スタジオゲストだったサッカー元日本代表、柱谷幸一氏と岩本輝雄氏が、JリーグYBCルヴァンカップで注目すべき若手選手を紹介した。
今季のルヴァン杯では「全ての試合において21歳以下の選手を1名以上先発に含める」という規則があり、若手にとっては貴重な実戦経験の場、アピールの場が得られることになる。このレギュレーションについて、番組レギュラー解説委員の岩政大樹(東京ユナイテッドFC)と柱谷氏がそれぞれ次のように見解を語った。
「(リーグ戦と)メンバー全体を変えるチームが多くなったので、楽しみ方が変わってきていますし、チャンスをもらう選手が増えました。僕らがプロに入った頃は(前身の)ナビスコカップでも試合に出るチャンスはなかなかありませんでした。若い選手が試合に出るチャンスをもらえるのはいいことだと思います。公式戦でプレーを見ないと分からない部分もありますからね」(岩政)
「(21歳以下ではなく)19歳以下でもいいんじゃないかと思っています(笑)。世界のサッカーを見ると、活躍する若手の年齢はどんどん下がっていますし、18歳以下の選手でも十分にプレーできるので、もっと下げてもいい気がします。チームによっては、リーグ戦に出ていない選手をルヴァン杯で使って試合感覚を取り戻させ、リーグ戦で出られる状態にするという使い方をするところもあるでしょうし、ガンバ大阪のように新しい監督が来てまだチーム作りができていないチームは、ルヴァン杯でもメンバーを固定して戦い、チーム作りを進めるということもある。それぞれのチーム事情を考えながらルヴァン杯を戦ってほしいと思います」(柱谷)
注目の若手選手について、岩本氏はFC東京の久保建英(16歳)、横浜F・マリノスの遠藤渓太(20歳)と吉尾海夏(19歳)の3人を挙げた。
「久保君は前を向いたらレベルが違いますね。ボールを取られないですし、ファーストタッチのボールの置きどころがなかなかよかった。(第1節では)得点はできなかったけど、これからまだまだ楽しみです。遠藤は、いつもは右サイドをやっていますが、この間の試合(第1節)では左サイドでプレーし、彼のシュートから先制ゴールが生まれました。スピードに乗らせたらなかなか取れないですよね。チャンスメーカーとして良かったけど、課題もいくつかありました。それを克服すれば五輪代表、さらに上も狙えるイメージを持っているので頑張ってほしいですね。吉尾はボールタッチもいいですし、運動量や裏への抜け出しも素晴らしい。試合に出れば楽しみな存在です。前線をやっているので、アシストやゴールなどの結果が出てくれば面白くなりそうですね」
柱谷氏は名古屋グランパス戦で2ゴールを挙げた浦和レッズの荻原拓也、そしてヴィッセル神戸戦でスーパーゴールを決めたV・ファーレン長崎の名倉巧をセレクトした。
「(荻原は)ユース時代は左サイドバックだったんですけど、1月のキャンプで堀監督がFWに転向させ、サイドバックから左ワイドのポジションに移りました。いきなり2点を挙げ、これから楽しみです。2点目はラッキーゴールかもしれないですが、あそこまでボールを運んでシュートを打っているからこそ生まれた得点です。その積極性は買いたいですし、何より左利きなので。日本は左利きの選手が少ないので、それだけで大きなアドバンテージになるでしょう。(名倉のゴールシーンは)クロスが出た時、画面の外から走って来てボレーを決めています。長い距離を走ってきて、あれをワンタッチ、ダイレクトでシュートを狙う思い切りの良さは素晴らしいですね」
岩政はルヴァン杯での躍進が期待される若手選手に向けて、次のように期待を語った。
「若い選手の魅力って、わけが分からないこと。理由は分からない、わけが分からないけど行っちゃうというのが魅力なので、その気持ちを失わずにプレーしてほしいですね。頭を整理してプレーするのはベテランの仕事です。若い選手が思い切りよくプレーしてバランスが崩れたところをベテランが調整する、そういうチームが強くなりますし、若手の思い切りのよいプレーが見えるとチーム力が向上します」
3月16日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、JリーグYBCルヴァンカップ第2節ハイライトやJ1第4節サンフレッチェ広島対ジュビロ磐田戦のプレビューなどを放送する予定となっている。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト