細谷真大が延長前半に勝ち越しゴール [写真]=Getty Images
AFC U23アジアカップ カタール2024の準々決勝が25日に行われ、U-23日本代表とU-23カタール代表が対戦した。
パリオリンピック2024(パリ五輪)の出場権を懸けた今大会も、遂に“負けたら終わり”の決勝トーナメントに入る。決勝トーナメントはグループステージを勝ち抜いた8チームによって争われ、3チームが本大会にストレートイン。言い換えると、決勝進出を決めた時点でパリ行きが確定する。パリ五輪のアジア枠は『3.5』となっていることから、準決勝で敗れたチームも、3位決定戦で勝利すればパリ行きの切符を掴むことができる。4位のチームは、アフリカ予選の4位チーム(U-23ギニア代表)とのプレーオフに回るというスケジュールだ。
今大会のU-23日本代表は、16日に行われたグループB第1節でU-23中国代表と対戦。前半途中に西尾隆矢が退場処分となったこともあり、長時間数的不利での戦いを強いられたが、先制点を守り切る形で1-0と逃げ切りに成功した。19日に行われた第2節のU-23UAE代表戦は2-0と完勝し、2連勝でグループステージ突破が決定。首位通過を懸けて22日に行われた第3節、U-23韓国代表との日韓戦は、75分にセットプレーから失点し、その後は猛攻を見せたものの、0-1で敗れた。この結果、U-23日本代表はグループBを2位で通過。決勝トーナメント1回戦にあたる準々決勝では、開催国のU-23カタール代表と対戦する。
U-23カタール代表は、グループAで2勝1分の成績を残し、首位通過を果たした。大会のホスト国という最大の利点を活かしつつ、狙うは1992年のバルセロナオリンピック以来となる2度目の五輪出場。昨年9月には第19回アジア競技大会のグループステージでU-23日本代表と相まみえており、当時はU-23日本代表が3-1で勝利していた。
決勝トーナメントの初陣となる一戦に向けて、大岩剛監督はU-23韓国代表戦からスターティングメンバー10名を変更。中2日の過密日程ということも影響し、連戦を戦うのは高井幸大のみとなった。キャプテンの藤田譲瑠チマを筆頭に、松木玖生、山田楓喜、細谷真大らが先発に復帰。ゴールマウスはGK小久保玲央ブライアンが守り、ベンチから荒木遼太郎、藤尾翔太、平河悠らが出番を待つ。
試合はキックオフからおよそ1分後に動く。U-23日本代表は自陣右サイドで前を向いた関根大輝がロングフィードを送ると、このボールは相手に先に拾われたものの、相手のバックパスが短くなった隙を山田楓喜が見逃さない。ボックス右角のあたりでルーズボールを拾い、カットインから右足を振り抜くと、GKユセフ・アブドルラハマン・バリヤディが一歩も動けない強烈な一撃がゴールに突き刺さった。山田の左足が風穴を開け、U-23日本代表が幸先良く先手を取った。
その後も日本代表が主導権を握る。U-23カタール代表は今大会初採用となる3バックのような布陣で試合に入ったが、ボックス内での守り方に不慣れな部分も散見。両ウイングバックを釣り出すことで両脇のニアゾーンが空き、そこを有効活用しながら攻め込むシーンを増やす。
試合の流れはU-23日本代表に傾いているように見えたが、完全ホームで戦うU-23カタール代表はワンチャンスを逃さなかった。24分、アーメド・アル・ラウィが敵陣左サイドでロングボールを収め、一旦マイナス方向へパスを繋ぐも、ジャッセム・ガベル・アブドゥルサラームがトラップミス。流れた場所には誰もおらず、再びU-23カタール代表ボールとなると、右サイドタッチライン際でパスを受けたアブドゥラー・アル・ヤジディがシンプルなクロスボールを供給。ボックス内で待っていたアル・ラウィが関根大輝に競り勝ち、強烈なヘディングシュートを放つと、GK小久保玲央ブライアンは一歩も動くことができず、ゴールネットを揺らした。
わずかなチャンスを得点につなげたU-23カタール代表は、同点ゴールの直後から会場の流れも味方につけ、雰囲気を一変させる。プレーの面でも中盤の選手がニアゾーンを封鎖する形が増え、U-23日本代表はなかなか攻めあぐねる時間帯が続く。
だが、38分にはU-23日本代表が、松木の強さを活かす形でゴールへ迫る。佐藤の放った左スローインをペナルティエリア左で松木が収めると、相手を背負いながらも前へ持ち運んで中央へ折り返す。ファーサイドへ詰めていた細谷はフリーだったが、ダイレクトで合わせた一撃は枠の外へ。
1-1で前半も終盤に差し掛かると、この試合の行方を左右しかねないアクシデントが発生。ピッチ中央左寄りの位置でクリアボールを拾った松木が、背後のスペースへアバウトなロングボールを蹴り込むも、GKユセフ・アブドルラハマン・バリヤディに頭で処理される。だが、GKユセフがジャンプした後の足裏が、ボールを追い掛けた細谷に入っており、OFR(オンフィールドレビュー)を経てレッドカードが提示。U-23日本代表は残る時間を数的優位で戦うこととなった。
