快勝し、笑顔で記念撮影を行うC大阪レディース[写真]=WEリーグ
2023-24 WEリーグカップのグループステージ第3節が10日に行われ、今シーズンからWEリーグに参入しているセレッソ大阪ヤンマーレディースはアウェーに乗り込んで、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースと対戦した。
C大阪は2試合を終えた段階で1勝1敗。前節はホームでサンフレッチェ広島レジーナに手痛い逆転負けを喫しただけに、今節は「勝たなければいけない試合」(鳥居塚伸人監督)と位置づけて臨んだ。その思いを立ち上がりからプレーで表現する。
アグレッシブな前線からの守備でリズムをつかむと、左サイドバックの小山史乃観が再三、攻撃参加してチャンスを演出していく。35分には高和芹夏がロングシュート。これをGKが弾き、こぼれ球に反応した小山が冷静にネットを揺らした。
この日も蒸し暑さが選手たちの体力を奪っていたが、「試合での走行距離は13kmを求めていきたい」(鳥居塚監督)と、圧倒的な運動量をチームのベースとするC大阪は、後半になっても足を動かし続ける。74分には途中出場の白垣うのがセットプレーから得点を挙げ、千葉Lを突き放した。最後までコンパクトな陣形を保ち、守備での綻びを見せなかったC大阪が2-0の快勝を飾り、グループリーグ突破に望みをつないだ。
試合後、小山はゴールシーンについて「点を取りたいという気持ちから、あのポジション(中央)に入れていたのかなと思います。(高和)芹夏がシュートを打った瞬間、『こぼれるかも』と感じたので、冷静に決められてよかったです」と笑顔。
2点目を決めた白垣も、明るい表情で振り返る。「ファーサイドにいた(荻久保)優里さんは結構折り返してくれるタイプなので、そのボールを狙っていこうと思っていました。はじめはヘディングをしようと思って、ジャンプをしましたが届かず、でも『まだある』と思っていたら、ボールがこぼれてきて『よし!』って(笑)」
18歳の小山は9月下旬から始まるアジア競技大会に臨む日本女子代表メンバーに選出されている。一方、17歳の白垣は先日行われたU-19日本女子代表候補のキャンプに参加したばかり。ともに10代の2人がそろってゴールを決めチームを勝利に導いたが、C大阪は選手の平均年齢が約21歳とWEリーグ全体で最も若い。小山と白垣だけではなく、チーム全体が大きなポテンシャルを秘めている。プロ1年目のシーズン、WEリーグで旋風を巻き起こす可能性は十分にある。そう感じさせる快勝劇だった。
取材・文=山本剛央