8月2日に行われた第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の決勝戦でFC東京U-18は浦和レッズユースに勝利して連覇を達成した。FC東京U-18の主力として大会MVPに選出されたMF小林幹と得点王に輝いたFW原大智。幼稚園からずっと同じチームでプレーしてきた“生粋”の幼馴染みの二人に三冠への意気込み、さらにお互いへの本音を聞いた。
サッカーをやってく上でいなくてはならない存在
ここからはお二人に生い立ちについて聞かせてください。幼稚園からずっと同じチームに所属しているそうですね。
原 そうです。家が車で10分くらいの距離にあって。
小林 二人とも5歳上に兄がいて、小さい頃に兄の試合を見に行く時は必ず一緒に行っていました。
原 2、3歳の時に撮ったビデオがあるんですけど、その中で僕がお母さんに「お友達は?」って質問されて、「カンカン!」って答えています(笑)。
小林 小さい頃はそう呼んでいたよね(笑)。大智は小さい頃、お母さんが大好きですごく泣き虫だったので、お母さんと離れる時にいっつも号泣して鼻水を垂らしていたイメージがあります。今でも鼻はよく垂れているんですけど(笑)。
原 それは否定したいところなんですけど……できないんです(苦笑)。でも、本当に毎日のように公園でサッカーや鬼ごっこをして一緒に遊んでましたね。
お二人がFC東京の下部組織に入団したきっかけは?
小林 小学2年生くらいの頃に友達がFC東京のスクールに入らないかと誘ってきて、その友達と大智と3人で入りました。
当時トップチームの試合を見に行ったりしていましたか?
小林 毎回ではないですが、見に行っていました。2009年くらいに石川直宏選手がミドルシュートでガンガン点を取っていた時の印象はすごく強く残っています。
原 僕はFC東京vs東京ヴェルディ戦が記憶に残っていて、特にフッキが……。
小林 そっちか(笑)
原 すみません(笑)。あまりに破壊力がすごいなって。でも、そのフッキを止めまくっていた長友(佑都/現インテル)選手が好きになって、練習場に行ってサインをもらいました。
小林 僕は大竹洋平選手にサインをもらったことがあります。
付き合いが長い中で、お互いに悩みごとを相談することはありますか?
原 いや、もう照れくさくて(笑)。僕は中学時代、(杉山)弾斗によく相談していました(現:市立船橋校3年生※U-15むさし卒業)。
小林 (付き合いが)長すぎちゃって、逆にね(笑)。でも、直接相談することはなくても、お互いに「今はうまくいっていない時だな」とか、何となくは分かりますね。だからといって声を掛けたりするわけじゃなく、いつも通りなんですけど。
原 学校もほぼ毎日一緒に通っているので、さすがにオフの日に2人だけで遊んだりすることはもうないです。
小林 小さい頃に散々2人で遊んだから、もういいよね(笑)。
では、お互いが知っている「意外な一面」を教えてください。
原 高校に入学したばかりの頃、僕がなかなか周りの人と話せなくて友達ができなかった時、幹は僕の近くにいてくれました。コミュニケーションがうまいので、トレセンとかでもすぐにいろいろな人と打ち解けているんですよ。僕はなかなかうまくいかないので幹が羨ましいです。
小林 そんなことないでしょ(笑)。僕も人見知りなほうですよ。大智は最近、これまでと見違えるほどストイックになりました。
原 今が本当に大事な時期なので、危機感が強いんです。
お互いに対してのライバル心はありますか?
原 ずっと同じチームでポジションは被っていないので、ライバル心よりも「お互い頑張ろう」っていう気持ちのほうが強いと思います。だよね?
小林 そうだね。将来的には一緒にプロの舞台に立ちたいですし、ライバルというよりは本当に良い仲間であり、僕がサッカーをやっていく上で居なくてはならない存在だと思っています。
原 でも、小学生の時は僕がMVPとか得点王を狙っていてもほとんど幹が取っていたので、少し嫉妬したこともありました。
小林 そうなの?(笑)。僕からしたら、大智が良い動き出しをしてくれたり、僕のアシストから点を決めたりしてくれるおかげだと思っているんですけどね。
やはり長年一緒にプレーしているだけあって、やりやすさは感じますか?
小林 僕がボールを持った時に一番目に入るのは大智ですし、僕がどういうプレーをしたいかも分かってくれているので、いてほしいところにいてくれますし、走ってほしいところに動いてくれますし、本当にすごくやりやすいです。
原 僕からしても、本当にボールがほしいタイミングで出してくれると感じています。小さい頃からの関係があるからこその今の良い関係ができていると思っていますし、今2人そろって活躍できていることはうれしいですね。
By サッカーキング編集部
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