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矢形海優(C大阪ヤンマーレディース)大好きなみんなとWEリーグで優勝したい

2023.11.13

日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の3シーズン目が11月に開幕した。
WEリーグに新規参入を果たしたセレッソ大阪ヤンマーレディースは、
プロの舞台でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
大きな期待を背負う選手たちの連続インタビュー企画、
第4回は、チームをけん引するストライカー・矢形海優が登場してくれた。

泥臭く、二桁得点を狙う

──まずは、ご自身のプレースタイルやストロングポイントを教えてください。

矢形 私のストロングポイントは、前線からのハイプレスとゴール前では泥臭く、ゴールを奪いにいくプレーです。

──プレー中に意識していること、こだわっていることは?
矢形 少ないチャンスでもゴールを奪うこと。そこはもちろん意識しています。あとは、前から守備をする際、チーム全体の守備のスイッチを入れることを意識していますね。

──セレッソ大阪ヤンマーレディースの特長の一つである「前からの守備」ですが、プレスにいく、いかないの判断はどのように下していますか?

矢形 後ろからの指示もそうですし、 自分が「いける」と思った時にプレスをかけにいきます。自分の判断でスピードを上げてプレスにいく。そこは毎試合、意識している部分です。

──他にチームから求められている役割とは?

矢形 まず90分間、しっかり走ること。その上で、ボールを奪ったあとにゴールへつなげるプレーを求められています。また、攻撃面では中央の崩しの部分。縦パスを出したり、受けたり。そこはチーム全体で意識しています。

──ゴール数の目標は持たれていますか?

矢形 今シーズンの目標は、ニ桁得点を挙げることです。そのためには、少ないチャンスを決めきらないといけません。ゴール前で体で押し込んだり、そういった泥臭いプレーがニ桁得点を達成するために大事になってくると思います。

──パスを出すチームメートとの関係性も重要ですね。

矢形 そうですね。パスを出してくれる選手との連係は大事です。サイドからクロスを上げてくれる選手や後ろからパスを出してくれる選手、そういったパスの出し手が出しやすいタイミングを見計らって、自分は相手DFと駆け引きをしてパスを受けられるようにしています。練習から常に要求しつつ、コミュニケーションを取りながら精度を高めています。

WEリーグカップでは4試合に出場し、3ゴールを記録[写真]=セレッソ大阪

──WEリーグがスタートした2021-22シーズンからの2シーズンは、マイナビ仙台レディースでプレーされました。この2年間で得られたものとは?

矢形 一人ひとりのコミュニケーションの仕方や、プレー中に要求し合うこと、そういったところを学ばせてもらいました。状況に応じてどういうプレーが必要なのか。一つひとつのプレーのこだわりや質。そのあたりは年上の選手から学ぶことが多かったです。

──今夏、セレッソ大阪ヤンマーレディースに復帰し、学んだことをチームに還元したい気持ちも持たれていますか?

矢形 マイ仙台とは違って、セレッソは私より年下の選手がほとんど。練習から100パーセントを出しつつ、年下の選手に対しては教えるというか、ちゃんとその選手の考えを聞きながらコミュニケーションを深めることを意識しています。

──マイ仙台ではプロとしてプレーしました。プロになったことによる変化とは?

矢形 まずは感謝の気持ちです。出会った人たち、支えてくれている人たちへの感謝の気持ちが増したように思います。礼儀や挨拶の部分も、改めて学ばせてもらいました。プロ選手になったことで自分の時間が増えたので、サッカーに対する意識も変化があったと思います。

「戻ってきたんやな」と実感できた

──セレッソ大阪ヤンマーレディースの注目ポイントを教えてください。

矢形 WEリーグの中でも一番若いチームなので、1試合1試合、戦うごとに成長していくチームだと思います。その成長を、自分たちのプレーで表現して、全部の試合に勝てるように頑張っていきたいです。

──WEリーグカップは3勝1分1敗のグループ2位に終わりました。率直にどのような感想を持たれましたか?

矢形 自分たちが今持っている力を出すことができたと思います。特に、前線からプレスをかけて得点につなげられた部分は、引き続きWEリーグでも見せていきたいです。ただ、やっぱり課題もたくさん出ました。パスやシュートの質。チャンスをしっかり決めきることは改善していかないといけません。

──約2年半ぶりにセレッソのピンクのユニフォームを着て、ヨドコウ桜スタジアムでプレーしました。どんな思いがこみ上げてきましたか?

矢形 本当にうれしかったです。ゴールを決めることもできて、「戻ってきたんやな」と強く実感することができました。ヨドコウ桜スタジアムはピッチとスタンドが近い分、ファンの皆さんの存在を感じながらプレーできます。そのありがたさを試合中から感じていました。セレッソファミリーの一体感もすごかった。これからも勝ち続けていきたい、と改めて思いましたね。

──矢形選手にとって、セレッソ大阪ヤンマーレディースはどのような存在ですか?

矢形 自分の中で一番大きな存在です。それに、自分の人生を変えてくれた存在。セレッソに来て、イチから学ばせてもらいました。サッカーに対する意識、チームの大切さ……本当に全部をここで学びましたから。

──セレッソへの愛着はかなり強そうですね。

矢形 私はセレッソに育ててもらいましたし、長年一緒にプレーしてきた選手やチームのことが大好きです。マイ仙台に在籍していた時も、セレッソのことをすごく気にしていましたし、選手とも連絡を取り合っていました。帰ってくることができてうれしいですし、大好きなチーム、大好きなチームメートとWEリーグで優勝したい。その思いは本当に強く持っています。

ファンとの一体感もC大阪ヤンマーレディースの強みだという[写真]=セレッソ大阪

──現在23歳。これからどんな選手になっていきたいですか?

矢形 「まだ23歳」ではなく、「もう23歳」。全試合に絡んで、チームで一番活躍して、まずはなでしこジャパンに入りたいです。その目標に向かって突き進んでいきます。

──改めてになりますが、ファン・サポーターの皆さんに見てもらいたいセレッソ大阪ヤンマーレディースのサッカーとは?

矢形 若いチームならではの毎試合、がむしゃらに走り続けること。そこは見ていただきたいです。あとは、スタジアムの一体感というか、試合に勝ってファンの皆さんと一緒に喜び合う、その雰囲気も楽しんでもらいたいですね。

──最後に、WEリーグ参入1年目の目標を教えてください。

矢形 チームの目標は5位以内です。ただし、WEリーグカップで「これだけできるんだぞ」というのを見せられたので、もっと上位に食い込んでいけるように、チーム一丸となって戦っていきたいと思います。

By サッカーキング編集部

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