ロシア・ワールドカップに向けて、オーストリアのゼーフェルトで事前合宿を行なっている日本代表は4日、午前練習を実施した。
前日に西野朗監督が「有酸素系のフィジカルトレーニングから少しずつ入っていく」と語っていたように、フィジカルを重視したメニューが組まれた。軽いランニングとストレッチで体をほぐすと、一列に並んでヨーヨーテスト(持久力テスト)を実施。その後はサーキットトレーニングを消化した。
サーキットは両足ジャンプ、腕立て伏せ、往復約60メートルのスピードをつけたランニング、ステップからのボール1タッチの4種類を同時進行でローテーションさせながら行なった。動きはシンプルだが、じわじわと負荷がかかってくる。当初は4セット予定されていたが、午後の練習も考慮して3セットで終了。これには選手も“一人を除いて”大喜びだった。
その一人とは、DF長友佑都(ガラタサライ)だ。フィジカルで絶対の自信を見せる長友は「え? もう終わり? あと1本やろうよ」と冗談交じりに訴える。「ほら、ケイスケやるよ!」と声をかけるが、MF本田圭佑(パチューカ)は笑顔でスルー。他の選手たちも「一人でやっておいで」感を出し、クールダウンを始めた。諦めた長友がランニングの集団に合流したところで、どこからか「いいよ、ユウト。付き合うよ」との声が。その声の主は森保一コーチで、優しい人柄と選手・スタッフ間の関係性の良さが伝わってくる場面だった。
午前の練習は1時間程度で終了。午後はゲーム形式の練習を行う予定だ。
取材・文=高尾太恵子