10分間のアディショナルタイムは、U-23日本代表が攻め込む時間となったが、これ以上の得点は生まれずハーフタイムへ突入。後半へ入るとU-23日本代表が動く。前半のうちにイエローカードをもらっていた松木に代えて藤尾を投入し、4-4-2で細谷と藤尾の2トップにシステムを変更した。
藤尾の投入で前に出たいU-23日本代表に対して、1人少ないU-23カタール代表は、セットプレーで牙を剥く。後半立ち上がりの49分、敵陣中央やや左寄りの位置でフリーキックを獲得すると、モスタファ・タレク・メシャールが左足で精度の高いボールを供給。ボックス内へ走り込んでいたジャッセムがヘディングシュートを叩き込み、U-23カタール代表が逆転に成功した。
このままだと8大会連続の五輪出場権を獲得できないU-23日本代表は、ここから猛攻を強めるも、守備へ割り切ったU-23カタール代表の前に決定的なシーンは作れない。攻め手が見つからないまま時計の針は進んだが、U-23日本代表はセットプレーで“やり返す”。65分、右サイドでスルーパスに抜け出した藤尾が粘り、コーナーキックを獲得。山本理仁が左足でインスイングのボールを蹴り込むと、中央で相手の前へ入り込んだ木村が頭で沈める。木村の今大会2得点目でU-23日本代表が勝ち越しに成功した。
勢いに乗ったU-23日本代表は、ここから敵陣へ押し込む時間ばかりとなったが、1人少ないU-23カタール代表のすぐに倒れ込んでしまうプレーもあってか、なかなか良い流れを継続できない。佐藤や藤尾がゴールへ迫る場面もあったが、決め切ることはできずに終盤へ入っていく。
90分間で試合を決めたいU-23日本代表は83分、佐藤を下げて平河を投入。左サイドから積極的に仕掛けられるドリブラーをピッチへ送り出した。終盤は完全にワンサイドゲームとなり、後半アディショナルタイムに入っても怒涛の攻撃が続く。山田を下げて荒木を送り出すなど、U-23日本代表は最後までゴールに迫ったが、表示された9分間以上となった後半アディショナルタイムにこじ開けることはできず、試合はタイムアップ。2-2で90分間が経過し、試合は延長戦に突入した。
延長戦に入っても試合のおおまかな様相は変わらず、U-23カタール代表は5-4のブロックを敷いて守備陣形を固める。U-23日本代表はサイドからの攻撃がメインだが、どうしても単調なクロスボールばかりが目立ち、良い形でフィニッシュまで持ち込めないまま時間が経過。このまま延長前半は終盤に入ったが、101分に遂に試合が動いた。
U-23日本代表は敵陣中央でボールを持った藤田が中央を破るパスを差し込むと、ペナルティエリア手前の位置で前を向いた荒木がワントラップからスルーパスを送る。ボックス右でうまく相手の前に入った細谷が、GKの股下を抜くグラウンダーのシュートを沈めた。今大会はここまでゴールがなかった“エース”の一撃で、U-23日本代表が再び勝ち越しに成功した。
U-23日本代表の1点リードで後半へ折り返すと、細谷と山本を下げて川﨑颯太と内野航太郎を送り出す。後半に入ってもU-23日本代表が攻撃へ出る時間帯が続くと、112分にはこの2人が絡んでトドメを刺す。U-23日本代表の左コーナーキックがボックス右へ流れると、背後から走り込んできた川﨑がダイレクトで右足を振る。ディフレクションした一撃がGKに弾かれると、こぼれ球を内野が押し込んだ。
このゴールで勝利を決定付け、最終的には4-2でタイムアップ。U-23日本代表は10人の開催国をなかなか崩し切ることができなかったが、延長戦では細谷、内野と2人のストライカーに得点が生まれ、準決勝進出を決めた。
前記の通り、準決勝を勝利すればパリ五輪本大会の出場が決まる。“運命の一戦”は日本時間で30日の2:30(29日の26:30)にキックオフ予定で、U-23イラク代表対U-23ベトナム代表の勝者と対戦する。
【スコア】
U-23カタール代表 2-4 U-23日本代表
【得点者】
0-1 2分 山田楓喜(U-23日本代表)
1-1 24分 アーメド・アル・ラウィ(U-23カタール代表)
2-1 49分 ジャッセム・ガベル・アブドゥルサラーム(U-23カタール代表)
2-2 67分 木村誠二(U-23日本代表)
2-3 101分 細谷真大(U-23日本代表)
2-4 112分 内野航太郎(U-23日本代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(4-3-3)
GK:小久保玲央ブライアン
DF:関根大輝、木村誠二、高井幸大、大畑歩夢(114分 半田陸)
MF:藤田譲瑠チマ、山本理仁(106分 川﨑颯太)、松木玖生(46分 藤尾翔太)
FW:山田楓喜(90+6分 荒木遼太郎)、細谷真大(106分 内野航太郎)、佐藤恵允(83分 平河悠)
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By サッカーキング編集部
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