けろのチャレンジャー精神で挑むほかなく、失うものはないというメンタリティーで戦ってこそ勝機も見えてくるような試合。個々の力量差があるのは否めないが、同じ20歳以下のチーム同士である。粘り強く戦っていければ、可能性も出てくる。まずは立ち上がりの攻防で、アグレッシブに戦い、相手に圧倒されないことが肝心だ。変に様子見から入るようだと、南米の伝統国の迫力にあっという間に飲み込まれてしまうことになる。
◆予想スタメン◆
「4-4-2」
▼GK
1 小島亨介(早稲田大)
▼DF
3 中山雄太(柏レイソル)
2 藤谷壮(ヴィッセル神戸)
19 舩木翔(セレッソ大阪)
5 冨安健洋(アビスパ福岡)
▼MF
8 三好康児(川崎フロンターレ)
17 市丸瑞希(ガンバ大阪)
7 堂安律(ガンバ大阪)
16 原輝綺(アルビレックス新潟)
▼FW
9 小川航基(ジュビロ磐田)
13 岩崎悠人(京都サンガF.C.)
文=川端暁彦
By 川端暁彦