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U-20日本代表、120分+PKの死闘を制し世界舞台へ!「最後に俺が蹴って勝てる」“あえての後攻”選んだ主将・市原吏音がW杯決定弾

2025.02.24

[写真]=AFC

「こういう試合は気持ち。うまくいかないときは心が大切になる」

 そんな言葉で“決戦”を振り返ったのは、スペイン育ち、元FCバルセロナのDF髙橋仁胡(セレッソ大阪)だった。

 2月24日、AFC U20アジアカップ準々決勝。「勝てば世界大会、負ければチーム解散」という天国と地獄の分かれ道にある「こういう試合」で、U-20日本代表はU-20イラン代表と対戦した。日本は立ち上がりにいきなりの失点。中盤のボールロストから中央を強引に破られる形で、イランに先制点を献上してしまった。「やってはいけない入り方をしてしまった」とMF大関友翔(川崎フロンターレ)が振り返ったように、想定していた中でも最悪のスタートになった。

 ただ、大関が「思ったよりその後の相手の勢いがなかった」と振り返ったように、イランがこれで逆に守備的になったことも幸いし、また「そこでチームの気持ちをマイナスにせず、プラスに入れられた」(髙橋)ことで日本は徐々に持ち直す。「相手はA代表のアジアカップで日本に勝ったのと同じ戦術をやってきた」とGK荒木琉偉(ガンバ大阪)と言うように、イランの狙いはシンプルなロングボール、それも高さのミスマッチができるサイドバックへのロングボールだった。特に日本の左サイドバック、髙橋のところで生まれる高さの差を意識したボールが次々に入ったが、ここは髙橋が踏ん張りを見せる。

「守備は命懸けでやろうと思っていた。クロスとか思うようなボールが上げられなかった試合だけど、そういう日もある。だから、守備はちゃんと強くやって、俺らのゴールには絶対入れさせるつもりはなかった」(髙橋)

 髙橋が粘りの対応を見せれば、2人のセンターバック、そして右サイドバックの梅木怜(FC今治)を含めてタフな対応を見せ続けた。市原吏音(RB大宮アルディージャ)は「やりながら自分自身に感心した」と笑って振り返るが、試合前には「(セカンドボール勝負以前に)まずファーストボールで自分ら(DF陣)が強さを見せないといけない」と語っていた通りの奮戦ぶりで、イランが狙いとした攻勢を持続させなかった。攻撃でも、日本が狙いとする形が徐々にできるようになり、「中でやってて(今大会で)一番手応えがあった」と大関も振り返る。

「自分たちのボールを繋ぐとこだったり、攻撃のところも、やっていてすごくいい形が作れてるなと思っていたので、焦りはなかった」(大関)

 それでもイランの体を張った守りとGKの好守に阻まれることが多かったが、前半のうちにMF小倉幸成(法政大)が起死回生の一発を突き刺す。「自分たちが相手陣地でボールを回していて、クロスもあんまり効果的ではなかったので、自分が1本打とうかな」(小倉)と放ったミドルシュートが決まり、1-1の同点に。これで心理面でも日本は完全に盛り返し、試合の主導権を握った。

 もっとも、その後は「何度も膝から崩れ落ちた」と大関が笑って振り返るように、チャンスを作りながらも決め切れない流れに。こうした展開は思わぬ失点のトリガーにもなりがちだが、日本は最後まで相手のカウンターに対しても意識したポジショニング、反応速度を維持。最後まで「決め切れなかった」のは反省材料ながら、「サッカーはそういうことがある」(髙橋)ものでもあり、「みんな割り切れていた」(市原)。

 受け入れて臨んだPK戦では、「コイントスを2度やって2度とも勝った」市原主将が、まず日本のサポーターがゴール裏に陣取る側を選択し、さらに後攻も選んだ。「自分が5番手だったので、『最後に俺が蹴って勝てるな』と思って後攻を選んだ」と強気の選択をして臨んだ。

 結果はイランがまず2連続で外し、その後は日本の髙橋が失敗するという流れに。しかし「俺らはチームとして強いんで、俺が外しても残りの2人が絶対に決めてくれると思っていた」という髙橋の言葉どおり、4番手の佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)と市原が連続で真ん中に蹴り込んでゴール。強気で後攻を選んだ市原は思惑どおり、最後のキッカーとしてヒーローになった。

 試合前は「正直、めちゃくちゃプレッシャーがあった」と市原は振り返る。「スタッフ含めてみんな朝から口数が少なかった」と言うのは大関で、梅木もまた「今まで感じたことがないような緊張感もありました」と言う。グループステージの戦いぶりは順風満帆とは言いがたく、「(SNSなどで)嫌でも批判は目に入ってきていて、見返したかった」(市原)という思いもあった。それだけに、試合後の「自信を持てるようになった」(市原)という言葉にも真実味がこもる。

「勝てば世界大会、負ければチーム解散」。天国と地獄の分かれ道で、国を背負って戦う者だけが感じる特別な重圧に晒されつつ演じた120分+PKの死闘。それを乗り越えた選手たちは、一回り大きくなっているように見えた。

取材・文=川端暁彦

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By 川端暁彦

2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

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