中村敬斗がOGを誘発 [写真]=Getty Images
FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第4節が15日に行われ、日本代表とオーストラリア代表が対戦した。
史上初の最終予選開幕3連勝を成し遂げた“歴代最強”の日本代表が、ホームに戻ってきて“難敵”を迎え撃つ。2次予選では6戦全勝無失点と圧巻の成績を残した日本代表の勢いは、最終予選に入ってからもとどまるところを知らず、9月シリーズではホームでの中国代表戦を7-0、アウェイでのバーレーン代表戦を5-0と大勝で飾った。10月シリーズ初陣となった10日のサウジアラビア代表戦は、鎌田大地と小川航基のゴールにより2-0で勝利。過去、日本代表はサウジアラビア開催のアウェイゲームで3戦全敗と結果を残せていなかったが、“鬼門攻略”をやってのけ、ここまでロケットスタートでひた走っている。
今節、『埼玉スタジアム2002』に迎えるのはオーストラリア代表。5大会連続で本大会行きの切符を掴み取っている強豪だ。日本代表とは2006年1月1日付でのAFC(アジアサッカー連盟)転籍後、すべての最終予選で同グループに組み込まれているが、これまでの相性が決して良いとは言えない。直近9試合の国際Aマッチで日本代表相手に勝利を挙げられておらず、最新の白星は2009年6月に開催されたFIFAワールドカップ南アフリカ2010の最終予選まで遡る。
言い換えると、日本代表からすると相性の良い相手だ。初めて最終予選で相まみえた南アフリカW杯の時こそ1分1敗とオーストラリア代表相手に勝利を掴めなかったが、以降は3大会連続でオーストラリア代表戦の結果により本大会出場権を掴み取っている。ブラジルW杯の最終予選では本田圭佑がPKを突き刺して1-1のドローに持ち込むと、ロシアW杯では浅野拓磨と井手口陽介の得点により2-0で勝利。前回大会では、三笘薫が終盤に2得点を決め、2-0で勝利し、7大会連続7度目の本大会出場を勝ち獲っていた。
そんなオーストラリア代表は、今回の最終予選ではなかなか波に乗り切れていない。9月シリーズの初陣ではホームでバーレーン代表に0-1で破れ、まさかの黒星スタートを強いられると、続く敵地でのインドネシア代表戦もスコアレスドローでタイムアップ。今月10日に行われたホームでの中国代表戦を3-1で制したことで初勝利を記録したが、本大会出場に向けて厳しいスタートとなったことは言うまでもない。2連勝を掲げ、日本代表との一戦に臨む。
日本代表を率いる森保一監督は、サウジアラビア代表戦からスターティングメンバー2名を変更。体調不良により前日練習を欠席したキャプテンの遠藤航に代わって田中碧を起用したほか、サウジアラビア代表戦で先制ゴールを挙げた鎌田大地に代わって久保建英が先発入り。そのほかの顔ぶれはサウジアラビア代表戦と同じ9名となった。
対するオーストラリア代表は、中国代表戦からスターティングメンバー6名を変更。FC町田ゼルビアに所属するミッチェル・デュークや、10番を背負うアルディン・フルスティッチらが先発に並んだ。
試合は立ち上がりの5分、日本代表が最初のチャンスを構築。敵陣中央で南野拓実からのボールを受けた上田綺世が右サイドへ展開すると、待っていた堂安律が左足でクロスボールを供給。これは跳ね返されたものの、セカンドボールを回収した板倉滉がヘディングで繋ぎ、大外で受けた久保がマイナスへ折り返す。フリーでパスを受けた田中碧が2度の切り返しで相手を翻弄し、スペースへボールを入れると、ボックス右で反応した久保が左足でフィニッシュ。ここはサイドネットに嫌われた。
その後の時間帯は日本代表がボールを握り、相手の隙を探る構図に。オーストラリア代表は「5-4-1」の布陣でブロックを組み、低い位置で構えるだけでなく、押し上げも徹底してコンパクトな陣形を維持。スペースを圧縮し、日本代表の攻撃陣に自由を与えない。
日本代表は中盤の一角に入った守田英正が周囲の選手とリンクできるポジションを取り、ビルドアップを工夫するが、オーストラリア代表守備陣の組織には簡単に穴が開かず、チャンスらしいチャンスの数は限定的。34分には守田からのロングフィードを前線で南野が収め、左サイドで落としを受けた三笘薫がカットインから右足を振り抜くも、相手にブロックされて枠には飛ばせず。前半はこのままスコアレスで終了した。
後半に入っても試合の様相は大きく変わらず、日本代表が敵陣へボールを握る時間は増えたものの、ブロックをかいくぐるような場面は少ない。このような状況で迎えた58分、少々意外な形で均衡が破れる。
日本代表はGK鈴木彩艶が左足でロングフィードを狙ったものの、ここはピッチ中央で跳ね返される。ボックス手前に向かったボールがオーストラリア代表側に渡ると、右サイド開いた位置で前を向いたルイス・ミラーが右足でアーリークロスを供給。クリアしようとした谷口彰悟の右足に当たり損ね、ボールはゴールに吸い込まれる。オーストラリア代表が先手を取った。
2次予選も通して今回の予選初失点を喫した日本代表は、直後の62分に堂安に代えて伊東純也を投入。64分にはその伊東が右サイドを縦に破り、クロスボールを上田がヘディングで合わせたが、ここはGKに阻まれる。
状況を打開したい日本代表は70分、久保と南野を下げて、中村敬斗と鎌田大地を送り出す。三笘がシャドーのポジションに入り、中村は左ウイングバックへ。すると76分、その中村が得意のドリブルで大仕事をやってのける。左サイド大外でボールを受けた背番号13は、見事な反転から左サイド深い位置までボールを持ち運び、マイナスへ折り返す。これが相手のオウンゴールを呼び込み、“切り札”の活躍で日本代表が試合を振り出しに戻した。
この同点ゴールで勢いに乗った日本代表は、83分に最後の交代カードを切る。上田に代わって、現在2試合連続ゴール中の小川航基がピッチに立つ。終盤は日本代表が敵陣へ押し込み続けたが、最後までゴールネットを揺らすことはできず、試合は1-1でタイムアップ。日本代表の国際Aマッチ連勝記録は「7」でストップした。
10月シリーズはこれにて終了。次節は11月15日に予定されており、『ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム』にてインドネシア代表と対戦する。
【得点者】
0-1 58分 谷口彰悟(OG/オーストラリア代表)
1-1 76分 キャメロン・バージェス(OG/日本代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(3-4-2-1)
GK:鈴木彩艶
DF:板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹
MF:守田英正、田中碧;堂安律(62分 伊東純也)、三笘薫;久保建英(70分 鎌田大地)、南野拓実(70分 中村敬斗)
FW:上田綺世(83分 小川航基)
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By サッカーキング編集部
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