Jリーグで実績を残した監督たち [写真]=Getty Images
ロシア・ワールドカップで日本代表をベスト16に導いた西野朗監督が退任した。日本人監督が結果を出したことで、新監督に日本人を望む声が高まっているが、「日本人のことを熟知する監督」という点では国籍は関係ない。Jリーグで実績がある監督であれば、外国籍であっても「日本人のことを熟知する監督」という条件に当てはまるのではないか。これまでJリーグで結果を残してきた外国籍監督たちを紹介する。
■ミハイロ・ペトロヴィッチ(60歳/Jリーグ経験13年)
2006シーズンの途中に、降格圏の15位に低迷していたサンフレッチェ広島の監督に就任。出番のなかった青山敏弘や、トップチームに昇格したばかりの槙野智章、柏木陽介ら若手にチャンスを与えつつ、最終的に残留へ導いた。2007シーズンは降格を味わったが、2008シーズンに史上初の9月中優勝を決めて1年でJ1に復帰。さらに翌2009シーズンはリーグ戦を4位で終え、フジゼロックススーパーカップとAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権をクラブに初めてもたらした。
2012シーズンに浦和レッズの監督に就任すると、リーグ戦3位に導き、5シーズンぶりにACL出場権をもたらした。以降、森脇良太、西川周作、李忠成ら広島時代の教え子を次々に獲得して戦力を整え、2ステージ制を導入した2015シーズンはファーストステージ優勝、2016シーズンはセカンドステージ優勝とJリーグカップ優勝を達成した。
さらに、今季からは北海道コンサドーレ札幌を指揮し、リーグ戦5位と躍進している。
●サンフレッチェ広島時代
2006シーズン:リーグ戦10位(22試合11勝2分9敗)※途中就任
2007シーズン:リーグ戦16位(34試合8勝8分18敗)
2008シーズン:リーグ戦1位(42試合31勝7分4敗)※J2での成績
2009シーズン:リーグ戦4位(34試合15勝11分8敗)
2010シーズン:リーグ戦7位(34試合14勝9分11敗)
2011シーズン:リーグ戦7位(34試合14勝8分12敗)
●浦和レッズ時代
2012シーズン:リーグ戦3位(34試合15勝10分9敗)
2013シーズン:リーグ戦6位(34試合17勝7分10敗)
2014シーズン:リーグ戦2位(34試合18勝8分8敗)
2015シーズン:リーグ戦3位(34試合21勝4分9敗)※2ステージ合計の成績
2016シーズン:リーグ戦2位(34試合23勝5分6敗)※2ステージ合計の成績
2017シーズン:リーグ戦8位(20試合9勝2分9敗)※途中解任
●北海道コンサドーレ札幌時代
2018シーズン:リーグ戦5位(17試合7勝6分4敗)※第17節までの成績
▼総合成績:406試合204勝90分112敗 勝率64パーセント
タイトル獲得数:5個
・J2リーグ優勝(2008シーズン)
・Jリーグ1stステージ優勝(2015シーズン)
・Jリーグ2ndステージ優勝(2016シーズン)
・Jリーグカップ(2016シーズン)
・フジゼロックススーパーカップ優勝(2009シーズン)
■オズワルド・オリヴェイラ(67歳/Jリーグ経験6年)
2007シーズンに6年間リーグタイトルから遠ざかっていた鹿島の監督に就任。後半戦で13勝3敗と圧倒的な成績を残し、就任1年目でリーグ優勝に導いた。続く2008、2009シーズンともにリーグ優勝を果たして、Jリーグ史上初となる「リーグ3連覇」を達成。さらに「Jリーグ最速50勝到達記録」を樹立するなど実績を残した。
その後、2010シーズンには天皇杯とゼロックススーパー杯優勝、2011シーズンにはJリーグカップ優勝を達成。在籍5年間で8個のタイトルをクラブにもたらし、5シーズン連続のタイトル獲得に成功。Jリーグ史上最も国内タイトルを獲得した監督となった。
また、今季は4月19日に浦和レッズの監督に招へいされ、7年ぶりのJリーグを戦っている。
