今年3月にJFAの技術委員長に就任した反町康治氏 [写真]=Getty Images
日本サッカー協会(JFA)は21日、オンラインによる技術委員会を開催した。委員会終了後には、今年3月に技術委員長の就任を発表した反町康治氏が、メディアに向けて就任に対する思いを語った。
まず、技術委員長に就任した経緯について、次のようにコメント。
「今シーズンのJリーグ開幕直前にJFAの田嶋幸三会長からお話をいただき、自分の中で整理する時間をもらって決断しました。これまで19年間、ほとんど休むことなく監督業をしてきて、常に日本サッカーの発展と成長に対する考えがベースにあったので、何かしらのお手伝いができればと思っていました」
指導者としての経験が長い反町委員長は、技術委員長としての働き方についてこう話している。
「クラブの監督をしていると、そのクラブに対する思いが強くなり、サッカー界全体が見れなくなることもありますが、最終的には所属選手が日の丸をつけて世界で活躍してほしいと誰もが思い描いています。もちろん、私もそういう選手を輩出したいと思っていました。ここでは“ワールドスタンダード”という目線で見て、本当に必要なものを見つけながら、委員会や指導者養成の部分に落としていかないといけません」
「田嶋会長とも話しましたが、100年続くJFAの体制はリノベートする必要があると考えています。例えば、研修会で話を聞くだけなど受け身になるのではなく、意見を言える会議形式に変えていきたい。痛みは伴うかもしれませんが、徐々にやっていければと思っています」
JFAには各事業を支える20の委員が存在する。技術委員会はその中で、サッカー日本代表の強化、指導者の養成、ユース年代の選手育成などを担当。反町委員長は、現在の日本代表の立ち位置については以下のような見解を示している。
「当然、指導者の問題もありますが、日本サッカー全体が強くならないと難しい状況だと思います。私たちの仕事は、彼らが一番いい状況で、一番いいパフォーマンスを出せるようにすることです。そのためには、子供たちのサッカー離れを防ぎ、分母を広げていくことが大事になってきます」
「私は、JFAが掲げる『三位一体』(代表強化、ユース育成、指導者養成)に『普及』を加え、『四位一体』として考えないと、日本サッカーの将来は危ういと感じています。世界では若い選手が次々と台頭してきていて、我々もそのスピードに合わせる必要がある。指導者の問題や周りの支えといった部分をどうしていくかは、技術委員会が結集して取り組むべき課題です」
「育成年代が世界のサッカーを大きく左右することは間違いありません。(高円宮杯 JFA U-18サッカー)プレミアリーグやプリンスリーグについては、移動のリスクや大会形式が変わる可能性がありますが、なるべく“真剣勝負”の回数を増やして成長・発展してもらいたいと思っています」
また、今後のJリーグについては「フィジカルコーチの腕が問われる」とコメント。「シーズンが再開すると、2~3日に1回のペースで試合を行うことになります。そうすると、選手たちをしっかりとリカバリーさせないといけません。チームをどうまとめていくかは、指導者の資質が問われるでしょう」
新型コロナウイルスの影響により、スタッフとはオンラインでのコミュニケーションに限られているが、部署や委員会に所属する方たちとは会話を重ねているという。様々なスケジュールが見直されているが、「何からスタートさせるかは、よく見極めたうえでやりたい」と話している。
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By サッカーキング編集部
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