[写真]=Getty Images
9月8日、日本テレビは「サッカーアース」を放送。11日に開催されるキリンチャレンジカップ2018、コスタリカ戦に先駆け、日本代表を特集した。
いよいよ森保ジャパンの戦いが幕を開ける。北海道地震の影響で9日のチリ戦は中止となったが、コスタリカ戦は予定通り開催される見通し。日本代表も試合が開催される大阪でトレーニングを行い、来る初陣に備えている。
招集されたメンバーは、青山敏弘(サンフレッチェ広島)、佐々木翔(広島)、浅野拓磨(ハノーファー)ら森保一監督の教え子に加え、シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)、冨安健洋(シント・トロイデン)、伊藤達哉(ハンブルガーSV)ら初招集組で構成された。フォーメーションは“4-4-2”または“3-4-2-1”が予想されている。中でも2列目には南野拓実(ザルツブルク)、中島翔哉(ポルティモネンセ)、伊東純也(柏レイソル)らが名を連ねた。そんなチーム屈指の激戦区の中で、一際期待を集める選手がいる。オランダ・フローニンヘンに所属する堂安律だ。オランダで一人戦い続ける若武者は、日本代表に何を思い、どのような未来を思い描いているのか? 同番組では堂安の日常生活に密着した。
憧れの選手を手本に求め続ける“個”の力
オランダに渡り1年と約2カ月、生活の全てをサッカーに捧げてきた。「外食ばかりでは健康に良くない」と、週に2,3回は自炊をするという。地元のスーパーに買い出しに出かけ、好きなものより身体に良いものを食事に取り入れている。支払いの際は店員と英語でやり取りするなど、コミュニケーションにも積極的だ。そして、練習もレギュラー奪取のために熾烈を極めるという。
「練習は削り合い。ケンカになって胸ぐらのつかみ合いになることもある。試合よりもレベルが高い練習をして、終わったら皆が居残り練習する」
フローニンヘンにはビッグクラブでのプレーを夢見る原石たちが、世界中から集まってくる。レギュラーとして試合に出るためには、練習からハードワークして実力を証明しなければならない。そんな過酷な環境で堂安は戦っていた。
それでも結果を残した。1年目からレギュラーの座をつかみ、29試合に出場。9ゴールを挙げる活躍でファン選出のMVPを受賞した。見据える目標も壮大だ。「憧れの選手は(リオネル・)メッシ」――、同じ小柄で左利きのドリブラーをお手本に“個”の力にこだわりがある。
「海外で認められるには結果を残すしかない。究極の理想はチームを勝たせる選手。メッシですよね。メッシは守備をしない。ただ、ボールを受けると100パーセントチャンスを作る。僕も個の能力を証明したい」
同い年のアタッカーが感じさせた「不甲斐なさ」
今年6月に開催された、ロシア・ワールドカップ。メッシを見るためにアルゼンチン代表の試合を観戦した際、堂安は「自分は何をしているんだろう…」と不甲斐なさを感じる瞬間があったという。その試合は、決勝トーナメント1回戦、フランス対アルゼンチンだった。その試合で誰よりも輝いたのは、メッシではなく、フランスの超新星だった。
「メッシが好きなので、アルゼンチンの味方で観ていた。それを同い年の(キリアン・)ムバッペ1人にやられた」
ハーフウェイラインからドリブルで独走してPK獲得、後半には逆転ゴールを含む2得点をマーク。3点に絡む活躍でフランスは4-3で勝利。堂安と同じく1998年生まれの若者は、衝撃的な個の能力で憧れのメッシ擁するアルゼンチンを破ってみせた。
「自分は何をしているんだろう? と思いました。不甲斐なさも感じて……。何をすればアイツに追いつけるのか?って」
フランスはその後も勝ち進み、20年ぶりのワールドカップ優勝を手にした。そして、ムバッペは最優秀若手選手賞を受賞した。その活躍を目の当たりにした堂安は「優勝したフランスは組織力と個の能力があった。僕が日本代表に入ったら、個の能力を証明したいです」と話した。19歳の躍動に刺激を受け、さらなるレベルアップを心に誓った。
見据える先は2022年「出るからには優勝」
9月11日、ついに堂安の代表キャリアがスタートする。見据える先は2020年東京オリンピック、そして、2022年カタールW杯だ。特集の最後、「4年後の自分へメッセージを送るとしたら?」という質問にも、強気な言葉で返した。
「『最低でもベスト8に行かないと。日本の歴史を塗り替えろ』と。もちろん、ベスト8で負ける気はさらさらないです。出るからには優勝を目指します」
ロシアW杯が7月に閉幕したばかりで、少し気が早い気もする。それでも、「優勝」という言葉を口にしたのは、ムバッペの活躍に触発されたからに違いない。まずは新生・日本代表で、その思いに勝る個の力を発揮してくれるはずだ。
なお、次回の「サッカーアース」は、9月15日(土)25:30から放送される(関東ローカル)。
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By サッカーキング編集部
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