同点ゴールを決めた山田康太(中央) [写真]=Getty Images
無我夢中でゴールに押し込んだ。山田康太が世界大会の初戦で同点弾をマーク。勝ち点1獲得に導く値千金のゴールとなったが、「あまり覚えていなくて…」という。
U-20日本代表は、23日に行われたFIFA U-20ワールドカップ ポーランド2019・グループステージ第1節で南米王者のU-20エクアドル代表と対戦。左サイドハーフでスタメン出場した山田は、「先発で出ると決まったときから、気持ちも高ぶっていて、興奮を抑えられなかった」と話したが、それはチーム全体も同じで「前半は固くて自分たちのサッカーはできなかった」と振り返った。
前半は相手にボールを支配されて苦しい時間が続くと、45分に不運なオウンゴールで失点。それでもハーフタイムでの話し合いが後半の立て直しにつながった。「『勇気を持ってサッカーをしよう』と、監督を含めて自分たちで話して鼓舞し合って、前向きに取り組めていた。不安要素はなかったし、みんなで必ず追いついて逆転しようという気持ちでいた」
後半の立ち上がりにはPKのピンチを迎えたが、GK若原智哉がビッグセーブで相手の追加点を阻止。こぼれ球をかきだした山田は「本当にいいセーブをしてくれて、みんなの士気もぐっと上がった。智哉には感謝しかない」と称賛。この守護神の活躍に勇気をもらった。
すると68分に見せ場が訪れる。ゴール前での競り合いから最後はペナルティエリア内に上がっていた山田が、こぼれ球を右足で叩き込んで値千金の同点弾。ゴールへの気持ちが強すぎて、極限まで集中していたという。
「本当になんであそこにいたかわからないけど、前に行って、自分のところに(ボールが)転がってきた。かなり集中力高くミートを意識していた。本当はあまり覚えていなくて、気持ちで押し込んで、ゴールに入ってくれたことだけを覚えている。(シュートは)相手に当たったのかな? 自分でもいろんな景色が見えすぎて、本当にボールだけを見ていた。周りの状況があまりわからなくて、気がついたらボールが入っていた感じです」
ゴールシーンこそ「覚えていない」というが、その後は至って冷静だった。「勝ちを目指して臨んだ初戦だったので、1点を取って大喜びというわけじゃなくて、やっぱり次の1点や戦い方にフォーカスしていたので、すぐに切り替えた」。しかし逆転には及ばず、山田は「次は決勝点だったり、勝てるゴールでみんなとたくさん喜びたい」と意気込んだ。今度は勝利に導く歓喜のゴールを狙う。
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By 湊昂大