背番号10をつけ、日本代表をプレーでも言葉でもけん引する堂安律 [写真]=Getty Images
AFCアジアカップカタール2023・準々決勝のイラン代表戦を2月3日に控える日本代表。現地時間2日、MF堂安律(フライブルク/ドイツ)が報道陣の取材に応じ、同日にチームからの離脱が発表されたMF伊東純也(スタッド・ランス)について語るとともに、今後の戦いに向けての意気込みを口にした。
伊東については1日発売の『週刊新潮』にて、女性に対する性加害と刑事告訴が報じられた。一方で、伊東側も虚偽告訴の疑いで告訴状を提出したことが明るみに出ている。このような状況の中、日本サッカー協会(JFA)は同日に「心身のコンディションを考慮した結果」として、伊東のチームからの離脱を発表。その後、山本昌邦ナショナルチームダイレクターから「伊東選手とともに戦いたいという意見が多く出ました。その上で会長に相談をし、伊東選手を残す方向で改めて調整するということになりました」と説明があり、離脱は一時撤回に。しかしながら、2日に専門家等を交えた協議が行われ、正式に離脱が決定していた。
伊東の離脱について、堂安は「専門家の方も含めて、たくさんの意見が出ていて、正直、もう選手たちがどうこう言えるレベルじゃないところまで来てると思います。僕たちは専門家でも何でもないですし、もちろんみなさんも言いたいことがたくさんあるでしょうけど、そこはもう俺たちが言う必要がないというのは、全員が認識していることです」と率直な心境を告白。一時的な離脱の撤回は選手たちの意見を加味してJFA側が下した決断だったが、堂安は「自分たちの意見も出しましたが、選手たちの意見が全て通ると思ってなかったのも事実です。ただ、ここで何も言わなければ、自分たちが後悔する。そのような考えがあった中で意見を出して出したまで。決定したのであれば、もう仕方がないこと」と語った。
堂安と伊東は右サイドの2列目のポジションを争う“ライバル”でもあるが、「このような状況の中でポジションのことなんて全く考えていない」と明かすと、“チーム”の中の1人として次のような言葉を発した。
「二転三転した中で、選手だけでなく、数多くの人々が『どうなっているんだ』ということは気になっていたと思います。今、僕らが話しているのはチームのことです。『他人のことだから気にしないよ』ということではなく、チームの一員として、自分のことのようにみんな考えた上で、意見を出して話し合いました」
また、堂安は日本代表のファン・サポーターに向けても言葉を紡いだ。「恐らく、サッカーファンのみなさんは、アジアカップ中にそのような雑音が増えてきて、(他の選手たちは)どう思ってるんやっていう意見がたくさんあると思います」と切り出すと、「そこに関しては、そんなことには屈しないっていうのが僕たちの選手の意見です。そんなんで惑わされてるようなチームじゃないですし、屈しているような選手たちじゃないんで。それはチーム全員が認識してることかなと思います。ここからまたみんなが1つになるんじゃないかなと思います」と話した。
伊東の離脱にチームが揺れる中、イラン代表との“決戦”は翌日に迫っている。堂安も「みんなわかっているとは思いますが、もう試合前日なので、チームのためにも、もう忘れなくちゃいけないことだと思います」と切り替えの重要性を主張。「4年前に僕たちが戦った時と同じく、能力が高く、推進力も高い選手が多いイメージです」とイラン代表の印象を明かすと「勝つために全員が準備したいと思います」と意気込んだ。
FIFAワールドカップカタール2022の時と同様、堂安は自らが見据える姿や目標を明確に言葉にした上で、ピッチ上で結果を残してきた。今大会はグループD第3節のインドネシア戦(○3-1)で初のスタメン入りを果たすと、同試合ではFW上田綺世(フェイエノールト/オランダ)の2点目をアシスト。続く決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)のバーレーン代表戦(○3-1)でも先発に名を連ね、チームの先制点を記録していた。
堂安は「意識しているとか、ビッグマウスとか言われがちですけど、本気でやれると思って言っている」と発言。「カマしているだけとか、何か勘違いしている人もいるかとは思いますが、自分としては全くそんなことはない。自分はそうなれる、やれると思って、現実的な発言をしているつもりです。決してあり得ないこと言ったことはないと思っています」と語った。
今大会では先発に名を連ねた2試合でともにゴールに直接関与していることから、自身の言葉にも重みが増してきている。「そう思ってくれるならありがたいです。多くの経験を経て、実績と結果と出したことによって、色んな人がついてきてくれるというのは嬉しいことです」と話すと、「こういう大きい大会になれば自分が必要かなと思います」と“らしい”言葉を口にした。
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By サッカーキング編集部
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