5月23日に開幕するFIFA U-20 ワールドカップポーランド2019。「若手の登竜門」とも言われるこの大会には、次代のスター選手たちが集結する。今回は参加24カ国の選手の市場価値を調べて、ポジション別のランキングを作成してみた。
参考にしたのは、移籍情報サイト『Transfermarkt』が発表している推定市場価格。GK、DF、MF、FWの4ポジションにおけるトップ5を、以下紹介する。
※カッコ内は(代表チーム/所属クラブ)
写真=ゲッティイメージズ
▼GK
1位 アルバン・ラフォン(フランス/フィオレンティーナ) 1700万ユーロ
2位 アンドリー・ルニン(ウクライナ/レガネス) 500万ユーロ
3位 ディオゴ・コスタ(ポルトガル/ポルト) 300万ユーロ
4位 ラドスワフ・マイェツキ(ポーランド/レギア・ワルシャワ) 250万ユーロ
5位 アレッサンドロ・プリッツァーリ(イタリア/ミラン) 100万ユーロ
経験がモノを言うポジションだけに、20歳以下のGKの市場価値はそれほど高くない。そんな中で、唯一1000万ユーロ以上の値をつけたのが、フランスのアルバン・ラフォン。イタリアの名門フィオンレティーナで正守護神を務める20歳は、同胞の先輩アルフォンス・アレオラ(1750万ユーロ/約21.5億)やポルトガル代表GKルイ・パトリシオ(1800万ユーロ/約22億円)といった実力者たちと変わらない評価を受けている。
残り4選手の評価額は500万ユーロ以下となったが、いずれも将来性豊かなタレントばかり。アンドリー・ルニンは18歳でウクライナA代表デビューを果たし、昨夏にレアル・マドリードに引き抜かれたという実績を持つ(今季はレガネスにレンタル)。ディオゴ・コスタは、ポルトで正GKを務めるイケル・カシージャスから“後継者”に指名された有望株だ。そして“GK大国”のポーランドとイタリアで守護神を務めるラドスワフ・マイェツキとアレッサンドロ・プリッツァーリも、世代屈指との評価を受ける選手たちだ。
▼DF
1位 ダン・アクセル・ザガドゥ(フランス/ドルトムント) 3000万ユーロ
2位 エヴァン・ヌディカ(フランス/フランクフルト) 2200万ユーロ
3位 ブバカル・カマラ(フランス/マルセイユ) 1500万ユーロ
3位 ディオゴ・ダロト(ポルトガル/マンチェスター・U) 1500万ユーロ
5位 ディオゴ・レイテ(ポルトガル/ポルト) 500万ユーロ
5位 ルベン・バイナグル(ポルトガル/ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ) 500万ユーロ
DF部門はなんと、フランス勢とポルトガル勢が上位を独占した。ダン・アクセル・ザガドゥの3000万ユーロ(約37億円)という評価額は、今大会に参加する全504選手のなかでもトップ。さらに、エヴァン・ヌディカも全体2位タイとなる2200万ユーロ(約27億円)と試算されている。彼らにGKラフォンを加えた3選手だけで市場価値は6900万ユーロ(約85億円)と、フランスの守備陣は高額プレーヤーが目白押しだ。
一方、ポルトガルでは、プレミアリーグを舞台に成長を続けるディオゴ・ダロトとルベン・バイナグルの両サイドバックが高い評価を受けている。特にダロトは、ポルトに在籍していた昨年2月時点の評価額が175万ユーロ(約2億円)と、この1年あまりで9倍近い伸びを記録。今大会の活躍次第では、さらに市場価値を高めることになるかもしれない。
▼MF
1位 ジェドソン・フェルナンデス(ポルトガル/ベンフィカ) 2200万ユーロ
2位 フロレンティーノ・ルイス(ポルガル/ベンフィカ) 1000万ユーロ
3位 イ・カンイン(韓国/バレンシア) 750万ユーロ
4位 ミカエル・キュイザンス(フランス/ボルシアMG) 650万ユーロ
5位 ヤシン・アドリ(フランス/ボルドー) 550万ユーロ
5位 エンツォ・ロイオディチェ(フランス/ディジョン) 550万ユーロ
MF部門は、今夏の移籍市場で注目銘柄に挙がるポルトガルの2選手がトップ2を独占。A代表デビュー済みのジェドソン・フェルナンデスにはトッテナムやリヴァプールが、「新たなポール・ポグバ」と呼ばれるフロレンティーノ・ルイスにはレアル・マドリードやマンチェスター・Cが動向を注視しているとされる。いずれも今大会屈指の注目株であり、各ビッグクラブのスカウトたちも彼らのプレーからは目を離さないだろう。
ただし、最も目を引くのは、3位に入ったイ・カンインかもしれない。「韓国の神童」と呼ばれる同選手は、今回の調査でアジア人選手として唯一のトップ5入りを果たした。10歳で韓国からスペインに渡り、バレンシアの下部組織に入団。昨年10月にトップチームデビューを果たし、17歳と253日という外国人としてのクラブ最年少出場記録を樹立した。『transfermarkt』による市場価値は750万ユーロ(約9億円)だが、クラブが設定した違約金は8000万ユーロ(約99億円)。かなり大きな違いだが、今回の“世界デビュー”を機にその差が一気に埋まる可能性もある。
▼FW
1位 ディエゴ・ライネス(メキシコ/ベティス) 1400万ユーロ
2位 ラファエル・レオン(ポルトガル/リール) 1200万ユーロ
2位 ムサ・ディアビ(フランス/パリ・サンジェルマン) 1200万ユーロ
4位 エセキエル・バルコ(アルゼンチン/アトランタ・ユナイテッド) 800万ユーロ
4位 フランシスコ・トリンカン(ポルトガル/ブラガ) 800万ユーロ
4位 ジョタ(ポルトガル/ベンフィカ) 800万ユーロ
今回、各ポジションの最高評価額を比較したところ、最も低かったのがFWだった。やや意外な結果だが、だからといってタレント不足という訳ではない。1400万ユーロ(約17億円)で1位に輝いたディエゴ・ライネスは「メキシカン・メッシ」と呼ばれる逸材。さらに、2位のラファエル・レオンは「ポルトガル版ムバッペ」の異名をとり、同じく1200万ユーロ(約15億円)の評価額をつけるムサ・ディアビもスター軍団のパリ・サンジェルマンで今季公式戦4ゴール7アシストという結果を残した。
800万ユーロ(約10億円)の評価額で並んだアルエンチンのエセキエル・バルコ、そして、ポルトガルのフランシスコ・トリンカンとジョタも実績十分の選手たちだ。バルコは昨年1月に推定1500万ドル(約16.5億円)というMLSの歴代最高額の移籍金でアトランタ・ユナイテッドに加入。ストライカーというよりもウイングや攻撃的MFを主戦場とする選手だが、非凡な得点感覚を備えている。一方、フランシスコ・トリンカンとジョタは、ポルトガルが優勝した昨年のU-19欧州選手権で共に5ゴールを挙げ、2人揃って大会得点王に輝いた。“欧州王者”の看板を背負って臨むU-20ワールドカップでも、得点王の有力候補となる。
※エセキエル・バルコは今大会MFの選手として登録されているが、『Transfermarkt』ではFW登録となっている。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia