3バックの中央で日本代表守備陣をけん引した谷口 [写真]=金田慎平
日本代表は15日、FIFAワールドカップ26アジア最終予選の第4節でオーストラリア代表と対戦し、1-1で引き分けた。試合後、DF谷口彰悟(シント・トロイデン/ベルギー)が報道陣の取材に応じた。
今回の最終予選では史上初の開幕3連勝と絶好のスタートを切った日本代表。4連勝を目指し、ホームの『埼玉スタジアム2002』にオーストラリア代表を迎えた一戦は、立ち上がりから日本代表がボールを握る時間が長かったものの、「5-4-1」の布陣でボールに対して“圧縮”してくるオーストラリア代表の守備陣を攻略できず、スコアレスで時計の針が進む。「対策をされている感覚はありました」と素直に明かした谷口は、今後の最終予選を見据えて「この先はこのようなゲームも増えてくる。自分たちが次のステージに進むために、戦い方を突き詰めていかなければなりません。根気強く取り組んでいくしかないかなと思います」と語っている。
そんななかで迎えた後半の58分、谷口のオウンゴールで日本代表は先手を取られる。オーストラリア代表の右サイド大外に開いたDFルイス・ミラー(ハイバーニアン/スコットランド)からのアーリークロスに対して、谷口はフリーで反応したが、当たりどころが悪く、ボールは自陣ゴールに吸い込まれた。
2次予選も含めて、日本代表はここまでの9試合でクリーンシートを続けていただけに、谷口は「無失点を継続したかったですし、自分のミスでそれを崩してしまった」と悔しさを露わにする。「その前でマチ(町田浩樹)が触るかなとか、次の対応をどうしようかなど、あの瞬間はいろんなことを頭の中で考えていました。その結果、ちょっと出足が遅れてしまいました」と詳細に振り返ると、「シンプルに僕のポジションをもう1歩下げて、左足でクリアできていれば問題なかったです。ポジショニングのミスですし、もっと危機管理を徹底しなければならないシーンでした。決して難しいボールではなかったですし、試合を難しくしてしまって、チームに申し訳ないです」と反省点を口にした。
一方で、オウンゴールをしたからといって下を向いていると、オーストラリア代表に狙われてしまう。谷口自身、そこをきっちりと理解しており、気持ちの切り替えを大事にしていた。「もちろん、ショックは大きかったです。ただ、絶対に負けちゃいけないゲームでしたし、この失点で崩れてしまうとオーストラリアの思う壺なので」と話すと、「難しいところはありましたが、最後まで集中力を切らすことなくやることだけを考えていました」と語っている。
その言葉のとおり、その後は危ないシーンを作らせず、76分には途中出場のMF中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)が相手のオウンゴールを誘発。1-1のドローに持ち込んで試合を終えたことを受けて、谷口は「(失点後も)みんな『大丈夫だよ』と声をかけてくれましたし、結果的には追いつくことができて、チームメイトにかなり助けてもらいました」と率直な思いを明かした。
試合全体を振り返って、谷口は「自分自身がオウンゴールで試合を厳しくしてしまった。あの失点がなければ違う展開になっていたとは思います」と悔しい気持ちを口にした一方で、チームを主語として「相手の出方を踏まえて、自分たちの狙いを出せたシーンもあります」と明かす。「奪われた後の切り替えを早くして、ボールを回収するシーンも作れてはいました」とポジティブな点を挙げており、この試合で得た課題も収穫も、今後に繋げていく覚悟を感じさせた。
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By サッカーキング編集部
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