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史上最速の一撃でメンバー争いに名乗り…急成長を見せる左のスペシャリスト

2018.11.24

[写真]=Getty Images

 得意の左足を一閃。豪快にネットを揺らすことに成功した。

 11月20日に開催されたキリンチャレンジカップで、日本代表はキルギス代表と対戦した。年明けのアジアカップへ向けた“最終テスト”の様相が色濃く出る中、日本代表には至上命題があった。左サイドバックの人材発掘だ。絶対的な存在だった長友佑都がリーグ戦で肺気胸を発症。今回の11月シリーズはもちろん、アジアカップ出場まで危ぶまれている。そんな危機的状況で、代表デビューを飾ったばかりの山中亮輔は結果を残す。

 2分、杉本健勇がタメを作ると、左サイドを駆け上がった山中へラストパス。ダイレクトでこれに合わせるとボールは右ポストを叩き、ゴールへ吸い込まれた。

「かなりいいタイミングで(杉本が)ボールを出してくれたので、トラップしようかちょっと迷ったんですけど、最初のチャンスだったので思い切って振り抜いた。それがよかったかなと。ああいうシュートは得意としているので、ふかさないように意識してましたけど、体が勝手に動いたような感じです」と、日本代表史上最速弾を決めた左のスペシャリストは嬉しそうに言った。

 11月シリーズには佐々木翔と初代表の山中が左サイドバックに抜擢された。佐々木は指揮官の秘蔵っ子の1人で、初陣だった9月のコスタリカ戦からコンスタントに呼ばれている選手だ。一方、山中に与えられたアピールの場はキルギス戦のみ。それでも、電光石火の一撃“ゴール”という最高の結果を見せつけたことは強烈アピールになったはず。アジアカップのメンバー争いでも、山中の方が優位に立ったという見方も上がるほどだ。

「(生き残りの)手応えに関しては分からないですけど、自分のプレーをしっかり出すことしか考えていなかった。それはある程度出せたかなと思います」(山中)

名門への移籍が急成長のきっかけに

[写真]=Getty Images

 そもそも山中は柏レイソルユース所属時から、攻撃的左サイドバックとして高く評価されていた。ただ、ここまで上り詰めるまでには紆余曲折が続いた。柏でトップに昇格した2012年から2013年は出場機会を満足に得られず、2014年にはJ2のジェフ千葉へレンタル移籍を強いられた。そこで23試合出場3ゴールという結果を残し、1年で柏に復帰するも、今度は同じユース昇格組の輪湖直樹にポジションを奪われる。代表では、U-20ワールドカップはアジア予選で敗退。リオデジャネイロ・オリンピックはケガで出場できなかった。その苦境を打破するきっかけになったのが、2017年の横浜F・マリノスへの移籍だった。中村俊輔の移籍という激震に見舞われた名門を復活させるべく松原健や扇原貴宏、ウーゴ・ヴィエイラらと新たなチームを盛り上げ、得点に絡める左サイドバックとして急成長を見せている。

 そして、長友の離脱という最悪のアクシデントに見舞われた日本代表に初招集された。数少ないチャンスで潜在能力の高さを示したのは紛れもない事実。本田圭佑という左足のキッカーがいなくなった今、山中の存在は重要だ。世界舞台は逃し続けたが、現代表の中心を担う遠藤航や中島翔哉、南野拓実とはアンダーカテゴリーからともにプレーしてきた点もポジティブな要素だろう。いよいよアジアカップ参戦が現実味を帯びてきたと言える。

アジアカップ出場へ課題は…

[写真]=Getty Images

「代表で見えた課題? 球際のところだったり、デュエルのところをもっと向上させていきたいと思うし、奪った後の1本目のパスだったり、細かなミスもあったので、そこは反省してやっていきたい。最後の方で(吉田)麻也君に声をかけられたのもミスが続いたから。一からチームでやっていきたいと思います」と本人は守備の課題を自覚しているという。

 それは山中がユースにいた頃から問題視されてきた部分でもある。攻撃力は誰よりもあるが、左サイドバックはディフェンダー、まず考えなければいけないのは守備だ。アジアカップに行けば、キルギスのように引いて守る相手も多いが、上のステージまで勝ち進んでいけば、韓国やオーストラリア、イランといった強豪との対戦も控えている。そういう相手は迫力あるサイドアタックを武器としている。サイドバックが一対一で相手を封じきれなかったり、簡単にスペースを空けたりすれば、失点に直結してしまう。

 いずれにしても、今回の代表デビューを機に、彼がどう変化するかは注目に値する。今季の横浜FMは残り2試合しか残されていないが、キルギス戦で自身が感じた課題を克服し、確実に攻守のバランスを取れるDFとしてシーズンを終えることが重要だ。勢いに乗っている今を逃してはいけない。それを肝に銘じながら、今季ラストを飾ってほしい。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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