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「修正は必要ですが…」前川黛也、“後輩”GK鈴木彩艶への批判に意見「必要以上に言われすぎている」

2024.01.20

日本代表のGK前川黛也(撮影は昨年11月) [写真]=金田慎平

 AFCアジアカップカタール2023の戦いに身を置く日本代表。20日の練習終了後、GK前川黛也(ヴィッセル神戸)がメディア対応に応じ、GK鈴木彩艶(シント・トロイデン/ベルギー)のパフォーマンスや現在のチームにおける自身の役割について語った。

 日本代表は14日に行われた第1節でベトナム代表と対戦し、フィリップ・トルシエ監督が率いるチームを相手に苦戦を強いられながら、4-2と勝利した。19日に行われた第2節ではイラク代表と激突。共に初戦を白星で飾り、2連勝を飾ったチームが一番乗りで決勝トーナメント進出を決められるゲームは、前半にイラクが2点を先取する。日本代表は後半アディショナルタイムにセットプレーからMF遠藤航(リヴァプール/イングランド)が1点を返したものの、反撃及ばず。9大会ぶりにグループステージで黒星を喫していた。

 ベンチから試合を見ていた前川は「イラクは本当にシンプルで、ターゲットに対してボールを入れて、そこから起点を作っていくサッカー」と振り返り、「自分たちよりも昨日の試合の重要度をより高く設定しているように感じて、すごく気持ち的にも戦えていた」と、試合に臨む姿勢の部分に違いがあったと感じていた。「そういうところでも、やっぱりもっと自分たちが圧倒しないといけない」と気を引き締めた。

 また、イラク代表戦での守備陣全体でのオーガナイズの部分では「フィジカルアドバンテージがあるところで狙われたりとか、個の強い選手が1人いるだけでも、あのように崩されたりもする。フィジカル的に勝てないところを補うためのポジショニングだったり、そういう周りの助け合いってのがすごく大事になってくると思います」と自身の意見を述べた。「しっかりと整理をして、また自信を持って臨めば、勝てないチームなんてないと思っています」と力強く言い放っている。

 そのイラク代表戦では、GK鈴木のパフォーマンスに注目が集まった。立ち上がりの5分、日本代表の右サイドを崩されてクロスボールが送られると、ニアサイドに飛び出たGK鈴木はボールを弾き、こぼれ球をアイマン・フサインに押し込まれた。このプレーについては厳しい声も生じているが、前川自身は「全然ミスでもなんでもない」と断言。「プロである以上、批判は仕方ないこと」と前置きしつつ、1失点目のプレーについて自身の見解を述べた。

「(1失点目の)その前のところでの失い方、あの場面での攻められ方、そこまで侵入されたっていうところが問題でもあると感じています。もちろんGKはGKの立場で修正する必要はあります。失点した以上、修正は絶対にしなければなりませんが、必要以上に言われすぎていると僕は思っています」

「僕自身は代表や海外での経験もないですが、あのようなアウェイの声援を受け、プレッシャーの中で堂々とプレーしていました。彩艶のビルドアップやリスクケアは安定していて、彩艶がチームを救っている場面もたくさんあったと思います。ですが、あの1個のプレーで批判されてしまう。仕方ないこととはいえ、彼に集中しすぎなんじゃないかなと、僕は思います」

 このような言葉で前川は後輩のGKを擁護したが、「しっかりボールにチャレンジした結果、詰められてしまったというところで、GKは他にどうすれば良かったのか、改善していかなければなりません」とも話している。一方で「あの雰囲気の中でしっかりとやれるというのは並大抵のことではないですし、やはり彩艶という選手の力強さは感じました」と言葉を続けた。

 日本代表は前半アディショナルタイムにも右サイドを崩されて2失点目を喫し、最終的には1-2で敗北。試合終了のホイッスルが吹かれると、鈴木の元へ駆け寄る前川の姿があった。「自信を持ってほしいというところで、外から見てて良かったと感じたプレーだったり、もっと味方と声を掛け合っていく部分の話をしました」。このように鈴木との会話を明かした前川は「このような厳しい戦いの中では先制される試合もありますし、それは今後の戦いでも同様です」と自身の考えを述べると、「本当にザイオンだけでなく、GK全員が責任を背負い、GKチームとして戦っていかなければなりません。僕自身も助けになったらなと思っています」と続け、野澤大志ブランドン(FC東京)も含めた3名のGKとコーチングスタッフで“団結”していく姿勢を見せた。

 このような前川の姿勢は鈴木だけでなく、チーム全体に向けられたものでもある。「僕自身はチームに活力を与える部分も大事にしています。このチームには本当に力ある選手たちがいるので、再び戦う気持ちにするというところで、良い声掛けをしていきたいと思っています」と語った前川は、まさかの敗北となったイラク戦翌日の練習では、人一倍大きな声を出しながら盛り上げ役を担った。「1人でも元気になって、次の試合に向けてまたコンディションとかパフォーマンスを上げてくれたらいいなと思って。本当に自分の仕事を全うしたいと思っています」と話すと、そのような姿勢でチームを鼓舞する理由を次のような言葉で説明した。

「自分のチームでもそうですが、勝った後でも負けた後でも、リアクション1つでチームの雰囲気は変わります。僕自身は、負けた後、そして勝った後にどのように振る舞うべきか、そこの大事さをわかっているつもりです。今回のような場合は静かになってしまう部分もありますが、もっとそこはポジティブにやっていかないといけないと思っているので、続けてやっていきたいです」

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