インドネシア戦予想スタメン
イラクに1-2の敗戦を喫し、1勝1敗のグループ2位でAFCアジアカップカタール2023グループステージ最終節を迎えることになった日本代表。24日のインドネシア戦は2位通過を懸ける一戦となった。
インドネシアは初戦のベトナム同様に5-4のブロックを敷いてくる可能性が高い。そのベトナム戦ではセットプレーで2失点をしたが、インドネシアにはロングスローという武器も備えている森保一監督は先発メンバーについて、「直近の試合からいくつかのポジションを変える」と会見で明言している。
GKは鈴木彩艶を3戦目も起用と予想。2試合で4失点となっているが、GKとしてノーチャンスの失点もあった。SNSを通じて差別発言を受けたと明かした鈴木は、「そこに負けるつもりはないですし、結果で見返してやろうという気持ち」と、日の丸を背負って戦う戦士の一人として、まずはインドネシア戦での勝利を誓う。
ディフェンスラインは右から毎熊晟矢、板倉滉、冨安健洋、中山雄太と考えた。本人も「ふがいない」と認める2試合の出来で苦しむ菅原由勢をここでも起用して、自信を取り戻させることもあり得るが、イエローを1枚受けて出場停止にリーチのため、ラウンド16での右SBの選択肢を持てるようにするのではないか。左SBは2試合を伊藤で戦っているが、出遅れたもののコンディションを上げ、「期待していてください」と気合いが入る中山をここで起用したい。
CBはイラク戦後半から組んだ板倉と冨安。この2試合の課題として後ろがやや重く、セカンドボールの回収や前線の人数に厚みを出すことが挙がっている。チームとしてミーティングでディスカッションが活発に行われたようだが、日本代表がこれまで好パフォーマンスを出してきた試合のように、リスクは考えつつ、全体をコンパクトにして押し込んでいきたい。そのためにも冨安の起用は必須と考える。
中盤の2枚は遠藤航と守田英正の3試合連続スタメンと予想。ロングボール対応、セカンドボール回収のためにも、この2枚が後ろに下がりすぎないようにしたい。早めの得点で楽になれば、先を見据えて2試合フル出場の遠藤を下げて佐野海舟を入れたい。
2列目は右から堂安律、久保建英、中村敬斗か。2試合連続先発の伊東純也も菅原同様、1枚警告を受けているので温存したい。堂安は23日の練習後、「チームが悪くなった時に僕が必要になってくるのは、皆さんも、自分のメンタル的にもわかっているので、やってやろうと思っています」と話して気合い十分だ。久保も「出番をもらえるなら自分ができる最大限の、ゲームメイクのところを特に力を入れて、僕の力で押し込んでいきたい」と意欲を燃やす。
6戦6発の中村敬斗はイラク戦出番無し。イラク戦で前にかける人数が減り、クロスを上げることができても、ペナルティエリアに浅野拓磨1枚というケースも多かった。逆サイドから積極的に侵入してゴール前の厚みを出しつつ、ベトナム戦のようなミドルレンジからの“一発”も期待したい。
トップには上田綺世を置く。2戦連続途中出場となっているが、インドネシア戦は押し込む展開が想定され、相手の屈強なCB陣に対して、巧みなキープと裏への抜け出し、ライン間での駆け引きなど、多くの仕事を期待したい。決勝トーナメントを見据えても背番号9の爆発は必須だ。
試合前日公式会見に出席した冨安は、「相手の勢いに飲まれず、自分たちから仕掛け、叩きのめす気持ちでやりたい」と強い言葉で力を込めた。FIFAランキング146位の相手に圧倒できないようであれば、チーム目標であるワールドカップ優勝は絵空事になる。3位抜けであれば決勝トーナメントのスケジュールが2位抜けよりも楽にはなるが、日本の立場を考えれば、3位抜けは許されない。この2試合でのフラストレーションを払しょくする試合を期待したい。
取材・文=小松春生
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By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長