BELEZA PRESS CONFERENCE DAYに登場した松田岳夫新監督と主将の村松智子[写真]=東京ヴェルディ
日テレ・東京ヴェルディベレーザが8月24日、2023-24シーズンの WEリーグカップ開幕に先立ち、「BELEZA PRESS CONFERENCE DAY」と題して開幕直前会見などを行った。
会見前には26日に行われるAC長野パルセイロ・レディース戦(味の素フィールド西が丘)に向けてゲーム形式を中心とした練習が行われ、FIFA女子ワールドカップに参加したなでしこジャパンのGK田中桃子、MF藤野あおば、FW植木理子も軽快なプレーを見せた。今季から14年ぶりに東京NBの指揮を執る松田岳夫新監督も、通い慣れたヴェルディグラウンドで汗を流しながら指導。全体練習後も居残り練習を続ける選手が多く、新シーズンへの意気込みが感じられた。
会見には松田監督とキャプテン2年目の村松智子が登壇してリーグカップやその先のリーグ戦に向けた抱負を述べ、松田監督は「指導者の原点であるこのクラブに戻って来ることになった。ここを離れて外で経験したすべてを東京NBに注ぎたい。26日からカップ戦が始まるが、このチームですべて勝つ。そういう意気込みでシーズンを戦いたい」と力強く話した。
昨季のリーグ戦で18試合に出場した村松は「昨シーズンは皇后杯で優勝したが、カップ戦もリーグ戦も悔しい思いをした。すべてのタイトルを獲る気持ちでやりたいし、選手がすべてをレベルアップしないと優勝は見えてこないと思うので、練習試合だろうと公式戦だろうと、常に全力でやっていきたい」と必勝を誓った。
なでしこリーグ前身のL・リーグでベレーザに数々のタイトルをもたらし、多くのなでしこジャパン選手を育てた松田監督は、「攻守においてアグレッシブで躍動感があり、見ている人に興味を持ってもらえて、楽しんでもらえるサッカーをしたい。世界のサッカーを見るとうまさだけでなく、スピードやパワーもレベルが高くなっている。なでしこジャパンが活躍するためにも、WEリーグチームがしっかり戦い、その中で日本女子サッカーを引っ張る存在としてこのチームがあると思う」と名門復活を約束した。
9月17日に行われるリーグカップのグループステージ第4節・INAC神戸レオネッサ戦(味の素フィールド西が丘)は、なでしこジャパンの女子W杯メンバーが多く出場する見込みで、同大会の山場となりそうだ。リーグカップ決勝は等々力陸上競技場で10月14日に行われ、優勝チームは昨季の5倍に当たる賞金1000万円とWEリーグカップを獲得し、準優勝チームは賞金500万円を手にする。
女子W杯に初参加するも出場機会がなかったGK田中桃子は「(なでしこジャパンの)GK2人や海外のGKを見て、もっと安定したプレーができるようになりたいと思った。昨季は(東京NBで)ほとんどの試合に出たが、本当に大事な試合は出られなかった」と話し、自身が欠場して東京NBが3-0から追いつかれ、PK戦の末に敗れた昨季のリーグカップ決勝を思い出してリベンジを誓った。
コスタリカ戦で男女を通じてW杯日本選手最年少ゴールを決めた19歳の藤野は「昨季は得点にこだわって得点王争いに絡めたが、味方を生かせなければ意味がないと思う」と昨季を振り返り、「女子W杯では自分のポジション取りに無駄が多かったので、もっと改善してレベルを上げ、アシストや得点にこだわりたい」と、チーム全体の得点を上げることにもフォーカスする。
女子W杯で2得点の植木は「女子W杯の経験はあるが、東京NBでやることは変わらない」と話し、「自分がゴールを取り続けることが勝利につながるので、昨季以上のゴールでチームを勝たせたい。(リーグ優勝して)全員で表彰式に行って、そのうえで得点王も取れれば、こんなにうれしいことはない」と、WEリーグ3年目でのリーグ制覇に目線を向けた。
今季から背番号10を任された木下桃香や、日テレ・メニーナ育ちで早稲田大から加入の船木和夏など、今季の東京NBにはさらなる成長が期待される選手も多い。リーグカップでのリベンジ、そして11月11日に開幕を控える2023-24 WEリーグに向けて、新しいシーズンがスタートする。
文=馬見新 拓郎(フリーライター)
By サッカーキング編集部
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