9月に行われたコスタリカ戦の日本代表メンバー [写真]=Getty Images
日本サッカー協会(JFA)は4日、10月に行われるキリンチャレンジカップ2018に臨む日本代表メンバーを発表。9月に行われたキリンチャレンジカップ2018で活躍した若手と、2018 FIFAワールドカップ ロシアのスタメン組が融合した。招集された23名が所属するリーグは計10カ国にも及び、世界各地からメンバーが集まってくる。
そこで今回は、各国代表チームの招集メンバーが所属するリーグは何カ国に及ぶのかを調査。国際サッカー連盟(FIFA)が9月20日に発表した最新のFIFAランキングでトップ50に入った代表チームを対象に、ランキング形式でまとめてみた。(注:10月6日時点の招集メンバーが対象)
結果は以下のとおり。
1位 計16カ国
モンテネグロ(FIFAランク41位)
2位 計15カ国
スロヴァキア(FIFAランク26位)
アイスランド(FIFAランク36位)
カメルーン(FIFAランク50位)
5位 計14カ国
ルーマニア(FIFAランク27位)
6位 計13カ国
ウルグアイ(FIFAランク5位)
ベネズエラ(FIFAランク32位)
ボスニア・ヘルツェゴビナ(FIFAランク34位)
オーストラリア(FIFAランク43位)
モロッコ(FIFAランク45位)
ナイジェリア(FIFAランク48位)
12位 計12カ国
セルビア(FIFAランク35位)
コンゴ民主共和国(FIFAランク40位)
14位 計11カ国
スウェーデン(FIFAランク15位)
ペルー(FIFAランク21位)
パラグアイ(FIFAランク31位)
コスタリカ(FIAランク37位)
ハンガリー(FIFAランク49位)
19位 計10カ国
クロアチア(FIFAランク4位)
チリ(FIFAランク12位)
21位 計9カ国
デンマーク(FIFAランク10位)
アルゼンチン(FIRAランク11位)
コロンビア(FIFAランク14位)
ポーランド(FIFAランク18位)
アメリカ(FIFAランク22位)
チュニジア(FIFAランク23位)
イラン(FIFAランク33位)
28位 計8カ国
ベルギー(FIFAランク1位)
ブラジル(FIFAランク3位)
ポルトガル(FIFAランク7位)
トルコ(FIFRAランク38位)
ブルガリア(FIFAランク44位)
チェコ(FIFAランク47位)
34位 計7カ国
スイス(FIFAランク8位)
メキシコ(FIFAランク15位)
オランダ(FIFAランク17位)
セネガル(FIFAランク25位)
ギリシャ(FIFAランク42位)
39位 計6カ国
ウクライナ(FIFAランク29位)
40位 計5カ国
フランス(FIFAランク1位)
ドイツ(FIFAランク12位)
42位 計4カ国
スペイン(FIFAランク9位)
イタリア(FIFAランク20位)
オーストリア(FIFAランク24位)
ロシア(FIFAランク46位)
46位 計3カ国
ウェールズ(FIFAランク19位)
アイルランド(FIFAランク30位)
スコットランド(FIFAランク39位
49位 計2カ国
イングランド(FIFAランク6位)
北アイルランド(FIFAランク28位)
*12日に日本代表と対戦するパナマ代表は、計13か国のリーグから選手を招集。
最多16カ国のリーグからメンバーを招集したのは、モンテネグロ代表だった。FIFAランク41位の同代表は、スペインやイタリアといった欧州主要リーグのみならず、ルーマニア、ポーランド、チェコ、ブルガリアといった東欧、あるいはウズベキスタン、韓国などのアジア、そしてアメリカ合衆国(MLS)と、実に様々な地域から選手を招集。今回の調査で単独トップに立った。
2位にランクインしたのは、スロヴァキア代表(FIFAランク26位)、アイスランド代表(FIFAランク36位)、カメルーン代表(FIFAランク50位)の3つ。計15カ国のリーグから選手を招集している。
上記4つの代表チームに共通しているのは、まず「小国」であること。モンテネグロの面積は福島県とほぼ同じ、スロヴァキアとアイスランドも日本より小さい。カメルーンにしても、日本の約1.3倍とほとんど変わらない。
また自国リーグが、競技面でも、経営面でも、十分な水準にないという共通点もある。才能のある選手たちは、少しでも高いレベル、良い環境を求めて、国外クラブへ移籍するのが当たり前となっている。実際、今回の招集メンバーのうち、“国内組”はいずれも3人以下だった。
なお、16日に行われるキリンチャレンジカップ2018で日本代表と対戦するウルグアイ代表(FIFAランク5位)は、FIFAランク上位10カ国のなかで最多となる計13カ国のリーグから選手を招集している。彼らもまた“選手供給国”の一つだが、上記4つの代表チームと異なるのは「所属クラブ」の格だろう。
主将のDFディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリード)を筆頭に、FWエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)、MFロドリゴ・ベンタンクール(ユヴェントス)、MFルーカス・トレイラ(アーセナル)と、欧州の一流クラブに在籍する選手を数多く抱えている。海外のトップレベルで実力を磨き、それを母国の代表チームに還元するという、強化サイクルとして一つの理想的な形が出来上がっている。もちろん、その土台には優れた選手を生み出す育成システムが存在することも忘れてはならない。
一方、今回の調査で“ワースト”を記録したのは、イングランド代表(FIFAランク6位)と北アイルランド代表(FIFAランク28位)だった。イングランド代表では、ドルトムントに所属するMFジェイドン・サンチョだけが“海外組”で、その他メンバーはすべてイングランド国内でプレーしている。
彼らに続く、ウェールズ代表(FIFAランク19位)、アイルランド代表(FIFAランク30位)、スコットランド代表(FIFAランク39位)にも言えることだが、大半の選手たちはプレミアリーグ、チャンピオンシップ(イングランド2部)、スコットランドリーグのいずれかのリーグに在籍している。地理的に近く、英語も通じて、なおかつリーグのレベルや待遇も悪くない。「チャレンジ精神に乏しい」という意見もあるが、ドーヴァー海峡を越えてまで移籍する理由があまり見当たらないのも事実だ。
もちろん、海外組が多いから良いわけでも、少ないから悪いわけでもない。自国リーグのレベルが高ければ、そこで切磋琢磨するのも一つの方法だろう。ただ“代表チーム”といっても、いろんな形が存在する。メンバー構成や選手の背景に注目してみるのも面白いかもしれない。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia