マリ戦では後半途中から出場した藤田 [写真]=金田慎平
1996年のアトランタ大会から7大会連続でオリンピック出場を果たしてきた日本。だが、22日のU-23マリ代表戦完敗もあり、次の2024年パリオリンピックはその記録が途絶えるかもしれないという危機感が日に日に強まっている。大岩監督率いるU-23日本代表にはそんなネガティブな見方を完全払拭してもらわないといけない。
そういう意味でも、25日のU-23ウクライナ代表戦は是が非でも勝ちたいところ。パリオリンピックアジア最終予選前最後のテストマッチで内容ある勝ち方ができれば、選手たちにも大きな自信が生まれる。今回こそパリ世代の意地を示すしかない。
「今、やっておかないといけないのは、勝つことだと思います。マリ戦は『自分たちがやってやる』といった気持ちがいつもの試合に比べて少なかったのかなと。そういう気持ちをチーム全体としてどんどん出さないといけない。少しエゴを出してもいいのかなとは僕は思っています」と中盤のリーダーである藤田譲瑠チマは語気を強めていた。
確かにマリ戦の日本は、相手の頭抜けたスピードやパワー、バネを持つ相手に翻弄され、あっさりと逆転負けを喫した。1対1で仕掛ける意識も、シュートに持っていく回数も少なく、熱量不足の試合になってしまったと言ってもいいだろう。
「マリ戦はとにかくシュート数が少なかった。シュートを打てるシーンで簡単にクロスを上げてしまってGKに取られることもありました。そういうところは無理にでも打ちに行って、ミスになったら、それはそれでしょうがない。そういう話を試合前にみんなに伝えて、自分たちのリズムや勢いを出せればいい」と藤田は自ら積極的にアクションを起こし、チームを統率していく構えだ。
実際、マリ戦でも彼が入ってきた終盤は声掛けや指示の回数が大幅に増えた。シント・トロイデンの同僚でもある山本理仁と並んだ時は、安心感が違うという印象も強かった。
だが、今回は山本がベンチスタートになる見込み。松木玖生、荒木遼太郎のFC東京コンビと中盤を形成する可能性が高い。クラブでキャプテンを務める松木も闘将になれるタイプだが、国際経験値では藤田の方が上。しかも2022年のEAFF E-1選手権の日韓戦でA代表として異彩を放った実績もある。だからこそ、より率先して周りを動かし、闘争心を掻き立てていくことが肝要だ。
「僕は特別にリーダーシップを持っているという自覚はないんです。ただ、試合になったら勝ちたい気持ちがものすごく強いし、周りが広く見えるポジションなので声掛けをしているだけなのかな。それに結構、怖がりなんです(笑)。たくさんの情報を持っていないと怖いので、視野を広げるためにコミュニケーションを大切にしているところがあります」
本人は以前、こんな話をしていたが、積極的にアクションを起こせる人間がパリ世代には少ない分、彼の行動力や発言力が際立っている。最終予選では窮地に追い込まれることもあるだろうし、そこで迅速に動ける人間が絶対に必要だ。ベルギーで厳しい戦いを日々経験し、数々の修羅場をくぐっている男には、そのストロングを遺憾なく発揮してもらいたい。
その上で、アンカーとしての仕事を確実に遂行すること。攻守両面でリズムを作り、細谷真大ら前線アタッカー陣の決定機を演出すること。それが藤田に求められる重要タスクだ。
「ウクライナはマリとは全く違う相手。まずは自分たちがゲームをコントロールできるように、前線からのアグレッシブな守備や、攻撃時はセンターバック、自分含め、安定したビルドアップができればいいと思います。高さも警戒すべき点ですけど、足元の技術もしっかりしているし、本当に強いチームなので、焦れずにやらないといけない。このチームに勝てれば、『勝ち癖』をつけて勢いに乗れる。僕らの強みである組織力を出していきたいですね」と、藤田はやるべきことを明確に描いている様子だ。
ロシアの軍事侵攻による戦禍にありながら、ハイレベルな欧州予選を勝ち抜いてパリオリンピック切符をつかんだウクライナは、今回の招集メンバーが変わっているとはいえ、並大抵の相手ではないはず。藤田がイメージするように、相手に主導権を握られる状況も少なくないかもしれない。そこでしっかりと耐えきれる示すことも、今の大岩ジャパンにとっては重要なポイント。その上で、リスタートやカウンターのチャンスを生かして勝ち切れれば、先々への希望も見えてくるに違いない。
ウクライナ戦、そして最終予選の成否はこの男にかかっていると言っても過言ではない。絶大な存在感を誇る中盤のコンダクターの一挙手一投足を注視しつつ、大岩ジャパンの巻き返しに期待したい。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子