セルジオ越後氏「本田なぜ使った?」「チャレンジなかった」 本大会へのアプローチも改めて不安視

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

サウジアラビア戦でのハリルホジッチ監督 [写真]=新井賢一

 2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選が5日に行われ、日本代表はサウジアラビア代表に1-0で敗れた。

 試合後、『サッカーキング』ではサッカー解説者のセルジオ越後に話を聞き、試合と今回の予選を振り返ってもらった。

「相手は勝利が必要だったとはいえ、日本はW杯が決まっているのに、あそこまでディフェンシブでよかったのか。前半から何かをチャレンジすることもできなかった。カウンターを狙うだけなら、先行されると厳しくなる。そうなったら決まって吉田(麻也)を上げてのパワープレーしかない。得点した相手の19番(アルムワッラド)は、後半に出て、かき回して結果を残すというのが一つのパターンだったが、そういった第2案のようなものが無いね。予選を通して、日本は日替わりヒーローに助けられたが、それは場当たり的でもあるということだよ」

「45分しか使わないという本田(圭佑)をなぜ呼んで、しかも使った? 香川(真司)は結局起用できずにドイツへ戻った。何のためにスタッフが欧州やメキシコに行って、状態を確認しているというのか。ハリルホジッチは日本の世論をよく知っているから、誰を呼んだら喜んでもらえるのか、わかっているから呼んでいるのではと思ってしまうね」

「今日の本田を見て、メディアは『ひどい45分間だった』と批判するべきだ。それでもベンチに下がった本田を度々映したりする。ちゃんと良ければ褒め、悪ければ批判するということをメディアができないことが問題だ」

「10月に日本で2試合行われるが、きっと満員になるだろうね。なぜなら、それはみんな“アイドル”を見に行くから。お金を払って、素晴らしいプレー、いい試合を見に行くということではない。他の国だったら、ハイチと試合をしたって、お客さんは埋まらないよ。そうなるべくして、今があるということを改めて全員が感じないといけない。それではサッカーが強くなり、文化になるということにはならない」

「4年間のスケジュールにも疑問がある。マニュアル化されてしまっていることが心配だ。前回のブラジルW杯は“失敗”と言える結果だったのに、強化スケジュールは同じで進めている。監督が変わったというだけだ。失敗したものをマニュアル化してはいけない。あとは、W杯が決まってから本大会までの9カ月間をどう強化するか、という話に毎回なるが、それまでの3年間の積み重ねは無かったの? ぶつ切りで毎大会を考えてはダメだということだ」

「『予選を通じて貢献した』という選手は吉田くらいだ。原口(元気)も最初はよかったが失速した。久保(裕也)もしかりだ。長谷部(誠)もケガでいない時期があったしね。吉田は『まずクラブで高いパフォーマンスをすること』と言っていたが、選手よりも監督が先頭に立って言って、それを選考で示さなければいけない。選手たちはクラブに戻って、良いパフォーマンスを見せて、活躍をしてほしい。あとは12月の組み合わせ抽選で大部分が決まるから、そこを楽しみにしておこうよ」

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