日本代表帰りの杉本健勇 [写真]=Getty Images for DAZN
開幕前の宮崎キャンプでのこと。清武弘嗣が加入し、チームに合流したその日。「キヨくんとチームメートになれたことは嬉しいし、また一緒にプレーできることは楽しみ。でも、これでポジションが一つなくなる(笑)」。この時点では、昨季のJ2でブレイクした左サイドMFに未練も残していた杉本。清武をポジション争いのライバルとみなし、冗談めかしてそう話した。ただし、ふと間が空いた後、「でも、待てよ。思考を変えてみれば、ウチには(山口)蛍くんもいるし、日本代表が2人いるわけだから、代表のスタッフが見に来る回数も増えるんじゃない? 自分も見てもらえるチャンスだとポジティブな考えになっています」。そうあっけらかんと言ってのけた。この切り替えの速さはFWならではかも知れないが、そういった率直さ、どこか憎めないところが杉本の持つ魅力の一つでもある。そんな彼の思惑通り(?)、宮崎キャンプにも視察に訪れて清武と山口と談笑していた手倉森誠コーチを始めとした日本代表のスタッフは、その後、何度もセレッソ大阪の試合会場を訪れることになる。
尹晶煥監督にFWとして固定されて起用され続けた今季。開幕からノーゴールが続いた杉本だが、第7節の大阪ダービーで殻を破る2得点を叩き込むと、その後はコンスタントに得点を量産。中でも7月から8月にかけての固め取りは圧巻だった。2ゴールを挙げた第20節の北海道コンサドーレ札幌戦後は、「(ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表)監督に報告しないといけない」と手倉森コーチは言い残した。そして、ワールドカップ出場権獲得が懸かった今回のオーストラリア代表戦とサウジアラビア代表戦に挑む日本代表の発表前、最後のJリーグとなった第23節のジュビロ磐田戦でも、水沼宏太のクロスにニアで合わせる難易度の高いダイレクトボレーを突き刺し、アピールに成功した。後半に迎えたチャンスでヘディングをポストに当てただけに、「それがどう響くか」と苦笑しながらも、「やるだけやった」と清々しい表情を浮かべた。
発表前日の23日は、「(金崎)夢生くんでしょ」と無関心を装うも、本心では「国を背負って戦いたい」という熱い気持ちが渦巻いていた。そして、24日。熱望していた日本代表入りの一報が届いた。この日のセレッソは午前練だったため、代表発表を前にすでに帰宅していた杉本だったが、翌日、自身初のA代表入りについて、「嬉しい気持ちはあったけど、ここに入ることがゴールではない。スタートラインに立っただけ。試合に出て、日本を勝たせることが一番なので、しっかり試合に絡んでいけるようにしたい」と溢れる思いを吐露した。
結果として、オーストラリア戦はベンチメンバーからも外れた杉本だが、歓喜の瞬間を仲間とともに迎えると、最終予選の最終節、アウェイでのサウジアラビア戦では、67分に岡崎慎司に代わってピッチに入り、念願の代表デビューを果たした。ただし、ビハインドを負ったチームにおいて、杉本は見せ場を作れず、シュートも打てず、ほろ苦いデビューとなった。もっとも、後半に入り、時間が経つにつれて日本全体の動きが落ち、DFラインと前線が間延び。先制したことでサウジアラビアが勢い付き、日本に盛り返す余力は残されていなかった。試合終盤は時間稼ぎのようにピッチに倒れる相手選手も出てくる中で、パワープレーも実らず、日本全体として難しい試合になったことは確かだ。それでも、杉本は言い訳することなく、「自分が入って流れを変えないといけなかったけど、できなかった。緊張することはなかったけど、何もできなかったので悔しい」と反省の言葉を残した。さらに、「あの形でやる上では、(1トップの位置で)収まらないとカウンターにも持っていけないし、攻撃にならない。オーストラリア戦では大迫(勇也)選手がよく収めていたと思うし、あそこから攻撃も始まっていた」と続けて、ポジション争いの先を走るライバルのプレーを称えた。
各世代の年代別代表に入り続けてきた彼にとって、A代表とはどんな場所だったのか。そう率直に尋ねると、「代表はやっぱりレベルが高い。でも、『ここで生き残って、先発で出て点を決めたい、活躍したい』という思いは強くなった。また選ばれるように、セレッソで、Jリーグで、コツコツ頑張りたい。このチームでどれだけ成長できるかが大事」と話した。日本のトップ・オブ・トップの集団に触れ、ここからまた再出発する。「(今節のFC東京戦にも)出るつもりだし、出たい。試合がしたくてウズウズしている。味スタは東京ヴェルディの時もやっていたし、好きなスタジアム」。ロシアW杯本大会まであと9カ月。メンバーに選ばれて、試合に出るために、どこまで成長できるか。その第一歩となるFC東京戦での杉本のプレーに注目が集まる。
文=小田尚史
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