遠藤航[写真]=Getty Images
日本代表は6月に行われるキリンチャレンジカップ2023の2試合に向けて活動をスタート。13日のトレーニング終了後、MF遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)が取材に応じた。
遠藤の所属するシュトゥットガルトは2022-23シーズンもブンデスリーガで残留争いに巻き込まれた。昨シーズンは最終節で遠藤が決めた劇的ゴールにより土壇場で降格圏を抜け出していたが、今季は16位と昇降格プレーオフに回ることに。それでも、最終的にはハンブルガーSVを2戦合計6-1で撃破し、残留を決めていた。
今シーズン、遠藤はブンデスリーガに渡ってからともに自己最多となる5ゴール5アシストを記録。シーズンを振り返った遠藤は「もちろんチームのやり方だったり、監督が変わりながらもいろんなポジションをやらせてもらったり、相方との関係性だったり、考えることは数多くありました」と明かしつつ、「『よりチームを救うため』ということを考えた時に、攻撃での関わり方はかなり意識してやっていたので、その辺が結果に出て良かったなと思います」と話した。持ち前の守備だけでなく、攻撃面での貢献も見せた中、来季はより“ブラッシュアップ”することを誓っている。
「感覚的には最後の数試合のようなプレーができれば、もう少し得点に絡める場面は増えたかなとイメージはしています。ミドルシュートはもう少し積極的に打ちたいですし、あそこまで入っていくことが大事なので、その機会を増やしていくことが得点に繋がるかなと思っています」
苦しみながらも残留を果たしたシュトゥットガルトでのシーズンを終え、息をつく暇もなく代表活動に合流。3月に行われた2試合を踏まえ、遠藤は「一緒に組む相方や周りの選手たちの強みを最大限活かせるサッカーの中で、サポートするのが自分の役割。というか、それができると思っているので、そこはかなり意識しています」と個人として重視しているポイントに言及。3月24に行われたウルグアイ代表戦ではキャプテンマークを巻いてピッチに立っており、チームの“リーダー”として森保一監督とも話をしたという。「そんなに多くは話してないですけど」と前置きしつつ、「練習でも攻撃、守備のやり方に関して話はしました」と明かした。
森保監督が遠藤に話したことは、ピッチ上でのやり方だけではない。12日のミーティングにて、森保監督は重大な決断を遠藤に伝えていた。「いつまでかはわからないですが、キャプテンをやらせてもらうことになりました」。FIFAワールドカップロシア2018を最後にMF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)が代表チームを離れて以降、4年間はDF吉田麻也(シャルケ/ドイツ)が日本代表の主将を務めてきたが、遠藤が正式にキャプテンマークを受け継ぐこととなった。
「僕はこれまでにクラブや世代別(代表)で(キャプテンを)やらせてもらったりはしてきましたが、もちろんこのA代表で(キャプテンマークを)付けるということは特別ですし、感慨深いです。自分にできることは限られているので、今まで通りやるということに加えて、チームがどのようにやっていけば成長できるかを考えていかなければと思っています」
遠藤は元々キャプテンシーを兼ね備えた選手だ。リオデジャネイロ・オリンピックに臨むU-23日本代表で主将を務め、所属クラブのシュトゥットガルトでは現在進行形でキャプテンを任されている。「シュトゥットガルトではあまり多くを話すタイプではないですが、ピッチ上で存在感を示す姿勢を見せてきた中で、話さずとも他の選手に少しづつ伝染していった感覚は個人的にはありました」とドイツでの体験を明かしつつも「チーム(シュトゥットガルトの一員)としてのキャプテン像と、このチーム(日本代表)でのキャプテン像は、個人的に変わっていくと思っています」と断言。「日本語ですし、よりコミュニケーションも取れるので、同じことをやろうとは思っていません。このチームにはこのチームのキャプテンとしてのやり方があると思うので、そこは少しづつ探りながらやっていければ」と今後を見据えた。
そして、遠藤はキャプテンに任命されたミーティングの中で、主将として自身の想いを選手たちに伝えていた。「選手の立場は難しいというか、まずは競争に勝たなければなりません。その一方で、入るか入らないかわからない選手も、ここに来たのならば、次のワールドカップで結果を残すためにやるべきことがある。とにかくここに来たからには、初めて入るとか、前回は入れなかったとか、若いとかベテランとか関係なしに、このチームがワールドカップでこの先日本代表がどうやったら優勝できるのかを考えて行動してほしい。そんな話をしました」。吉田からキャプテンとしてのバトンを受け継いだ遠藤が、精神的支柱として、そしてチームに欠かせない中盤として、6月の2試合に臨む。
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By サッカーキング編集部
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