●鹿島アントラーズ時代
2007シーズン:リーグ戦1位(34試合22勝6分6敗)
2008シーズン:リーグ戦1位(34試合18勝9分7敗)
2009シーズン:リーグ戦1位(34試合20勝6分8敗)
2010シーズン:リーグ戦4位(34試合16勝12分6敗)
2011シーズン:リーグ戦6位(34試合13勝11分10敗)
●浦和レッズ時代
2018シーズン:リーグ戦12位(8試合2勝3分3敗)※第17節までの成績
▼総合成績:178試合91勝47分40敗 勝率69パーセント
タイトル獲得数:8個
・J1リーグ優勝(2007、2008、2009シーズン)
・天皇杯優勝(2007、2010シーズン)
・Jリーグカップ優勝(2011シーズン)
・フジゼロックススーパーカップ優勝(2009、2010シーズン)
■ネルシーニョ(68歳/Jリーグ経験14年)
ヴェルディ川崎、名古屋グランパスで指揮を執り、2009シーズンの途中にリーグ戦17位と苦戦していた柏レイソルの監督に就任。J2降格を味わったものの、翌2010シーズンは開幕から19試合連続無敗記録を樹立。23勝11分2敗と圧倒的な成績でJ1復帰を果たした。
2011シーズンにはエースのレアンドロ・ドミンゲス、新加入ジョルジ・ワグネルだけでなく、北嶋秀朗や田中順也、若い酒井宏樹らを重用し、史上初となる昇格1年目でJ1優勝を達成。「クラブ史上最高の監督」と評されるようになった。翌2012シーズンは天皇杯初タイトルとゼロックススーパー杯優勝を、2013シーズンには14年ぶりとなるJリーグカップのタイトルをもたらし、スルガ銀行カップ優勝とACL出場権を置き土産に2014年にクラブを去った。
2015シーズンにヴィッセル神戸の監督の座につく。1年目こそリーグ戦年間順位12位と苦しんだが、カップ戦ではJリーグカップベスト4と過去最高の成績を収め、天皇杯でもベスト8に進出した。翌2016シーズン、セカンドステージで2位、年間成績で7位とクラブ史上最高の成績でシーズンを締めくくった。
●ヴェルディ川崎時代
1995シーズン:リーグ戦2位(52試合35勝17敗)※2ステージ合計の成績
1996シーズン:リーグ戦7位(30試合19勝11敗)
●名古屋グランパス時代
2003シーズン:リーグ戦7位(15試合6勝4分5敗)※途中就任、2ステージ合計の成績
2004シーズン:リーグ戦7位(30試合12勝8分10敗)
2005シーズン:リーグ戦9位(24試合8勝8分8敗)※途中解任
●柏レイソル時代
2009シーズン:リーグ戦16位(15試合4勝6分5敗)※途中就任
2010シーズン:リーグ戦1位(36試合23勝11分2敗)※J2の成績
2011シーズン:リーグ戦1位(34試合23勝3分8敗)
2012シーズン:リーグ戦6位(34試合15勝7分12敗)
2013シーズン:リーグ戦10位(34試合13勝9分12敗)
2014シーズン:リーグ戦4位(34試合17勝9分8敗)
●ヴィッセル神戸時代
2015シーズン:リーグ戦12位(34試合10勝8分16敗)※2ステージ合計の成績
2016シーズン:リーグ戦7位(34試合16勝7分11敗)※2ステージ合計の成績
2017シーズン:リーグ戦11位(22試合9勝2分11敗)※途中解任
▼総合成績:428試合210勝82分136敗 勝率60パーセント
タイトル獲得数:6個
・J1リーグ優勝(2011シーズン)
・J2リーグ優勝(2010シーズン)
・天皇杯優勝(2012シーズン)
・Jリーグカップ優勝(2013シーズン)
・フジゼロックススーパーカップ優勝(2012シーズン)
・スルガ銀行チャンピオンシップ(2014シーズン)
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By サッカーキング編集部
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