日テレ・東京ヴェルディベレーザが11月8日、2023-24シーズンのWEリーグ開幕を前に、「BELEZA PRESS CONFERENCE DAY」と銘打って練習公開や会見、達磨の目入れなどを行った。
午前中に行われたチーム練習では、開幕戦を控えて強度の高いトレーニングが行われた。ゲーム形式の練習では、繰り返し攻守両面の動きを確認。今シーズンから14年ぶりに東京NBの指揮を執る松田岳夫監督が激を飛ばし、選手は試合さながらのハイレベルなプレーを見せていた。12日に味の素フィールド西が丘で迎えるAC長野パルセイロ・レディース戦に向けて、充実の時間を過ごしていた。
東京NBには、なでしこジャパンのGK田中桃子、MF藤野あおばをはじめ、アジア競技大会日本女子代表のFW山本柚月やFW土方麻椰など多くのタレントがそろっている。だが、8月末から10月にかけて開催されたWEリーグカップでは、グループステージで6チーム中4位に沈んだ。エースのFW植木理子が海外移籍し、アジア競技大会で主力選手が抜けていたことも大きな要因だったが、悔しい結果に納得はしていない。特に守備面ではカップ戦5試合12失点を喫しており、立て直しを図りたいところだ。
練習後の会見には松田監督とキャプテンのDF村松智子が登壇。WEリーグ初制覇に向けての意気込みを語った。今季のチームコンセプトについて松田監督は、「うまくて強いチームを目指していきたい。このチームの良さであるテクニックは引き続き高めながら、ハードワークしてゴール前に人を増やしていきたい。誰かが得点をするというよりも、誰もがどこからでも、どういった形でもゴールを取れるようにしたい。そのために、守備ではより高い位置でボールを奪って、自分たちが主導権を持ったゲーム展開にしていきたい。全試合、勝つもりで戦っていく」と力強く語った。
ディフェンスリーダーでもある村松は、「カップ戦では悔しい負け方が多かった。特に最後の2試合は大量失点してしまった。あれから1カ月間、守備面についてチームで強度を上げて取り組んできた。『失点しない』、『戦う』姿勢をシーズン通してやっていきたい。タイトルにこだわりを持って勝ちを積み重ねるよう覚悟を持って臨む」と、優勝へ向けて守備強化に取り組んでいることを明かした。
さらに、男子トップチームの東京ヴェルディがJ1昇格争いをしていることが、チームにも良い影響を与えているという。松田監督は、「日々の練習の真剣さ、1試合1試合勝つことの大切さ、チーム全員で一つの方向を向いて戦うことの強さと素晴らしさ、観客と一体になって戦う様子は非常に勉強になっています。本当にいいお手本が身近にある」と話す。東京NBの開幕戦が行われる12日は、東京ヴェルディが大宮アルディージャとのJ2最終戦に臨む日でもある。「お互い最高の結果になるよう、我々も最高のチームを作って全力で戦いたい」と指揮官は胸を張った。
会見終了後、WEリーグ優勝の願いを込めて、クラブカラーの緑色の達磨に松田監督と村松が目を入れた。名門復活に向けて、今季のWEリーグに懸ける思いは強い。2024年の春、大願成就を果たして、再び目を入れる姿が見られるに違いない。
文=砂坂 美紀