FOLLOW US

オシム氏が逝去…JFA関係者が哀悼の意、川淵相談役「常に僕の立場を慮ってくれる人」

2022.05.02

川淵氏とオシム氏(写真は2006年のもの) [写真]=Getty Images

 元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が亡くなったことを受け、日本サッカー協会JFA)の関係者が哀悼の意を表した。

 オシム氏は2003年から2006年途中までの約3年半にわたり、ジェフユナイテッド千葉で監督を務めると、2006年夏に日本代表監督に就任。新たな戦力や若い選手を起用しながら南アフリカW杯出場を目指すが、2007年11月に脳梗塞で倒れ、代表監督を辞任。故郷のサラエボへと戻っていた。ボスニア・ヘルツェゴビナサッカー協会は5月1日に自宅のあるオーストリア・グラーツにて逝去したと伝えている。享年80歳だった。

 JFAは公式サイトを通じ、川淵三郎相談役、田嶋幸三会長、反町康治技術委員長、森保一監督のコメントを以下のように発表した。

■川淵相談役
「オシム元日本代表監督の訃報に接し、心から哀悼の意を表します。オシムさんとの最初の思い出は、大阪の長居陸上競技場で行われた東京オリンピック5・6位決定戦『大阪トーナメント』。相手のユーゴスラビアに長身ですらっとしていて、非常にうまいセンターフォワードの選手がいたのを印象深く覚えていて、後になってオシムさんだったということを知った。素晴らしい選手だったから印象に残っているということはあるけれど、その人が42年後に日本代表を指揮したということは、やはり縁があったのかと思う」

「最も思い出深いのは、僕の“オシム失言”とオシムさんが脳梗塞で倒れた時。大きな期待を受けて出場したFIFAワールドカップドイツでグループステージ敗退となり、とにもかくにも日本のファンに謝りたいと思って記者会見に臨んだ僕は、質疑応答に入ったところでうっかり『オシム』と口にしてしまい、大きな非難を浴びた。その失言によって代表監督を引き受けてくれなくなるかもしれないと心配したが、オシムさんは『会長がそんなことでいちいち謝ることはない』ととがめることもせず、引き受けてくれた。常に僕の立場を慮ってくれる人だった」

「2007年11月にオシムさんが倒れたという一報を聞いた時は本当にショックで、毎日祈るような気持ちだった。ドクターらの献身的な働きによって何とか一命をとりとめ、ようやく面会できることになり病院に伺うと、リハビリが終わろうとしているところだった。その時の僕への第一声は『こんなに(リハビリで)痛めつけられて『ありがとう』と言わなきゃいけないのは承服できない』。その時のいたずらっぽい笑顔が忘れられない」

「チームに対して献身的なプレーをする選手を重用し、含蓄ある言葉でチームに大切なことを教えてくれた。ジェフユナイテッド千葉に『オシムイズム』を浸透させ、多くの日本代表を送り出す強いチームに成長させた。Jリーグ各クラブにとって『オシムイズム』をもう一度、思い起こす時なのではないだろうか。オシムさんの教えをもう一度思い出し、強い日本サッカーをつくってほしいと思う」

イビチャ・オシムという偉大なる人物にジェフユナイテッド千葉、そして日本代表を指揮してもらえたことは日本サッカーにとって大きな名誉だと思う。心から哀悼の意を表します」

■田嶋会長
「昨晩、オシムさんが亡くなられたとの連絡を受けた。オシムさんには多くの思い出が残っている。ユーゴスラビア代表を率いた1990年のFIFAワールドカップ、ジェフユナイテッド市原・千葉などの監督として素晴らしいチームを作り上げていた。選手たちを掌握する力が素晴らしく、考えて、判断するトレーニングを徹底することによって確実に選手を成長させてくれた。日本代表チームの監督に就任してからも多くの選手たちを成長に導いていた。名監督とは、まさにオシムさんのような人だと思う。2007年11月16日に倒れられた後、歩けるように、話せるように回復されたのは奇跡的だったかもしれないが、志半ばで監督交代をお伝えしなければならず、オシムさんの無念さを思うと本当につらく、その時のことは忘れることができない。監督として成功を収められたグラーツで過ごされていたことを聞いていた。ユーゴスラビア紛争や病などで波乱万丈な人生を送られたかもしれないが、それゆえに説得力のある言葉によってわれわれに影響を与えてくれた。安らかな眠りにつかれますようお祈りします。そして、ありがとうございました」

