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W杯まであと一つ 大一番へ“進化”して切符をつかみ取れ/AFC U-16選手権

2018.09.29

マレーシアに勝利してベスト8進出を決めたU-16日本代表 [写真]=佐藤博之

「チームは生き物」とはよく言ったものだ。人は逆境を乗り越えて強くなるが、チームもまた同じ。折れずに進んだU-16日本代表は確実に強くなってきた。

 20日に開幕を迎えたAFC U-16選手権。マレーシアで行われているこのカップ戦は、来年ペルーで開催されるU-17ワールドカップのアジア最終予選を兼ねる大会でもある。16チーム参加で、4強に入ったチームに世界切符が与えられるシンプルなルールである。

 要するに、準々決勝が最大の山場である。しばしば準決勝が腑抜けのような凡戦になってしまうのだが、それもベスト8の戦いに各国が持てるすべての力を投入し、出し切るから。極めて重要なゲームが迫ってきている。

 グループステージも安閑とした道のりではなかった。タイとの初戦は開始早々に失点し、逆転したと思ったらオフサイドのセルフジャッジが災いし(誤審ではあったと思うが)同点ゴールを許し、さらに豪雨にも祟られ、結果は5-2と点差をつけたものの、中身としては大苦戦だった。

[写真]=佐藤博之

 続くタジキスタンとの第2戦。先発メンバーを大幅に入れ替えて臨む中で、「あんなに守ってくるチームは初めて」(FW西川潤=桐光学園高校)という、ある意味でアジアらしい超守備的布陣を敷いてきた相手を攻め崩せずに、スコアレスドロー。チームの空気は一回、沈んだ。

 そして地元マレーシアとの第3戦は、まさかの雷で試合延期。しかも翌日午前中への延期で、勝負の懸かる準々決勝から逆算して組み立ててきていたトレーニングプラン、選手起用のローテーション、そのすべてが瓦解してしまった。そして11時キックオフの試合は、地獄のような暑さとの戦いでもあった。

「一日順延になったせいで昼間のすごく暑い時間帯のゲームとなり、しかも(開催国である)マレーシアのサポーターの前で圧力を感じる。グループステージの3試合で肉体的疲労も恐らく一番で、タフなゲームだったと思います」(森山佳郎監督)

[写真]=佐藤博之

 だが、これも乗り切った。2-0での快勝。特に課題としてきた最終局面での守備が破綻せず、相手に決定的なシュートをほとんど打たせなかったことを含め、内容面でもポジティブだった。太陽に体力を喰われてしまったし、当初準々決勝まで中3日の余裕があったはずが、中2日になってしまった。ただ、こういう難しい場面でこそ団結する、チームで戦う意識を持つという方向性を固められたことも間違いない。

 グループステージの戦いを通じ、体調不良で第2戦を欠場したDF田島詳基(清水エスパルスユース)と第3GKの佐々木雅士(柏レイソルU-18)を除いた全員をピッチに立たせることもできた。これは体力面でも大きいが、精神面でも大きな意味がある。

 グループステージ最終節の重要な場面で、最後の選手交代に森山監督がここまで出番のなかったMF植田啓太(横浜F・マリノスユース)を選んだのも一つのメッセージだろう。「この場面で出番のなかった選手が呼ばれるなら、準々決勝も誰が出るかわからない」という緊張感をチームに持たせることができた。

 森山監督の就任から8カ月余りと、時間的な余裕がなかったこともあって、チーム作りはそこまで順調に進んでいたわけではない。ただここに来て、確実にチームの一体感は高まり、課題としてきた部分にも改善が観られてきた。

 森山監督は大会前、この準々決勝について「選手は今まで感じたことのないプレッシャーを感じることになると思う」と語っていた。オマーンとの決戦となる、大会の実質的クライマックスである「世界大会決定戦」。生き物であるチームが、さらにもう一皮むけてブレイクスルーを果たせるかどうか。日本サッカーの次代を担う選手たちの“進化”が問われることになる。

取材・文=川端暁彦

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By 川端暁彦

2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

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