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サウジアラビア戦で出番到来か? 20歳DF高井幸大に求められる“下からの突き上げ”

2025.03.24

日本代表のDF高井幸大 [写真]=金田慎平

「2〜3チーム作れるくらい選手層を厚くできるようにしたい。(FIFAワールドカップ26)W杯で8試合勝っていくためには、レベルの高い選手たちがいて、全員がスタメンで出場できる、途中から出ても試合を決める、試合を締める、コントロールするなどギアを上げていけるチームを作っていきたいと思っています」

 3月20日のバーレーン代表戦(埼玉)で8回連続W杯出場を決めた直後、森保一監督がこう強調した通り、日本代表は1年3カ月後の本大会に向けて、圧倒的な選手層を築いていかなければいけない。

 25日のサウジアラビア代表戦(埼玉)はその重要な一歩。リスタートの一戦で期待されるのが、若い世代の突き上げだ。

 今回のアジア最終予選では、細谷真大、藤田譲瑠チマ、関根大輝らパリ五輪世代が立て続けにベンチ外になっており、まだまだ完全なる戦力になり切れていないのだ。

 昨年9月の最終予選初戦・中国代表戦(埼玉)で71分から板倉滉に代わってピッチに立った高井幸大(川崎フロンターレ)にしても、出場はその1試合だけ。半年前の時点では「高井は前回最終予選の板倉のように守備陣の一角に食い込んで来るだろう」という期待も大きかっただけに、現状の厳しさを本人も痛感しているに違いない。

「自分は少ない時間ですけど、1回ピッチにも立つことができ、(代表戦出場が)責任のあるものだと理解しています。それは本当にピッチ内外ですごく感じます」

「代表に来ると、バスで帰る時だったり、練習が終わってロッカーに戻った時とかに、自主的に作戦ボードを持って『こういう時はこうだ』と話している選手が沢山いる。『チームをよくしよう』という考えを持った選手が沢山いるので、それが今の強さにつながっていると感じます」と彼自身もしみじみ語っていたが、そういう世界基準の意識レベルを体感した半年間は20歳の高井にとって貴重な時間だったに違いない。

 加えて言うと、長谷部茂利新監督が就任した今季の川崎フロンターレでも守備陣の統率役を担うようになった。もちろん隣にはベテランの元日本代表DF丸山祐市が陣取っているものの、高井が自ら指示を出してラインコントロールをしたり、前の選手の立ち位置を修正するシーンがより一層、目につくようになっている。その立ち振る舞いAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)8強進出の原動力になったのは間違いないだろう。

「自分が声をかけ続けてディフェンスリーダーとなって頑張りたい。プロになってからはそういうところの大切さを谷口彰悟さんたち先輩からすごく学んだ部分。自分のプレーを出しながら、周りを動かすことも大切かなと思います」と話す彼は着実に前向きな進化を遂げつつあるのだ。

 そういう時だからこそ、代表戦のピッチに立って、成長を示してほしいところ。森保監督がサウジアラビア戦で瀬古歩夢、板倉、伊藤洋輝の3バックを変更してくるかどうかは分からないが、バーレーン戦での瀬古が守備面でやや不安定さを垣間見せたこともあって、高井の抜擢を検討しているのは確かだ。

 本人もスタメンで出る気満々。そういう感情を表に出すタイプではないが、以前に比べるとパッションを感じさせるようにはなってきていると言っていい。

「3バックで自分がやるとしたら、真ん中か右の1枚ですかね。スタメンで出れたら、つねに自チームで出しているプレーを出したい。実際に遜色なくでいるかどうかは自分の中でもすごく楽しみではあります」

「サウジは最終予選のグループでも強い相手ですし、いい選手もいる。個の能力もありますし、いいチームだなと思う。1対1の局面が多くなると思うので、そこで負けないとか、大きなスペースを守るところが大切かなと思います」

 高井の中ではすでに試合のイメージが出来上がっている様子。昨夏のパリ五輪でスペインなどの強豪と堂々と渡り合った彼なら、サウジアラビア戦に出ても十分にやれるはず。4月下旬からのACLE上位ステージで勝ち上がれば、サウジアラビアのアル・ナスルやアル・アハリと対峙する可能性もある。その前哨戦という意味でも、今回はピッチに立って、自身の力を示しておくことが重要だ。森保監督にとっても今、彼にチャンスを与えておいた方が先々を考えても得策ではないか。

 ご存じの通り、日本代表DF陣は目下、谷口、冨安健洋、町田浩樹が負傷離脱中。谷口と冨安は重傷で、いつ代表に戻ってこられるか分からない。そういう状況だけに、20歳の大型DF高井には守備陣の中心的な存在になってくれれば、安心感は高まる。

 かつて10代で代表デビューした冨安が瞬く間に代表レギュラーに上り詰め、長友佑都らに「こいつは別格」と言わしめたことがあったが、高井もポテンシャルはそのレベルに匹敵すると言っていいかもしれない。ゆえに、代表経験を積み重ねていくことが肝要だ。

 この1年3カ月は自身のキャリアを大きく左右する時間になる…。そのくらいの強い覚悟を持って、サウジアラビア戦に取り組むべき。高井のW杯への挑戦はここからが本番だ。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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