清水戦で2得点をマークした長谷川竜也 [写真]=金田慎平
等々力陸上競技場で長谷川竜也が暴れまわった。
川崎フロンターレがホームに清水エスパルスを迎え撃った2020JリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ第1節。10分にレアンドロ・ダミアンの先制点を奪った13分後、若武者の切れ味鋭い一発が決勝点になった。
右サイドを突破した脇坂泰斗が左足で中央へパスを送ると、ゴール前に走り込んだ大島僚太はヒールパスを選択。「僚太くんはあそこで誰かの入ってきている姿が見えていた。そこで機転を利かせてくれるのはさすがだなと思いました」(長谷川)。長谷川がペナルティエリア中央で右足を一閃。強烈なシュートをゴールに突き刺した。「泰斗と(大島)僚太くんの状態を見ながらポジションを取れました。あのポジションにしっかり入れたことが良かったと思います」と自身の右足から放たれたゴールを振り返った。
チームは後半の立ち上がりにペースを落とし、67分に石毛秀樹に失点を許したものの、ここから途中出場の選手も含めて前年度王者の貫禄を示した。長谷川は左サイドで切れ味鋭いドリブル突破を見せてリズムを生み出す。そして74分、長谷川が試合を決定づけるチームの3得点を奪った。
左サイドで山根視来から旗手怜央がボールを受けると、鋭いドリブルで縦に抜け出し、中央へクロスを供給。この折り返しにファーサイドで長谷川が飛び込み、自身の2得点目をヘディングシュートで記録した。「怜央があそこまで行ったら、ああいったボールを上げてくれると分かっていた。そこで勝負あったと思いました」(長谷川)。これで勢いづいたチームは途中出場の小林悠も2得点。盤石の内容で今シーズンのルヴァン開幕戦を勝利で飾った。
川崎は今シーズンから4−3−3へシステムを変更。左ウイングに位置した長谷川は「キャンプからチームとして狙うところがハッキリしている。そういった中で自分もゴールの匂いがするところ、チャンスになりそうなところを逃さずに入るのを目的にしてきた。そういった部分を出せれば、こういうチャンスが転がってくるという自信になった。チャンスを絶対に逃さないようなポジショニングを、この1年は継続して意識したい」と新システムへの手応えについて語った。
この日はサポーターが歌う「今日も暴れまわれ」という応援のとおりに2度もゴールネットを揺らした。22日はホームでサガン鳥栖とのリーグ戦開幕を迎える。最高のスタートを切った長谷川は「毎試合で複数得点を取れるように頑張りたいと思います」と今シーズンの活躍を誓った。
By 武藤仁史
元WEB『サッカーキング』副編集長