ある覚悟を胸に大会初ゴールを狙うU20岩崎悠人「取らないといけない」

岩崎悠人

ベネズエラ戦ではMF高木彰人との2トップが予想される岩崎。「ゴールに向かうプレーを出したい」と意気込んだ [写真]=佐藤博之

 誰よりもゴールを渇望しているのは、岩崎悠人(京都サンガF.C.)だろう。出場しているFIFA U-20ワールドカップ韓国2017のグループステージ3試合で先発しながらノーゴール。「そろそろ取りたいという思いもありますし、取らないといけない」と力を込めた。

 ここまで持ち前の“泥臭い”プレーでチームを支えてきた。常に相手の背後を狙いつつ、ボールを持てばドリブルで仕掛け、守備では体を張りながら運動量豊富に走り続けた。イタリア戦については「イタリア戦はまったく特長を出せなかった。走っているだけだった」と話すが、その貢献度はゴール数だけでは判断してはならない。

 岩崎はある思いを胸に秘める。グループステージ第2節のウルグアイ戦で2トップを組んできたFW小川航基(ジュビロ磐田)が負傷。チームを離れることになったエースの代わりに「前線は僕が引っ張る」と覚悟を決めた。そして小川からも「お前が引っ張れよ、点取れよ」と言葉を掛けられた。

「小川くんのためにもやりたい」

 FWの一番の仕事はゴール。初戦で小川が決めたゴール以外は、すべてMF堂安律(ガンバ大阪)が決めている。ストライカーとして悔しさや焦りもあるだろう。岩崎はほぼフル稼働しており、疲れがないといったら嘘になるが、「そんなことは言ってられない。最初から飛ばしていきたい」とスタートから自慢の快速を飛ばしていくつもりだ。楽しみにしていた自身初の世界大会でゴールを決めた時、どんな快感が味わえるのか。ベスト8進出が懸かった一戦で、岩崎が大会初ゴールを目指す。

取材・文=高尾太恵子

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