パリの地で輝く姿を　藤田譲瑠チマ＆長野風花が見据える世界舞台

　アディダスは2024年のオリンピック開催地であるパリの地で、日本代表の新ユニフォームを発表した。

　今回はヨウジヤマモトとのコラボレーションブランドである『Y-3』ブランドとしての発表という新しい試みとなり、『FIRE』をデザインテーマとしたユニフォームをパリのファッションウイークに合わせ、ランウェイで発表した。

　そのランウェイにサプライズで登場したのはU－23日本代表MF藤田譲瑠チマとなでしこジャパンMF長野風花の2人。大役を成し遂げた直後の2人に新ユニフォームやランウェイの感想、パリへ懸ける思いなどを聞いた。

インタビュー＝林遼平
取材協力＝アディダス

―――ランウェイの感想を教えてください。

藤田　最初はすごく緊張したんですけど、大きな失敗なく終われたので、すごく楽しかったです。見ているお客さんの目線は真っ暗だったのでわからなかったですけど、「俺、今歩いているなぁ」とか「今、光に照らされた！」みたいには思っていました（笑）。

長野　私も今まで経験したことがなかったので、もう緊張で、緊張で仕方がなかったですし、ステージ上も緊張しっぱなしでしたが、何とか最後は慣れて、リラックスして歩けたので、楽しく追われて良かったです。

[写真]=アディダス

―――藤田選手はホーム、長野選手はアウェーを着用しています。新ユニフォームの印象はいかがですか？

藤田　初めて見たときは、『Y-3』が最初に目にとまって、すごくカッコいいなと思いました。こういう色や合わせ方というのも、今まであまり見たことなかったので、すごくかっこいいですね。

長野　私もまずはすごくカッコいいと思いました。今までのユニフォームと比べて、色も形もすごくスタイリッシュなので、私はすごく好きです。

―――相手が着用しているそれぞれのモデルについてはいかがでしょうか？

藤田　アウェーの印象としては、白と赤でデザインされていて日本国旗をイメージできますし、赤の炎もすごく日本のイメージに合っていますね。

長野　ホームのこの色（ダークネイビー）がすごく好きで、その中にある青い炎もすごくかっこいいです。

藤田　エンブレムが中央にあるのも珍しいなと感じました。胸の中央に全部集まっている感じとか、斬新ですよね。

[写真]=アディダス

―――ピッチのお話もできればと思います。お互いのプレーの印象はいかがですか？

長野　アジアカップなどのU－23日本代表の試合を見ていて、「全部できるな」というイメージを持っています。パスもすごくうまいですし、中盤でドシンとしていますよね。

藤田　ありがとうございます（笑）。長野選手は動き回る印象というか、運動量が多いイメージですね。代表戦を見ていて、元気だなって思います（笑）。

―――これまで接点はありましたか？

藤田　深いものはなかったですが、トレーニングの場所が一緒だったりしたので、時間が重なったときに少し話したりという感じです。

―――今回、交流する時間も作れましたね。

藤田　長野選手、元気だなって（笑）。すごくふざけたりして、スタッフの人たちと笑ったりしていて、すごく楽しい人ですね。

長野　もう譲瑠はそのままです（笑）。たくさん話してくれるし、明るいし、すごくいい子です。

―――直近でなでしこジャパンはスペイン、U－23日本代表はアメリカ遠征がありました。

長野　スペインでニュージーランドと2試合しましたが、シーズンが終わってすぐの合宿でもあったので、コンディションなど難しい面もありました。でも、チームとしても個人としても、しっかりと今まで積み上げてきたものが出せている部分もありました。コンディションの面でまだまだ対応できていなかったので、もっといい準備をして、オリンピックへ向かいたいと思った遠征でした。

藤田　アメリカと2連戦しましたけど、前回（2023年11月）の遠征では1－4で負けた相手だったので、リベンジマッチということも踏まえての遠征でした。2試合目の公式試合（※）では2－0で勝利して、結果としてもすごく良い結果になりましたし、自信を持ってオリンピックに行ける内容でもあったので、慢心せず、過信せずにしっかりと自信をつけてオリンピックに臨みたいです。
※2連戦の初戦は完全非公開

―――最後にパリオリンピックに懸ける思いを教えてください。

長野　やっぱりなでしこの力を世界の皆さんに見せられる機会というところで、本当に負けられないですし、私自身、目指してきた舞台なので、すごく楽しみです。悔いなく、チームの勝利に貢献するところを精一杯見せたいです。

藤田　まずはメンバーに選出されるかどうかというところがありますが、自分自身としては目標の一つではありましたし、自分たちの世代は世界大会というものがコロナの影響などで実施されなかったものが多く、おそらく初めての世界の舞台となる選手が多いです。その中で自分たちも今まで積み上げたものがある中、世代別で区切られる大会では最後の大会になるので、メンバーに選出していただけたら、結果にこだわってやっていきたいですし、チームが勝つための仕事を全うできたらいいなと思います。