■反町技術委員長
「『お父さん』と呼んでいたまさに日本サッカー界のお父さんがお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りします。Jリーグの監督として対峙した時にソリッドな守備とアイデア豊富で常に数的優位を作る流動性のある攻撃を併せ持ったジェフユナイテッド千葉は私にはとても衝撃的でした。また、2005年のJリーグオールスターサッカーで私がEASTチームの監督、オシムさんがコーチで一緒に仕事をさせていただいたのも良い思い出です」

「そして2006年から就任された日本代表監督のオシムさんに、コーチとしてチームに加わった私はよく怒られながら指導したのを思い出します。彼にとって妥協という文字はありませんでした。今でも1番影響を受けた指導者であることは間違いありません」

「一昨年、SAMURAI BLUEがオーストリアのグラーツでパナマとメキシコと親善試合をした際には、近くにいらっしゃるにもかかわらず新型コロナ感染症拡大防止のためにお会いできず、また日本代表のサッカーを見てもらうことができなかったのがとても悔いに残っています。安らかにお休みください『お父さん』」

■森保監督
「突然の訃報にふれ、深い悲しみと大きな喪失感を感じています。一緒のチームで仕事をする機会はありませんでしたが、オシムさんのサッカーに向けられた情熱、そしてサッカー哲学に大きな刺激をいつも受けていました」

「『日本サッカーの日本化』ということを提言いただき、とても勇気づけられたこと、今もその言葉を胸に日々サッカーと向き合っています。私も日本代表監督として、オシムさんが遺してくれたものをしっかりと受け継ぎ、そして未来へと繋ぐことでオシムさんが日本サッカー界にいた証を残し続けたいと思います。今までありがとうございました。安らかにお休みください」

【PR】 WINNERでJリーグをさらに面白く!

WINNER J.LEAGUE 2024

サッカーキング編集部が注目カードを大予想! アナタはどんな試合結果を予想する?

堅実さ重視、大穴狙い、推しクラブ一択……1試合予想くじWINNERでJリーグの熱い戦いがもっと楽しくなる!

  1. 推しのクラブ、予想しやすいゲームなど“1試合”から予想・購入できる!
  2. インターネット決済なら試合開始10分前まで購入可能!
  3. くじの売上の一部はアナタが応援するクラブにも還元される!

【PR】「ABEMA de DAZN」で
Jリーグの熱戦を堪能しよう!

ABEMA de DAZN

「ABEMA de DAZN」は、ABEMAでDAZNスタンダードのコンテンツ(※)が視聴できるプラン。 Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンなどすべてのDAZNスタンダードコンテンツがABEMAで楽しめる。

月額プランは4,200円(税込)、年間プランなら32,000円(税込)で月あたり2,667円(税込)とお得! アニメ・映画・バラエティーなど、ABEMA無料コンテンツも堪能できるのでお見逃しなく。

※プロ野球、DAZN LINEAR、追加有料コンテンツ(ペイ・パー・ビュー)は対象外。

  1. 「ABEMA de DAZN」の年間プランなら月あたり2,667円(税込)でお得!
  2. Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンなどコンテンツが盛りだくさん!
  3. コメントしながらのライブ観戦追っかけ再生見逃し配信など楽しみ方も充実!

【PR】Jリーグを楽しむなら
「DMM×DAZNホーダイ」!

DMM×DAZNホーダイ

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZNスタンダードをセットで利用できるプラン。単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZNスタンダード月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です!

  1. 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!
  2. Jリーグをはじめとする様々なスポーツ、アニメ・エンタメが見放題で楽しめる!
  3. 新規入会月から3カ月間、「DMMポイント」が毎月550ポイントもらえる!

By サッカーキング編集部

サッカー総合情報サイト

世界のサッカー情報を配信する国内最高峰のサッカー総合メディア。日本代表をはじめ、Jリーグ、プレミアリーグ、海外日本人選手、高校サッカーなどの国内外の最新ニュース、コラム、選手インタビュー、試合結果速報、ゲーム、ショッピングといったサッカーにまつわるあらゆる情報を提供しています。「X」「Instagram」「YouTube」「TikTok」など、各種SNSサービスも充実したコンテンツを発信中。

SHARE

SOCCERKING VIDEO