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代表復帰の宮市亮が感謝を口に「歩けなくなって、歩ける喜びを知った」

2022.07.18

日本代表に招集された宮市 [写真]=Getty Images

 日本代表宮市亮(横浜F・マリノス)が、18日にメディア対応を行なった。

 7月19日から27日にかけて開催されるEAFF E-1 サッカー選手権 2022に臨む日本代表に招集され、2012年以来となる10年ぶりの代表復帰となった宮市。自身の変化について聞かれると、「いくつかあるが、一番は10代でプロデビューしてすぐ起用してもらって代表にも入ってというところで、自分の中では大きな理想を描いていた10代だった」と振り返り、現在の心境について次のように語った。

「いろいろな経験を経て、あまり先を見なくなった。本当に一日一日を生活できるというか、歩けなくなって、歩ける喜びとかも知って、一日一日に感謝できるようになった。次のトレーニング、次の試合とか、10年後、5年後こうなっていたいみたいなことは10代の頃はあったけど、今はより現実的になった。本当に一日一日を大事にしていこうというマインドに変わったのが、10代と比べて大きく変わったところだと思う」

「あとは本当の意味で感謝できるようになった。サッカー選手として当たり前にプレーできるということは、本当に周りの支えがあってのことだとすごく感じている。本当に感謝の気持ちを持って、プレーしていきたいと思う」

 さらに、10代を回顧した宮市は「18でアーセナルのトップに登り詰めたいという思いが当時はあった。なかなか代表に入っても周りのアーセナルの選手は代表のエース格ということで、焦りもあった」ことも明かした。

「幸せに思えていなかった。すごい焦りもあった10代だったなと今振り返ってみれば思う。そういう理想を持っていた10代だったが、今はそういうマインドも変わってきた。感謝できるようになって、人に感謝しながらプレーできているので、今回このエンブレムをつけさせてもらって誇りを持ってプレーしたいと思う」

 負傷を繰り返したことでしばらくピッチに立つことさえできなかった期間もある宮市は「ひざの前十字じん帯を3回目損傷した時に、ドイツの方でこのまま手術したら、もしかしたら引退をしないといけないかもしれないという話をされた。その時に契約も切れる段階で、このまま自分のキャリアは終わってしまうんじゃないかという時があった」と引退の可能性もあったという。

 それでも、「そういうところから、プロ選手としてやれることは当たり前じゃないんだなということを身を持って体験してから、日々感謝できるようになった。試合に出れない時もあったけど、そういう時でもサッカー選手としてやれているだけでも幸せなことだと感じていたし、ポジティブに取り組めていた」と前向きに取り組んできたと語った。

 また、「自分自身、19の時に野心を持ち過ぎて、自分で満足できずというメンタルコントロールのところで、自分は野心を持ち過ぎるとうまくいかないタイプ」であることを明かした宮市。「目の前のひとつひとつのトレーニングや試合にしっかりと取り組むところをやっていければ、自ずといろいろな結果が後からついてくるものだと信じてやっている。まずは明日の試合、午後も練習ありますけど、そこに最大限集中してやっていきたいと思う」と語り、E-1選手権に向けて意気込みを口にした。

「チームのために何ができるかってことが何よりだと思う。自分のためというよりも、チームのために何ができるか、出る出ないに関係なく、このチームでこのE-1を勝ち取りにいくために自分ができることを最大限にしたいと思う」

 そして、度重なる負傷を乗り越えて日本代表への復帰を果たした宮市。「サッカー選手としてこれだけケガをしていることは決して誇れることではない。むしろ恥ずかしいくらいのケガ歴」であることを強調しつつ、ケガに苦しんでいる人たちに向けて次のようにメッセージを送った。

「ただ、こうしてサッカー選手としてできているのも、周りの皆さんの声援だったり、ポジティブな言葉があってのことだと思う。そういう感謝の姿勢というのは、自分はサッカー選手としてピッチの上で見せていくしかない。本当にケガで苦しんでいるアスリート、小中学生、高校生、学生とかでも苦しんでサッカーできないという人も多いと思うが、今リハビリをやっている時間がいつか報われる日が必ずくると思う。苦しい時もあると思いますけど、自分が、引退宣告されたような選手が日本代表に返り咲くというか、活躍はまだしてないですけど、入れるチャンスも続けていれば必ずあると思う。そういう方たちを勇気づけられるプレーをしていきたい」

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