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パリ五輪出場へ…U23アジアカップ開幕! “大岩ジャパン”で注目すべき5選手

2024.04.16

[写真]=AFC

 パリ五輪出場をかけたAFC U23アジアカップ2024が開幕する。8大会連続のオリンピック出場を目指すU-23日本代表は、グループステージで中国代表、UAE代表、韓国代表と対戦。今大会で上位3カ国に入るとパリ五輪出場権を獲得する。U-23日本代表で注目すべき5選手を紹介する。

MF8 藤田譲瑠チマ

[写真]=AFC


生年月日:2002年2月16日(22歳)
身長・体重:175cm・76kg
所属クラブ:シント・トロイデン(ベルギー)

 最初に紹介するのは「大岩ジャパン」の立ち上げ以来、チームの中軸を担ってきた大黒柱。豊富な活動量、攻守の切り替えの素早さ、球際の粘り強さ、確かなボールスキル、そしてゲームに対する洞察力の高さを活かして、攻守に貢献する。大岩監督が「6番」と定義するアンカー役での起用が濃厚だが、前に出て行く「8番」の仕事もこなせる。

 もう一つの魅力は「そこは自分でも武器だと思っている」と語るマシンガンコーチング。今大会を前にキャプテンに指名されたが、「自分のやるべきことは変わらない」と言うように、「(チーム全員が)同じ方向を向けるように」普段通りのリーダーシップを期待したい。

MF20 平河悠

[写真]=AFC


生年月日:2001年1月3日(23歳)
身長・体重:171cm・68kg
所属クラブ:FC町田ゼルビア

 今回の五輪代表チームは、多くの選手がユース年代からその名を知られた選手たちだが、平河に関しては大岩監督になって発掘された“遅咲き”のタレントと言えるだろう。だからこそ、キーマンとして挙げておきたい。

 群を抜くスピード、ドリブルのスキルや、ゴール前でのセンスの良さ、あるいは守備への貢献度の高さなどが評価されるが、一番の強みは驚異的な度胸の良さ。町田での活躍を買われ、代表でのデビュー戦は、何とアウェイのイングランド戦。プレミアリーグで活躍する選手がズラリと揃う相手に臆することなく攻守で果敢なプレーを見せ、「思ったよりやれるな」と自信を掴みつつ、大岩監督のハートも掴んでみせた。

 その後も「◯◯(中東、アフリカなど)とやるのは初めて」という言葉を繰り返しつつ、出ればキッチリと「平河らしいプレー」を継続して披露。度胸の良さと適応力の高さで、すっかりチームに欠かせない選手に成長してきた。代表での基本ポジションは左ウイングだが、右でもテストされている。「元々大学(山梨学院大学)では右だった」と言うように、本人的にも違和感はあまりないとのこと。「やるべきことをやるだけ」という「いつもの平河」を貫くのみ。

MF17 松木玖生

[写真]=AFC


生年月日:2003年4月30日(20歳)
身長・体重:180cm・78kg
所属クラブ:FC東京

 今大会に向け、やはりこの男を外して語るべきではないだろう。「大岩ジャパン」では想定されるプレーモデルと松木の個性の間にギャップがあったこともあり、控えに回って流れを変える役目を託されることも多かった。ただ、それも過去の話になりつつあるかもしれない。今季のFC東京では一段とスケールアップした姿を見せて攻守で他を圧する存在感を発揮しており、前から圧をかけて相手を制圧するチームコンセプトを考えれば、松木の力は必要不可欠だろう。

 大会を前に大岩監督からは副キャプテンの一人にも指名されており、ピッチの内外でチームを引っ張る仕事も改めて期待される。「それは当然のこと」と本人は言うだけだろうが、アジアのタフな戦いでメンタル的な意味でもチームの支えになってくれることだろう。

 コロナ禍によるU-20ワールドカップ消滅の影響もあり、「アジア予選を知らない」選手が多いことはこの代表のウィークポイントと挙げられることも多いが、松木は下の世代でAFC U20アジアカップを戦い抜いて世界への切符を勝ち取った経験を持つのも頼もしいところ。タフな守備と豪快な一撃の双方で、「世界」へチームを導く働きを見せてくれることだろう。

MF10 佐藤恵允

[写真]=AFC


生年月日:2001年7月11日(22歳)
身長・体重:178cm・75kg
所属クラブ:ブレーメン(ドイツ)

 欧州組のほとんどが不参加となった今大会だが、佐藤を残せたのは大岩監督にとって不幸中の幸いと言うべきだろう。スピードと持久力を兼ね備え、両サイドのウイングとセンターフォワードの前線3つのポジションすべてをこなせ、パワフルにゴールへ迫れるアタッカーだ。

「守備は好きだし、得意」と語るように、「守れるFW」なのも大きな特長で、カウンターを受けて猛然と長い距離を戻ってボールを奪い返した選手がいたと思ったら佐藤だったという光景はこのチームの日常風景。「欧州に行って、『限定する』じゃなくて『奪う』ことをより意識するようになった」と猛犬のようにボールを奪い切るプレーも凄味を増した。

 先発でも良し、スーパーサブ的な起用でも良し、しかも攻撃的な交代としても、守備的な交代としても使えるというのも佐藤の特長。大岩監督がこのタレントを「どういう狙いでここに置いたのか」は、試合を観る上での玄人好みの注目ポイントかもしれない。

DF4 関根大輝

[写真]=AFC


生年月日:2002年8月11日(21歳)
身長・体重:187cm・82kg
所属クラブ:柏レイソル

 今大会を語る上で直近の不安要素は国際経験も豊富なDF半田陸(ガンバ大阪)が別メニュー調整を続けていること。大岩監督は初戦での起用を見送る考えを示唆しているが、それはつまり、関根大輝の先発が濃厚になっているということでもある。

 静岡学園高校から拓殖大学へ進んでいた関根は昨年6月に年代別日本代表へ初招集。さらに9月のアジア競技大会にも招集され、「シンプルにフィジカルの必要性も感じたし、自分のプレーが通じる部分もわかった」と課題と手応えの双方を掴んだ。さらに一年前倒しでのプロ入りも決断し、今季は柏で開幕から欠かせぬ戦力としてプレーを続けてきた。

 右SBでの登場が有力だが、「この代表でも最初はCBだった。CBでもやれる自信はもちろんある」とも言う。オプションである3バックシステムのことを考えても、起用の幅がある関根の存在は大きい。静学出身者らしい器用さと187cmのボディを兼備する現代型DFは、「小栗旬」を意識したと言う金髪以上にピッチの上で目立つ働きを見せてくれることだろう。

取材・文=川端暁彦

AFC U23アジアカップ2024 試合日程

第1節 vsU-23中国代表
4月16日(火) 22時キックオフ
DAZN、テレビ朝日系列で生中継

第2節 vsU-23UAE代表
4月20日(土) 0時30分キックオフ
DAZN、NHK総合で生中継

第3節 vsU-23韓国代表
4月22日(月) 22時キックオフ
DAZN、テレビ朝日系列で生中継

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By 川端暁彦

2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

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